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「最近、まぶたが重くて視界が狭くなった気がする」「アイメイクが映えなくなった」——こうしたお悩みの原因は、加齢による上まぶたの皮膚のたるみかもしれません。
上まぶたのたるみを改善する手術にはいくつかの方法がありますが、そのなかでも眉下切開(眉下リフト)は、二重のラインを変えずにたるみを取り除ける手術として知られています。
この記事では、眉下切開の適応や手術内容、ダウンタイム、他の手術との違いについて、眼形成を専門とする立場から解説します。
眉下切開はどんな手術?

眉下切開とは、眉毛の下縁に沿って切開し、余分な皮膚と皮下組織を切除する手術です。主な特徴は以下の通りです。
- 眉毛のすぐ下を切開するため、傷跡は眉毛に沿った位置に形成される
- ただし、重瞼線からアプローチする術式(二重切開や眼瞼下垂手術)と比べると、人によっては傷跡がやや目立つこともある
Quら(2022年)のアジア人女性を対象とした比較研究では、眉の上で切開する「眉上切開」と眉下切開の術後瘢痕を1年後に評価したところ、眉下切開のほうが瘢痕の色素沈着・厚み・硬さ・表面の平滑さのすべてにおいて良好な結果を示しました¹。
当院でも、手術用顕微鏡下で髪の毛よりも細い糸を用いて縫合を行い、傷跡への配慮を徹底しています。
どんな人に向いている手術?
眉下切開が適している方は、主に以下のようなケースです。
- まぶたが厚く、眉毛の位置が低くない方
- 二重のラインを変えたくない方
- 上まぶたの外側(目尻側)のたるみが強い方(いわゆる「lateral hooding」)
- 上まぶたの皮膚がたるんで視界にかかる方(眼瞼皮膚弛緩)
一方、まぶたが厚く眉毛の位置が低い方には、眉下切開よりも前額リフト(おでこリフト)のほうが適していることがあります。
また、まぶたが開きにくい「眼瞼下垂」が原因の場合は、眉下切開だけでは改善が不十分なことがあります。
眼瞼下垂と眼瞼皮膚弛緩は症状が似て見えることもあるため、正確な診断が治療方針を左右します。
当院のブログ記事「あなたは眼瞼下垂?それとも眼瞼皮膚弛緩?」でセルフチェックができますので、併せてご覧ください。

眉下切開と通常の上眼瞼切開(重瞼線切開)は何が違う?
上まぶたのたるみを取る手術には、眉下切開のほかに、二重のライン上で切開する方法(重瞼線切開/上眼瞼切開)があります。それぞれの特徴を整理します。
眉下切開の特長として、以下が挙げられます。
- 既存の二重ラインを温存できる
- 目元の印象が大きく変わりにくい
- 傷跡は眉毛に沿った位置に形成されるが、重瞼線切開と比べると人によっては目立つこともある
重瞼線切開の特長としては、以下が挙げられます。

- 二重のラインを同時に調整できる
- まぶたの深部(挙筋腱膜など)にもアプローチしやすい
Qiuら(2024年)は、重度の上まぶたのたるみに対して眉下切開の切開範囲を拡大した手法を75例に施行し、術後の瞼裂幅が有意に改善したと報告しています²。
高度なたるみでも、眉下からのアプローチで対応できるケースがあることを示す結果です。
どちらが適しているかは、たるみの程度や位置、眼瞼下垂の有無、患者さんのご希望によって異なります。
かつむらアイプラストクリニックでは、診察時に写真撮影とシミュレーションを行い、一人ひとりに合った術式を提案しています。
手術の流れとダウンタイムは?

当院での眉下切開の一般的な流れをご紹介します。
術前
- 座位での精密なデザイン(皮膚の切除量を慎重にマーキング)
- 局所麻酔
手術
- 手術用顕微鏡下で皮膚・眼輪筋を切除し、微細な縫合を行う
- 手術時間は60〜80分程度
- まぶたの厚みが強い場合は、眼輪筋後方の脂肪(ROOF)を同時に切除することで、よりすっきりとした仕上がりが得られる⁴
術後の経過
- 重力の影響で、切開部位よりもまぶたの縁のほうが腫れやすくなる
- 腫れは数ヶ月かけて徐々に落ち着いていく(非常に個人差が大きい)
- 術翌日から洗顔・洗髪・シャワー浴が可能
Wangら(2025年)が64例を対象に行った研究では、眉下切開術後の患者満足度は93.88%と高い水準を示しました。
また、術後の社会的外見不安(Social Appearance Anxiety Scale)の有意な改善も確認されています³。
ROOF切除とは?

ROOF(retro-orbicularis oculi fat)とは、眼輪筋のすぐ裏側にある脂肪層のことです。
まぶたが厚ぼったい方は、この脂肪層が発達していることが多く、皮膚だけを切除してもまぶたの厚みが残ってしまう場合があります。
眉下切開の際にROOFを同時に切除することで、皮膚のたるみだけでなくまぶたの厚みも改善できます。
Qiuらの研究4では、ROOF切除を併用した眉下切開において良好な結果が得られたことが報告されています。
当院でもまぶたの厚みが強い方にはROOF切除の併用をご提案しています。
術後の過ごし方

術後を快適に過ごすためのポイントをまとめます。
傷跡は目立つ?
眉下切開の傷跡は、眉毛の下縁に沿って形成されます。時間の経過とともに眉毛に紛れていく傾向はありますが、重瞼線からアプローチする術式(二重切開や眼瞼下垂手術)の傷跡と比較すると、人によっては目立つこともあります。
前述のQuらの研究¹では、術後1年時点で患者自身による瘢痕評価(PSAS)においても、眉下切開は眉上切開と比べてすべての項目で良好なスコアを記録しています。
当院では手術用顕微鏡下で、髪の毛より細い糸を使用して極限まで丁寧に縫合することで、傷跡の最小化に努めています。術後3ヶ月ごろに傷が一時的に硬くなりますが、その後は柔らかくなり、6ヶ月を過ぎると落ち着いてきます。
費用はどのくらい?保険は適用される?
眉下切開は、原則として自費診療となります。ただし、視野障害を伴う高度な眼瞼皮膚弛緩の場合は、保険適用で手術を行えることがあります。保険適用の可否は診察時に判断いたします。
当院の眉下切開の費用については、カウンセリング時に詳しくご案内しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)
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眉下切開の手術は痛いですか?
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手術は局所麻酔で行います。麻酔が効いた後は痛みを感じることはほとんどありません。術後は鎮痛剤を処方しますが、多くの方は「思ったより楽だった」とおっしゃいます。
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眉下切開は何歳くらいの方が受けていますか?
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当院では40代後半〜60代の方が多く受けられています。ただし、年齢だけでなく、まぶたの状態や眉毛の位置などを総合的に判断して適応を決定します。
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両目同時に手術できますか?
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はい、両目同時に行うことが一般的です。片目ずつ行うこともできますが、左右差を最小限にするために同時手術をお勧めしています。
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眼瞼下垂手術と同時に受けられますか?
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眼瞼下垂と眼瞼皮膚弛緩が同時に存在する場合、眼瞼下垂手術と眉下切開を組み合わせることで、まぶたの開きとたるみの両方を改善できます。ただし、術中から少しずつ腫れるため、同日に行うことはできません。デザインの都合上、まつげから遠い順に、それぞれ2ヶ月以上空けて行います。順番: 前額リフト → 眉下切開 → 眼瞼下垂手術
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コンタクトレンズはいつから使えますか?
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術後3週間から使用可能です。それまではメガネでお過ごしください。なお、術前のコンタクトレンズ使用に制限はありませんので、手術当日もコンタクトレンズ装用のままお越しいただけます。
まとめ
眉下切開は、二重のラインを変えずに上まぶたのたるみを改善できる手術です。向いている方をまとめると、以下の通りです。
- まぶたが厚く眉毛の位置が低くない方
- 二重のラインを変えたくない方
- 目尻側のたるみ(lateral hooding)が強い方
傷跡は重瞼線アプローチと比べると目立つことがある点を理解したうえで、ご自身に合った術式を選ぶことが大切です。
ただし、眼瞼下垂が隠れている場合はこの手術だけでは不十分なこともあります。まぶたのたるみや重さが気になる方は、まず眼形成を専門とする医師の診察を受け、正確な診断のもとで治療方針を決めることが大切です。
かつむらアイプラストクリニック(JR浦和駅西口)では、院長の勝村宇博が全症例の診察・手術を担当しています。年間約1,800件の眼瞼手術実績をもとに、一人ひとりに合った治療法をご提案いたします。

参考文献
- 1. Qu L, et al. Comparison of Postoperative Scarring in Asian Women After Supra-brow and Sub-brow Blepharoplasty. Aesthetic Plast Surg. 2022;46(5):2280-2286.
- 2. Qiu Y, et al. A Modified Subbrow Blepharoplasty for Correction of Severe Upper Eyelid Skin Laxity. Aesthetic Plast Surg. 2024;48(14):2634-2641.
- 3. Wang T, et al. Evaluation of morphological and psychological outcomes after sub-brow blepharoplasty. Front Surg. 2025;12:1658806.
- 4. Qiu Y, et al. Sub-brow skin excision Combined with retro-orbicularis fat resection. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2022;75(4):1431-1437.




