
年齢を重ねると、多くの方が「まぶたがたるんできた」と感じることがあるでしょう。
まぶたのたるみ(眼瞼皮膚弛緩症)は、単なる美容上の問題ではなく、視界を狭めたり、目の疲れを引き起こすこともあります。
では、このまぶたのたるみは「遺伝」するのでしょうか?
それとも生活習慣(環境要因)によるものなのでしょうか?
最新の研究では、まぶたのたるみに影響を与える特定の遺伝子が見つかりました。
さらに、喫煙や紫外線などの環境要因も影響を及ぼすことが明らかになっています。
今回は、遺伝子と環境要因の両方の視点から、まぶたのたるみの原因とその対策について詳しく解説します。
1. まぶたのたるみは遺伝するのか?
最新の研究では、まぶたのたるみの約61%が遺伝的要因に影響されていることが示されています。
これは、双子の比較研究によって明らかになったもので、親から子へ受け継がれる可能性が高いことを示唆しています。
また、フランスの502人の女性を対象に行われたゲノムワイド関連研究(GWAS)によって、まぶたのたるみに関与する可能性のある特定の遺伝子が発見されました。
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まぶたのたるみに関連する遺伝子
この研究で特に注目されたのが、以下の3つの遺伝子です。- H2AFY2遺伝子(10番染色体)
→ 皮膚の老化や弾力性に関与するヒストン関連遺伝子 - COL13A1遺伝子(10番染色体)
→ コラーゲンの生成に関与し、皮膚の構造を維持する役割を持つ - ADAMTS18遺伝子(16番染色体)
→ 皮膚の弾力維持に関与する酵素
特にH2AFY2遺伝子の変異は、まぶたのたるみを抑制する効果があることがわかりました。
つまり、この遺伝子を持っている人は、まぶたのたるみが進行しにくい可能性があるのです。 - H2AFY2遺伝子(10番染色体)
2. まぶたのたるみに影響する環境要因
遺伝的な要因だけでなく、環境要因(生活習慣)もまぶたのたるみに大きく関与しています。
特に以下の要因が、たるみを加速させることが分かっています。
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喫煙
- まぶたのたるみがある患者の60%が喫煙者であることが確認されました。
- 喫煙はコラーゲンの生成を抑制し、皮膚の弾力を低下させるため、たるみを加速させます。
また、喫煙者ではCOL1A1(コラーゲン関連遺伝子)の発現が有意に低下していることも分かっています。
これは、皮膚の構造を維持するコラーゲンの量が減少し、まぶたの皮膚がたるみやすくなることを意味します。 -
紫外線(UV)
- 紫外線は、コラーゲンやエラスチンを破壊し、皮膚の老化を加速させます。
- まぶたの皮膚は特に薄いため、紫外線の影響を受けやすい部位です。
研究では、日焼けしやすい体質の人はまぶたのたるみのリスクが高いことが明らかになっています。
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肥満
- BMI(体格指数)が高い人ほど、まぶたのたるみのリスクが高いことが分かっています。
- これは皮下脂肪の増加により、まぶたの皮膚が引っ張られ、たるみが進行するためと考えられます。
3. まぶたのたるみを防ぐためにできること
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スキンケア
- 日焼け止め(SPF30以上)を使用
- ビタミンC・E配合の美容液で抗酸化対策
- ヒアルロン酸やセラミド配合の保湿剤を使用
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生活習慣の改善
- 禁煙する
- バランスの取れた食事(コラーゲンを多く含む食品を摂取)
- 適度な運動で血流を促進し、肌のターンオーバーを改善
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クリニックでの治療
まぶたのたるみが進行してしまった場合、クリニックでの治療が有効です。- 眼瞼下垂手術 → まぶたの機能を改善し、視界を広げる
- 眉下切開術 → たるんだ皮膚を除去し、自然な若返りを実現
- ヒアルロン酸注入 → 目元のハリを取り戻す
4. まとめ
- まぶたのたるみは約61%が遺伝的要因に影響される
- H2AFY2、COL13A1、ADAMTS18遺伝子が関連
- 喫煙、紫外線、肥満がたるみを加速させる
- 生活習慣の改善と適切なスキンケアが予防に重要
かつむらアイプラストクリニックでは、目元のたるみ改善の相談を受け付けています。
「まぶたのたるみが気になる」「手術を考えている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
- Ummuhani Ozel et al. Assessment of COL1A1 and MMP9 expression in patients with dermatochalasis. Int Ophthalmol. 2020 Aug;40(8)
- Vincent Laville et al. A genome wide association study identifies new genes potentially associated with eyelid saggingExp Dermatol. 2019 Aug;28(8):892-898.