ヒアルロン酸注入と同様、まぶたのボリュームを足すことで「③骨の萎縮」を改善させることができます。
足りない部分を増やすという意味ではヒアルロン酸注入と同じですが、いくつかの違いがあります。
ヒアルロン酸のデメリットは、以下になります。
- 徐々に体に吸収されるため、効果は最大12~24カ月くらい
- 皮膚が薄い場所に注入した際に「チンダル現象」という、独特の色味が出る。
これに対し、脂肪注入は、以下の点でヒアルロン酸と相違があります。
- 半分くらいは定着する(術後7カ月で49%が生着する。*2)
- チンダル現象が起きない(色味の不自然さがない)
つまり、脂肪注入は、ヒアルロン酸のデメリットを解消した方法であると言えます。
しかし、脂肪注入にも以下のデメリット(合併症)が存在します。
脂肪塞栓(血管に脂肪がつまり、様々な症状を引き起こす)などもありますが、非常にまれであるといえます。*3
近年、様々な成長因子を添加することで生着率を上げるという方法も出てきていますが、硬結(入れた場所にしこりができる)などの合併症も報告されているため、当院では成長因子は添加せずに施術を行っています。
また、脂肪注入はヒアルロン酸注入と同様、たるみの原因である①皮膚や眼窩隔膜、靭帯のゆるみ ②眼窩脂肪の前への突出は改善しません。
当院では、脂肪注入は「手術を受ける方で、ほほ骨の凹み(骨の萎縮)が強い方」に、手術の際同時に行っており、脂肪を特殊な機器で精製し、さらにフィルターにかけることでまぶたが美しい形になるよう工夫しています。
*2 glasgold m, glasgold r, lam s. autologous fat grafting for midface rejuvenation. clin plast surg. 2015;42:115–121.
*3 a systemic review of autologous fat grafting survival rate and related severe complications.yu nzet al..chin med j (engl). 2015 may 5;128(9):1245-51.