
「しっかり眠っているのに、目の下のクマが消えない」「コンシーラーで隠しても夕方には目立ってくる」——そんなお悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、目の下のクマはすべて同じものではありません。 色や見え方によって、大きく「青クマ」「黒クマ」「茶クマ」の3タイプに分けられ、それぞれ原因がまったく異なります。 原因が違えば、正しい対処法も変わってきます。
この記事では、JR浦和駅西口の、まぶたの手術と涙の治療を専門としたクリニック「かつむらアイプラストクリニック」の院長である私が、クマの種類と原因を医学的な視点からわかりやすく解説します。 ご自身のクマがどのタイプかを見分けるセルフチェックもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目の下のクマは大きく3タイプ!あなたはどれ?

まずは3タイプの特徴を一覧で確認してみましょう。
| タイプ | 主な原因 | 見え方の特徴 | 見分け方… |
|---|---|---|---|
| 青クマ | 血行不良・薄い皮膚 | 青〜紫っぽい色 | 皮膚を引っ張ると色が薄くなる |
| 黒クマ | たるみ・脂肪・凹み(影) | 黒っぽい影 | 上を向くと影が薄くなる |
| 茶クマ | 色素沈着 | 茶色〜くすみ | 皮膚を引っ張っても色が変わらない |
ご自身がどれに当てはまりそうか、イメージできたでしょうか。
自分のクマはどのタイプ?簡単セルフチェック

ご自宅の鏡で、次の2つのテストを試してみてください。
① 皮膚を引っ張るテスト
目の下の皮膚を指で軽く横に引っ張ってみます。
- 色が薄くなる → 青クマ
- 色が変わらず一緒に動く → 茶クマ
② 上を向くテスト
上を向いて鏡を見るか、頬を指で上に持ち上げてみます。
- 影が消える・薄くなる → 黒クマ
- 変化がない → 青クマまたは茶クマの可能性
このセルフチェックはあくまで目安です。 実際には複数のタイプが混在していることが多く、たとえば「黒クマ+茶クマ」「青クマ+茶クマ」のように重なっているケースがよく見られます¹。 正確な診断には、眼形成の専門医師による診察が大切です。
そもそも「クマ」とは?なぜ目の下は色や影が目立つの?

目の下のクマとは、医学的には「眼窩下(がんかか)の暗色化」と呼ばれる状態の総称です。目の周りの皮膚は、体の中でもっとも薄い部分のひとつで、厚さはわずか0.5mm程度しかありません。
そのため、皮膚の下にある血管の色、骨や脂肪がつくる凹凸の影、皮膚そのものの色素が、表面にそのまま映し出されやすいのです。
クマは単一の原因で起こるものではなく、血流・骨格や脂肪の構造・皮膚の色素という複数の要因が組み合わさって生じます¹。だからこそ、まずは「自分のクマがどのタイプなのか」を知ることが、改善への第一歩になります。
国際的な皮膚科のレビューでは、クマ(眼窩下の暗色化)は原因によって「影によるもの(shadowing)」「血管によるもの(vascular)」「色素沈着によるもの(hyperpigmentation)」「体質的なもの(constitutional)」などに分類されています¹。 これを日本でなじみのある呼び方に整理すると、青クマ・黒クマ・茶クマの3タイプになります。
次に、それぞれの原因を詳しく見ていきます。なお、クマは1種類だけでなく、複数のタイプが混在していることも珍しくありません。
青クマ(血行不良タイプ)の原因とは?

青クマは、目の下の皮膚を透けて見える毛細血管の血流が滞ることで生じる、血管型のクマです¹。
目の周りには細かい血管が網の目のように張り巡らされています。 睡眠不足・疲労・冷え・長時間のスマホやパソコン作業などで血行が悪くなると、血液中の酸素が減って血液が暗い赤紫色になり、薄い皮膚を通して青っぽく透けて見えるのです。
青クマが出やすいのは、もともと皮膚が薄い方や色白の方です。 皮膚を軽く横に引っ張ると、血管が広がって色が薄くなるのが特徴です。また、入浴後など血行が良くなると目立ちにくくなり、寝不足や体調不良のときに濃くなる傾向があります。
青クマは加齢で皮膚がさらに薄くなると、より目立ちやすくなります。生活習慣の影響を受けやすいタイプといえます。
黒クマ(影クマ・たるみタイプ)の原因とは?

黒クマは、目の下にできる「影」が原因のクマです。 皮膚の色そのものが変わっているわけではなく、目の下の構造的な凹凸が影をつくり出している状態で、医学的には「shadowing(影によるクマ)」と呼ばれます¹。
黒クマの背景には、加齢に伴う目もとの構造変化があります。 年齢とともに、目の下の骨や脂肪、皮膚を支える靭帯がゆるみ、ボリュームが減少していきます²。すると、頬と下まぶたの境目に「ティアトラフ」と呼ばれる溝ができ、ここに影が落ちて黒く見えるのです³。
さらに、目を保護している「眼窩脂肪(がんかしぼう)」が前に押し出される(脱出する)と、ふくらみができ、その下に影が生まれます⁴。 下まぶたのふくらみ(いわゆる「目袋」)と、そのすぐ下のへこみがセットになって、黒クマをより濃く見せてしまいます。
黒クマの見分け方は簡単です。 上を向いて鏡を見たり、皮膚を上に持ち上げたりすると、影が消えてクマが薄くなります。逆に、正面を向くと影が戻って目立ちます。寝不足とは関係なく、年齢とともに少しずつ進行していくのが黒クマの特徴です。
黒クマは皮膚や脂肪、靭帯といった「構造」が関係しているため、スキンケアだけでの改善が難しいタイプです。
茶クマ(色素沈着タイプ)の原因とは?

茶クマは、目の下の皮膚に色素(メラニン)が沈着して茶色く見えるタイプです¹。青クマや黒クマと違って、血流や影ではなく、皮膚そのものに色がついている状態です。
茶クマの大きな原因のひとつが「摩擦」です。 目をこする習慣、アイメイクやクレンジングで強くこする、花粉症やアレルギーでかゆくて目元をさわってしまう——こうした刺激が繰り返されると、炎症後色素沈着(PIH)としてメラニンが蓄積します¹。
また、紫外線によるメラニンの増加や、生まれつき色素が沈着しやすい体質(constitutional type)も茶クマの原因になります。特に色の濃い肌質の方では、体質的・遺伝的な要素が強く関わることが報告されています¹⁵。 年齢を重ねると皮膚のターンオーバーが遅くなり、いったん沈着した色素が排出されにくくなる点も見逃せません。
茶クマの見分け方は、皮膚を横に引っ張っても色が薄くならず、引っ張った皮膚と一緒に色が移動することです。上を向いても色は変わりません。
クマのタイプ別の対処法は?セルフケアで足りるのはどこまで?

クマは原因によって対処法が異なります。タイプを取り違えると、ケアを続けても効果を感じにくくなってしまいます。
青クマは血行不良が主な原因のため、睡眠・運動・温めなど生活習慣の見直しが基本になります。蒸しタオルで目元を温めると一時的に目立ちにくくなることがあります。
茶クマは色素沈着が原因なので、まずは「こすらないこと」が何より重要です。やさしいクレンジング、紫外線対策、保湿といったスキンケアが対処の中心になります。
一方で注意したいのが黒クマです。 黒クマは皮膚のたるみ・眼窩脂肪・凹みといった「構造」が影をつくり出しているため、生活習慣の改善やスキンケア、マッサージでは原因そのものを取り除くことができません²。 コンシーラーで一時的に隠すことはできても、影の原因が残っている限り、夕方になるとまた目立ってきてしまいます。
つまり、青クマ・茶クマはセルフケアで対処できる一方、黒クマだけは「影をつくっている構造」へのアプローチが必要になるのです。
黒クマ(たるみ・脂肪による影)の治療方法

たるみや眼窩脂肪の突出が原因の黒クマは、その構造を整える手術が、影を根本から目立たなくする治療法です。 下まぶたの余分な脂肪を取り除いたり、位置を整えたりすることで、影の原因そのものをなくしていきます²。
軽度〜中等度の凹み(ティアトラフ)に対しては、ヒアルロン酸などの注入で影を目立たなくする方法も報告されています³⁴。ただし、皮膚が薄い方では注入剤が青く透けて見える「チンダル現象」などのリスクがあり⁴、効果も一時的です。脂肪の突出やたるみが背景にある場合は、注入だけでは不十分なことが少なくありません。
当院では、下まぶたのたるみや眼窩脂肪に対する手術を、すべて手術用顕微鏡下で行い、ミリ単位で繊細に調整しています。麻酔には全症例で独自の低痛麻酔法を用いており、術後のデスクワークは3日目から可能です(抜糸は術式により術後6〜12日目に行います)。 年間約1,800件のまぶたの手術を行う環境で、目もとの構造を一人ひとりに合わせて整えていきます。
なお、クマは複数のタイプが混在していることが多く、青クマや茶クマだと思っていても、実は黒クマ(構造的な影)が大きく関わっているケースは少なくありません¹。 「セルフケアを続けても改善しない」という方ほど、黒クマの要素が隠れている可能性があります。
また、当院ではクマの治療としてレーザーも行っています。色素沈着が中心の茶クマや、状態が比較的軽い場合には、レーザー治療が選択肢になることもあります。 一方で、たるみや脂肪の突出が進んでいる場合は、手術をおすすめしています。どちらが適しているかは、実際に診察してみないと判断できません。まずは原因と程度を見極めることが大切です。
▶ 目の下のたるみや脂肪による黒クマの治療について詳しくは、下まぶた(目の下)のたるみの治療をご覧ください。
▶ レーザー治療について詳しくは、最新のレーザー治療をご覧ください。
▶ 上まぶたの開きにくさや眠そうな目元も気になる場合は、別の原因として眼瞼下垂が隠れていることもあり、目の下の手術と同時に検討できる場合があります(手術は別日に行います)。
まずは「自分のクマの原因」を正しく知ることから

ここまで見てきたように、クマは原因によって対処法がまったく異なり、特に黒クマはセルフケアだけでは改善が難しいタイプです。 そして実際には、複数のタイプが組み合わさっていることがほとんどで、ご自身だけで正確に見分けるのは簡単ではありません。
「どのケアを試しても変わらない」「写真を撮るたびに目もとが疲れて見える」——そう感じている方は、一度、目もとの構造まで含めて診てもらうことをおすすめします。 原因が正しくわかれば、セルフケアで十分なのか、手術で根本から改善した方がよいのかが見えてきます。
当院ではJR浦和駅西口で、目もとの診察から手術までを院長である私がすべての診療、手術を一人で担当しております。 ご自身のクマの原因が気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。
よくあるご質問(FAQ)
- クマは何種類も混ざっていることはありますか?
- はい、よくあります。 実際には青クマ・黒クマ・茶クマが複合しているケースが多く、それぞれに合った対処を組み合わせることが大切です¹。
- 黒クマは手術しないと治らないのでしょうか?
- 影の原因が軽度であれば、レーザー治療や注入治療、スキンケアで目立ちにくくできる場合もあります。 一方、たるみや眼窩脂肪の突出が進んでいる場合は、構造そのものへのアプローチ(手術)が必要になることがあります²⁴。どの方法が適しているかは診察してみないと判断できないため、まずは原因と程度を見極めることが重要です。
- セルフチェックで自分のタイプがよくわかりません。
- クマは複数の要因が重なっていることが多いため、自己判断が難しいことも少なくありません。気になる場合は、眼形成を専門とする医療機関でご相談ください。
クマは「種類を見極めること」が改善への近道です。特に黒クマは、手術によって影の原因そのものを取り除ける可能性があります。 長く悩んできたクマこそ、ご自身のタイプを知ることが解決の第一歩です。 気になる方は、ぜひ一度眼形成の専門医師にご相談ください。
参考文献
- 1. Pissaridou MK, Ghanem A, Lowe N. Periorbital Discolouration Diagnosis and Treatment: Evidence-Based Review. J Cosmet Laser Ther. 2021;22(6-8):217-225. DOI
- 2. Bernardini FP, Cetinkaya A, Devoto MH, Zambelli A. Calcium hydroxyl-apatite (Radiesse) for the correction of periorbital hollows, dark circles, and lower eyelid bags. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2014;30(1):34-39. DOI
- 3. Sharad J. Dermal Fillers for the Treatment of Tear Trough Deformity: A Review of Anatomy, Treatment Techniques, and their Outcomes. J Cutan Aesthet Surg. 2012;5(4):229-238. DOI
- 4. Shah-Desai S, Joganathan V. Novel technique of non-surgical rejuvenation of infraorbital dark circles. J Cosmet Dermatol. 2020;20(4):1214-1220. DOI
- 5. Wu S, Jiang Y, Lian X, Liu K. A Novel Three-Step Collagen-Augmented Periorbital Comprehensive Treatment: Raise, Enhancement, and Depigmentation. Aesthetic Plast Surg. 2025;50(8):3018-3026. DOI




