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私は、まぶたの手術を専門とした「目もとの専門医」です。
「目もとの専門医なのに『おでこの手術』?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
このような情報がまだ世の中に浸透していないため、疑問に思われるのも当然と思います。
しかし、実は「美しいまぶた」を追求していくと、術者はおでこの手術まで精通している必要があります。
つまり、「目もとの専門医だからこそ『おでこの手術』」なのです。
眉毛の高さについて
眉毛と黒目(瞳孔)の距離は、顔の印象に大きな影響を与えます。
例えば、眉毛の位置が上がっていると「明るい」「若々しい」といった印象を与えます。
逆に、眉毛と黒目の距離が近ければ、「眼ぢから」が強くなります。
良い意味でいえば、「凛々しい」とも言うことができます。
しかし、それも度が過ぎると、「ちょっと怖い」という印象を他人に与える場合があります。
眉間にシワが寄っていたら、なおさら「怖い」印象を与えてしまう場合があります。
この「眉毛が下がっている状態」を、医学的には「眉毛下垂(びもうかすい)」といいます。
眉毛下垂とは
眉毛下垂は「眉毛が正常な位置から、見た目に不快な位置まで下がること」と定義されています。
原因は多くの場合加齢で、紫外線などにより皮膚や皮膚の中の組織が変化してゆるみが生じ、眉毛下垂がおこりますが、顔面神経麻痺(外傷性、感染性⦅Ramsay-Hunt症候群⦆、医原性)や重症筋無力症、眼瞼痙攣、顔面痙攣などでも生じる場合があります。1)
ただ、「どれくらい眉毛が下がっていれば治療した方が良いのか」ということに関しては主観的な要素が強く、「瞳孔から眉毛下縁(眉毛の下側のライン)までの距離は15mm以上が好ましい」としている文献もありますが、2)明確な定義はありません。
1) Russell et al. Brow Ptosis. tat Pearls {internet}. Treasure Island(FL):Stat Pearls Publishing;2024 Jan.2023.Mar 1.
2) Baker et al. The influence of brow shape on the perception of facial form and brow aesthetics. Plast Reconstr Surg.119:2240-2247.2007.
眉毛下垂を治すには
眉毛下垂を防ぐには「無理やり眉毛を上げて表情を作る」ということになります。
しかし、加齢とともに真皮にあるコラーゲンやエラスチンが減ることで真皮が薄くなり、
眉毛を上げるなどの動きで、おでこにシワが寄りやすくなります(表情ジワ)。
また、同じ部分にシワが刻まれ続けるとシワ部分の真皮が薄くなり、表情を作らなくてもシワが寄った状態になります。