
まぶたの手術(上まぶたの手術・眼瞼下垂手術・二重まぶた手術など)は、見た目の若返りや視界の改善を目的として行われることが多いですが、術後に眉の位置が変化する可能性があることをご存じでしょうか?
今回は、最新のシステマティックレビューおよびメタ分析の研究をもとに、上まぶたの手術が眉の位置に及ぼす影響と、そのリスク要因について わかりやすく解説します。
1. 上まぶたの手術と眉の位置の関係
眉の位置は顔の表情や印象を大きく左右する重要な要素です。理想的な眉の位置は、
- 瞳の中心から2.5cm以上の高さ
- 髪の生え際から5cm程度の距離
が一般的に美しいとされています。
しかし、加齢や手術によって眉の高さや形が変化することがあります。特に、上まぶたの手術を受けると、眉が下がる可能性があることが今回の研究で明らかになりました。
2. 研究概要
この研究では、1992年から2022年までの30年間に発表された上まぶたの手術と眉の位置変化に関する研究を収集し、システマティックレビューとメタ分析を行いました。
- 対象となった研究:17件
- 解析された症例数:1428例(両眼のデータを含む)
- 比較した手術:
・シンプルな眼瞼形成術(上まぶたの余分な皮膚・脂肪を除去など)
・二重まぶた手術
・眼瞼下垂手術(挙筋やミュラー筋の調整を含む)
その結果、手術の種類によって眉の高さの変化量に差があることがわかりました。
3. 手術後の眉の高さの変化
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上まぶたの手術による眉の高さの変化
メタ分析の結果、上まぶたの手術を受けた後、眉の高さは平均1.45mm低下することがわかりました。
具体的には、手術の種類によって以下のような違いがありました。手術の種類 眉の下降量(平均) シンプルな上まぶたの形成術 0.67mm 二重まぶた手術 2.52mm 眼瞼下垂手術 2.10mm 特に二重まぶた手術や眼瞼下垂手術では、眉の下降が顕著に見られることがわかります。
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東アジア人と欧米人で違いはあるのか?
研究では、東アジアの医師による手術と、欧米の医師による手術の結果を比較しました。医師の地域 眉の下降量(平均) 東アジア(日本・中国・韓国) 2.82mm 欧米(欧州・米国・インドなど) 0.81mm 東アジアの医師が行った手術では、眉の下降が約3倍大きくなる傾向がありました。これは、東アジア人のまぶたの解剖学的な特徴や、手術方法の違いによる影響が考えられます。
4. なぜ眉が下がるのか?
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額の筋肉(前頭筋)の影響
眉の位置は、主に前頭筋(おでこにある、眉毛を持ち上げる筋肉)によって支えられています。手術前眼瞼下垂がある場合、視界を確保するために無意識に前頭筋を使って眉を持ち上げる。手術後まぶたの機能が改善し、前頭筋の緊張が緩む
→ 眉が自然に下がるこの「代償作用の解消」が、手術後の眉の下降の主な原因と考えられます。
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皮膚の切除の影響
手術で皮膚を切除するかどうかも、眉の位置に影響を与える要因の一つです。• 研究では、皮膚の切除の有無が眉の高さに大きな影響を与えないことが示されました。
• ただし、過剰に皮膚を切除すると、眉が余計に下がってしまうリスクがあるため、適切なバランスが重要です。
5. 眉の下降を防ぐためには?
シミュレーション
例えば、ボツリヌス毒素(ボトックス)を前頭筋に注射することで、手術後の眉の変化をシミュレーションする方法があります。
また、必要に応じて「眉下切開術」や「眉リフト」「おでこリフト」を併用します。
6. まとめ
- 上まぶたの手術後に眉が下がることがある(平均1.45mm)
- 二重まぶた手術や眼瞼下垂手術では特に眉の下降が顕著(2mm以上)
- 東アジアの患者では眉の下降が大きい傾向がある(2.82mm)
- 前頭筋の代償作用の解消が主な原因
- 適切な手術計画とシミュレーションで対策が必要
かつむらアイプラストクリニックでは、患者様一人ひとりの目元の特徴を考慮し、最適な治療をご提案しています。
「手術後に眉が下がるのが不安…という方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
Runzhu et al: Brow Position Change and its Potential Risk Factors Following Upper Blepharoplasty: A Systematic Review and Meta-Analysis. Aesthetic Plast Surg
.2023 Aug;47(4):1394-1409.