まぶたのくぼみが気になる方へ──バッカルファット移植という新たな治療法|【専門サイト】かつむらアイプラストクリニック|さいたま市浦和区の眼科

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まぶたのくぼみが気になる方へ──バッカルファット移植という新たな治療法

まぶたのくぼみが気になる方へ──バッカルファット移植という新たな治療法|【専門サイト】かつむらアイプラストクリニック|さいたま市浦和区の眼科

「年齢とともに、まぶたがへこんできた…」「疲れて見える」「二重のラインがぼやけてきた」
──そのようなお悩みを抱えている方は少なくありません。
特にアジア人では、上まぶたがくぼんで見える“眼瞼陥凹(がんけんかんおう)”の症状がよく見られます。

こうした症状を改善するため、これまで「ヒアルロン酸注入」や「自家脂肪注入(皮下脂肪移植)」などが行われてきました。しかし近年、これらの方法に代わる新しい治療法として「バッカルファット移植」が注目を集めています。

本コラムでは、最新の医学論文¹⁻³をもとに、「バッカルファット移植とは何か?」「従来の皮下脂肪移植とどう違うのか?」を分かりやすく解説します。

まぶたがくぼむ原因とは?

まぶたのくぼみは、加齢や手術後、または生まれつきの解剖構造によって生じます。主な原因は以下の通りです。

  • 加齢による皮下脂肪・筋肉の減少
  • 眼窩脂肪(目の奥の脂肪)の後退
  • 二重手術で脂肪を取りすぎた
  • ROOF(眼輪筋後脂肪)の萎縮¹

結果として、目元に影ができて老けた印象になったり、目が小さく見えたりします。

従来の治療法:皮下脂肪移植(もしくは脂肪注入)

「皮下脂肪移植」は、太ももやお腹から採取した脂肪をまぶたに注入する方法です。多くの美容医療で使われています。

しかし、まぶたへの使用は、以下のような問題点が報告されています。

皮下脂肪移植の課題

  1. 脂肪の生着率が低い
    脂肪が均一に生着せず、50〜100%が吸収されるケースもあり、再注入が必要になることがあります²。

  2. 注入部位の制御が難しい
    皮膚が薄い上まぶたでは、脂肪がダマになったり、左右差が出るリスクがあります。

こうした背景から、より安全で生着率の高い方法が求められていました。

新たな選択肢:バッカルファット移植とは?

バッカルファットとは、口の中の奥(頬の内側)にある柔らかくて血流の豊富な脂肪です。この脂肪を、上まぶたに移植することで、ふくらみを取り戻すことができます。

2023年の臨床研究¹によると、バッカルファット移植を受けた85名の患者において、以下のような優れた結果が報告されました:

患者満足度
87.1%が「非常に満足」、残りも「満足」
医師評価(GAIS)
89.4%が「非常に改善」
術後の痛み
平均2.12(10段階評価で低レベル)
合併症
なし(出血・感染・左右差もなし)

バッカルファット移植と皮下脂肪移植の違い

比較項目 バッカルファット移植 皮下脂肪移植
(もしくは脂肪注入)
採取部位 口腔内の頬部脂肪(バッカルファット) 太ももや腹部など体表の皮下脂肪
脂肪の質 血流が豊富で柔らかく、まぶたと馴染みやすい 部位によって硬さや繊維質が多くなりやすい
生着率 高い(約75〜80%維持) 低い(50〜100%が吸収)²
合併症のリスク 少ない 脂肪塞栓、視力障害、左右差などの報告あり²⁾³
術後の仕上がり なめらか、左右差も出にくい ダマになったり、凸凹になることも
採取の傷跡 口の中なので外から見えない 体表に小さな切開跡が残る可能性あり

このように、バッカルファット移植は上まぶたのくぼみ治療において、従来の皮下脂肪移植と比べて「安全性」「仕上がりの良さ」「定着率」のいずれの面でも優れているといえます。

他の方法との比較:ROOFや眼窩脂肪移動との違い

ROOF(眼輪筋後脂肪)や眼窩脂肪(目の奥の脂肪)を利用する手法もありますが、s移動できる脂肪の量に制限があります。

一方、バッカルファットはそのままの形状で移植でき、操作が比較的簡便で生着も良好です。

まとめ

まぶたのくぼみを改善する治療として、バッカルファット移植は従来の皮下脂肪移植よりも高い生着率と仕上がり、安全性を兼ね備えた方法です。

「注入してもすぐ吸収された」「不自然なふくらみになった」など、これまでの治療に満足できなかった方にも、非常に有力な選択肢となります。

かつむらアイプラストクリニックでは、眼形成外科の専門的知識に基づき、安全かつ的確な脂肪移植を提供しています。まぶたのくぼみが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

References

  1. Dai Y, Chen Y, Hu Y, Qin X, Yu H, Zhang L. Buccal Fat Pad Transplantation for Correction of Asian Upper Eyelid Depression: A Clinical Study. Aesthetic Plast Surg. 2023;47(4):1441–1446.
    https://doi.org/10.1007/s00266-023-03259-5
  2. Zhou X, Zeng N, Wang H. Correction of Upper-Eyelid Depression Through Retro-Orbicularis Oculi Fat (ROOF) Augmentation Using Periumbilical Adipose Graft. Aesthetic Plast Surg.
    2020;44(6):2131–2136.https://doi.org/10.1007/s00266-020-01828-6
  3. Jiang L, Li H, Yin N, Wang Y, Song T, Wu D. Free Orbital Fat Grafting During Upper Blepharoplasty in Asians to Prevent Multiple Upper Eyelid Folds and Sunken Upper Eyelids. J Craniofac Surg. 2020;31(3):685–688.
    https://doi.org/10.1097/SCS.0000000000006124
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