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「目の下のクマやふくらみを手術で取りたい。でも、ダウンタイムが心配で一歩を踏み出せない」 ——そう感じている方は多いのではないでしょうか。
仕事や家事の予定を考えると、「腫れや内出血はいつ引くのか」「人前に出られるようになるのはいつか」は、手術を決めるうえでもっとも気になるポイントです。
この記事では、かつむらアイプラストクリニックで実際に行ったクマ取り手術(経皮的下眼瞼形成術=表ハムラ法に、脂肪注入を併施した症例)の写真を、術前から術後6ヶ月まで時系列でお見せしながら、院長である私、勝村宇博が、ダウンタイムの実際の経過を専門医の立場から解説します。
クマ取り手術のダウンタイムはどのくらい?

クマ取り手術(表ハムラ法)のダウンタイムは、強い腫れや内出血が落ち着くまでが術後1〜2週間、腫れがやわらいで見た目が安定してくるまでが術後3週間前後が一つの目安です。むくみが引いて仕上がりが安定するのは、術後2〜6ヶ月かけてゆるやかに進みます。
ただし、ダウンタイムの長さには個人差があり、術式・体質・年齢によって経過は変わります。デスクワークは術後3日目から可能ですが、この時期は腫れが一番強い時期です。メイクで内出血の色や腫れをある程度カバーできる術後1週間ごろが、現実的な復帰時期といえるでしょう。
そもそもクマ取り(表ハムラ=経皮的下眼瞼形成術)とはどんな手術?

目の下のクマ・たるみの原因は、大きく3つに分けられます。①皮膚や眼窩隔膜・靭帯のゆるみ、②眼窩脂肪の前方への突出、③骨の萎縮(ほほ骨のくぼみ)です。クマ・たるみの治療は、これらの原因に対してアプローチしていきます。
下まぶたのたるみ手術には脱脂・裏ハムラ・表ハムラがありますが、このうち表ハムラ(経皮的下眼瞼形成術)は、下まつ毛のすぐ下の皮膚を切開して行う方法です。皮膚側から十分な視野を確保できるため、上記3つの原因すべてに高いレベルでアプローチできます。

「表ハムラ」「裏ハムラ」という呼び方が広まってきましたが、どちらが優れているということではなく、皮膚のたるみの程度などによって使い分けるのが基本です。
ここで大切なのが、表ハムラと脂肪注入は別の手術だということです。表ハムラは、突出した眼窩脂肪を骨のくぼんだ部分へ移動・再配置する手術です。これに対して脂肪注入は、ほほ骨のくぼみ(③骨の萎縮)が強い場合に、ご自身の脂肪を注入してボリュームを補う追加施術で、必要に応じて表ハムラと同時に行います。今回の症例も、この脂肪注入を併施しています。当院では成長因子を添加せず、精製・フィルター処理した脂肪を用いています。
当院ではこうした繊細な操作を、(脂肪採取・注入以外は)すべて手術用顕微鏡下で、ミリ単位で組織を確認しながら行っています。
▶ 下まぶたのたるみ治療全体の考え方は、目の下(下眼瞼)のたるみ治療で詳しく解説しています。
術後の経過を時系列で解説【症例写真あり】
実際の症例写真で、ダウンタイムの経過を見ていきましょう。両側の表ハムラ(経皮的下眼瞼形成術)に脂肪注入を併施した症例です。

術前
術前:下まぶたのふくらみと、その下の影・くぼみが見られます。

術後1週間
むくみが残り、まだふっくらとした印象。腫れの感じ方には個人差があります。

術後3週間
むくみが落ち着き、人前に出ても気になりにくい状態に近づきます。

術後2ヶ月
下まぶたの段差がなめらかになり、仕上がりが見えてきます。

術後4ヶ月
仕上がりがほぼ安定しています。

術後6ヶ月
くぼみと影が目立たなくなり、なめらかな下まぶたに。注入脂肪も定着しています。
このように、見た目の大きな変化は1ヶ月以内に落ち着きますが、最終的な仕上がりが完成するまでには数ヶ月かかるのがクマ取り手術の特徴です。
内出血・腫れはいつ引く?ダウンタイムを左右する要素

ダウンタイム中に起こる主な変化は、腫れ(むくみ)・内出血・脂肪注入部の経過の3つです。 腫れ(むくみ)は術後2〜3日でピークを迎え、その後ゆるやかに引いていきます。まぶたは皮膚が薄くむくみやすい部位のため、強い腫れは1〜2週間、わずかなむくみは数ヶ月かけて落ち着きます。表ハムラは皮膚を切開する分、裏ハムラより腫れがやや多めに出る傾向があります。
内出血が出た場合は、紫〜黄色へと色が変化しながら、おおむね2週間ほどで吸収されます。出るかどうか、程度には個人差があります。
経皮法(表ハムラ)は皮膚側から操作するため、組織への負担を抑えた丁寧な剥離が回復の早さに直結します。実際、下眼瞼の皮膚切開から中顔面にアプローチする手術でも、剥離を低侵襲に行うことで「回復が早く合併症が最小限になる」と報告されています¹。
脂肪注入部については、移植した脂肪の一部が体に吸収されるため、最初はやや多めに見えても、数ヶ月かけて落ち着いた量に安定します。顔面に移植した脂肪の生着率はおよそ30〜80%と報告に幅があり²、当院では脂肪を精製・フィルター処理することで、より安定した定着を図っています³。
ダウンタイムを短く・楽に過ごすための過ごし方

ダウンタイムを少しでも楽に過ごすために、以下を意識しましょう。
術後48時間は安静
腫れと内出血を抑えるため、本来は患部を48時間冷やしていただきたいのですが、脂肪注入をした後は、注入した脂肪が変形しないよう患部の圧迫を控えていただきます。そのため当院では、脂肪注入を行った場合は患部を冷却せず、術後48時間は枕を高くして安静に努めていただいています。
デスクワークは術後3日目から
軽い事務作業であれば術後3日目から可能です。ただし腫れが強い時期のため、現実的にはメイクでカバーできる術後1週間ごろの復帰がおすすめです。
メイク・コンタクトレンズ
術後1週間からベースメイクが可能です。そして、術後3週間から、創部を強くこするアイメイクやコンタクトレンズの装着が可能になります。
なお、まぶたの手術では抜糸は術後6〜12日目に行います(術式や創部の状態によって時期が異なります)。
クマ取り手術で注意すべきリスクは?

安心して手術を受けていただくために、リスクも正しく知っておくことが重要です。当院では「修正前提ではなく、成功を前提に計画する」という方針で、術前に十分な説明を行っています。
経皮法で注意すべき代表的な合併症が、下眼瞼後退(あっかんベー状態)です。下まぶたが下方に引っ張られ、白目が見えやすくなる状態で、皮膚側からアプローチする経皮法で起こりうるものです。これを防ぐため、必要に応じて下まぶたを外側で支える固定(canthopexyやmid face lift、眼輪筋弁固定)を併用することが、有効な予防策として報告されています⁵。経験豊富な術者による、適応の見極めと支持組織の処理が予防の鍵となります。
また、経皮法では皮膚を切開しますが、当院では、まつ毛のすぐ下を切開した上で手術用顕微鏡を用いて丁寧に縫合しておりますので、傷あとが目立つことは多くありません。
脂肪注入は安全性の高い方法ですが、システマティックレビューでは、ごくまれに脂肪塞栓によって失明や脳梗塞などの重篤な合併症が起こりうることが報告されています⁴。これを避けるには、解剖を熟知した術者が適切な層・適切な手技で行うことが不可欠です。
下眼瞼の手術後に起こるしびれ・むくみ・色素沈着などの多くは一時的なもので、時間とともに落ち着いていきます。
よくある質問(FAQ)

- 仕事はいつから復帰できますか?
- 軽いデスクワークであれば術後3日目から可能です。ただしこの時期は腫れが最も強いため、メイクで内出血や腫れをある程度カバーできる術後1週間ごろが現実的な復帰時期です。
- 傷跡は残りますか?
- 経皮法(表ハムラ)では下まつ毛のすぐ下を切開するため、傷はまつ毛の生え際に隠れて目立ちにくくなります。また、当院では、手術用顕微鏡を用いて全例手術をしておりますので、より目立ちづらくなると考えております。
- 完成までどのくらいかかりますか?
- 見た目の大きな変化は1ヶ月以内に落ち着き、最終的な仕上がりの安定は術後2〜6ヶ月が目安です。
- 表ハムラと裏ハムラ、どちらが良いですか?
- 優劣ではなく、皮膚のたるみの程度などによる使い分けです。皮膚のたるみが目立つ方には経皮法(表ハムラ)が適しています。診察で最適な方法をご提案します。
目の下のクマ・たるみは、原因によって最適な手術が異なります。当院では眼瞼形成を専門に、年間約1,800件の手術を手術用顕微鏡下で行っています。ダウンタイムや術式について不安がある方は、まずは診察でご相談ください。
▶ 目の上のたるみ(上まぶた)も気になる方は、眼瞼下垂もあわせてご覧ください。上まぶたと下まぶたはどちらも治療できますが、同じ日ではなく、3ヶ月ほど期間を空けて別の日に行います。

参考文献
- 1. Wong CH, Mendelson B. Midcheek Lift Using Facial Soft-Tissue Spaces of the Midcheek. Plast Reconstr Surg. 2015;136(6):1155-1165.
doi:10.1097/PRS.0000000000001826 - 2. Glasgold M, Glasgold R, Lam S. Autologous fat grafting for midface rejuvenation. Clin Plast Surg. 2015;42(1):115-121.
doi:10.1016/j.cps.2014.08.004 - 3. Gerth DJ, King B, Rabach L, Glasgold RA, Glasgold MJ. Long-term volumetric retention of autologous fat grafting processed with closed-membrane filtration. Aesthet Surg J. 2014;34(7):985-994.
doi:10.1177/1090820X14542649 - 4. Yu NZ, Huang JZ, Zhang H, et al. A systemic review of autologous fat grafting survival rate and related severe complications. Chin Med J (Engl). 2015;128(9):1245-1251.
doi:10.4103/0366-6999.156142 - 5. Pascali M, Avantaggiato A, Brinci L, et al. Tarsal sling: an essential stitch to prevent scleral show in lower blepharoplasty. Aesthet Surg J. 2015;35(1):11-19.
doi:10.1093/asj/sju018








