
「前額リフトを受けたら、その効果は何年くらい持つのだろう」「費用も大きい手術だから、数年で元に戻ってしまうのは避けたい」。眉毛の下がりやおでこの横ジワに悩み、前額リフト(おでこリフト)を検討している方から、こうしたご質問をよくいただきます。
前額リフトは、髪の生え際に沿って切開し、眉毛ごとおでこの皮膚を引き上げて余った皮膚を切除する手術です。切除した皮膚は再生しませんが、眉毛を支える組織や皮膚の加齢は手術のあとも続きます。そのため「効果がゼロになる」のではなく、「引き上げた位置から少しずつ戻っていく部分がある」と理解しておくことが大切です。
この記事では、JR浦和駅西口のかつむらアイプラストクリニック院長・勝村宇博(眼科専門医)が、前額リフト(おでこリフト)の効果は何年持つのか、研究データではどこまで分かっているのか、「下がってきた」と感じるときに何が起きているのか、そして長く持たせるために術前に確認したいことを解説します。
前額リフト(おでこリフト)の効果は何年持つ?

前額リフト(おでこリフト)の効果は、研究では術後2年前後までは安定して維持されることが報告されています。一方で、5年、10年といった長期になると、眉毛の位置が引き上げた位置から少しずつ下がっていく傾向があり、「何年で元に戻る」と一律に言い切れるものではありません。
主要な研究を統合した解析では、眉毛の挙上量は術後に有意に得られ、平均およそ21カ月の追跡期間でも効果が維持されていたと報告されています¹。内視鏡下前額リフトのデータをまとめたメタアナリシスでも、長期の眉毛の挙上量は内側3.25mm・中央3.86mm・外側4.35mmでした²。
一方、より長い期間を見た報告もあります。冠状切開(頭頂部を越えて耳の上まで切開する方法)の前額リフトでは、術後5年にわたって眉毛の位置が緩やかに下がっていくことが示されています³。また、前額リフトの長期的な効果を文献でまとめた2026年のレビューでも、眉毛の挙上効果は観察期間が延びるにつれて徐々に小さくなることが報告されています⁴。
つまり、研究データから言えるのは次の3点です。
- 術後1〜2年は、引き上げた位置がおおむね維持される
- その後は、加齢とともに眉毛の位置が少しずつ下がっていく傾向がある
- 下がり方には個人差があり、「手術をしなかった場合よりも高い位置を保つ」効果は続く
10年、20年といった超長期の確かな統計はまだ少ないのが実情ですので、この記事では「何年持つ」という断定は避け、持続性を左右する要因を整理していきます。
「持つ」とは何か?切除した皮膚は戻らないが、加齢は続く

前額リフト(おでこリフト)の持続性を考えるときに押さえておきたいのは、手術で得られる変化と、手術のあとも続く加齢変化は別のものだということです。
当院が行う生え際切開の前額リフト(おでこリフト)は、生え際のすぐ前で切開し、皮下と前頭筋の間の層を剥離して、眉毛ごと皮膚を引き上げます。引き上げて余った皮膚は切除しますので、その皮膚が再び生えてくることはありません。この点は、ヒアルロン酸注入や糸を使う施術と根本的に異なります。
ただし、手術のあとも変化し続けるものがあります。
- おでこと眉毛周囲の皮膚:加齢とともに弾力が低下し、ゆるみます
- 眉毛を支える組織:眉毛を下に引く力と上に引く力のバランスは、年齢とともに変化します
- 前頭筋の使い方:クセのようにおでこに力が入り続ける方は、眉毛の位置が安定しにくいことがあります
つまり、前額リフト(おでこリフト)の効果は「引き上げた分、手術をしなかった場合よりも高い位置を保つ」ものであり、そこに「加齢による変化」が上乗せされていくと考えるのが正確です。
術後に「下がってきた」と感じる3つの理由

前額リフト(おでこリフト)のあとに「眉毛が下がってきた」「また重たくなってきた」と感じる場合、その理由は大きく3つに分けられます。どれに当たるかで、対応が異なります。
① 腫れが引いたあとの落ち着き
引き上げた眉毛は、時間とともに少しずつ下がってきます。当院ではそれを見越して皮膚をしっかりと切除するため、術直後は「やりすぎでは」と思うほど眉毛の位置が高く上がります。腫れやむくみも重なり、術直後の眉はかなり高く見えますが、腫れは2〜3週間で落ち着き(非常に個人差が大きい部分です)、眉毛の位置も少しずつ下がって、術後6カ月くらいである程度よいところに落ち着く方が多いです。
この時期に「少し下がった」と感じるのは、手術の効果が消えたのではなく、眉毛が本来の仕上がりの位置に落ち着く過程です。当院では、術直後の高さだけで仕上がりを判断せず、評価は術後6カ月以降に行っています。
② 加齢による皮膚と眉毛の位置の変化
先ほど述べたとおり、手術のあとも皮膚のゆるみと眉毛の下降は続きます。冠状切開の報告では、術後5年にわたって眉毛の位置が緩やかに下がっていくことが示されています³。これは手術の失敗ではなく、新たに進んだ加齢変化です。術前の写真と比べると、手術前よりは高い位置を保っているのに、「元に戻った」と感じてしまう方は少なくありません。
③ まぶたの問題が顕在化した
3つ目は、眉毛の位置ではなく、まぶたの問題が見えてくるケースです。眉毛が下がっているとき、まぶたが重くなった分を前頭筋で持ち上げて補っている方がいます。眉毛下垂がある方に先にまぶたの手術を行うと、この代償が外れて、隠れていた眉毛下垂が目立つようになることが報告されています⁵。
反対に、前額リフトのあとに、おでこで補っていた眼瞼下垂が目立ってくる場合もあります。「眉毛が下がった」のではなく「目が開きにくくなった」と感じるときは、まぶたを持ち上げる腱(挙筋腱膜)のゆるみ、つまり眼瞼下垂が関与していないかを確認する必要があります。この場合に必要なのは、前額リフトのやり直しではなく、眼瞼下垂手術です。
術式や切開法で持続性は変わる?前額リフト・眉下切開・内視鏡の違い

眉毛やまぶたのかぶさりを改善する手術には、前額リフト(おでこリフト)のほかに眉下切開や内視鏡下の前額リフトがあります。「何を動かし、何を取るか」が違うため、長期的な見え方も異なります。
※横スクロールできます。
| 術式 | 行うこと | 長期的に変わりうるもの | 向いている方 |
|---|---|---|---|
| 前額リフト(おでこリフト)(生え際切開) | 眉毛ごとおでこの皮膚を引き上げ、余った皮膚を切除 | おでこの皮膚のゆるみ・眉毛の位置 | まぶたが厚く、眉毛の位置が低い方 |
| 内視鏡下 前額リフト |
小さな切開から眉毛を引き上げて固定(皮膚は切除しない) | 眉毛の位置(固定の影響) | 生え際が低めで額の幅が狭い方など |
| 眉下切開 | 眉毛のすぐ下で厚く重い皮膚を切除 | 残った皮膚のゆるみ・眉毛の位置 | まぶたが厚く、眉毛の位置が低くない方・目尻側のかぶさりが強い方 |
術式による持続性の違いについては、内視鏡下と生え際切開の比較研究で、術直後は内視鏡下の方が眉毛の挙上量が大きかったものの、6カ月以上の長期では両者に差がなかったと報告されています⁶。また、生え際切開(pretrichial)と内視鏡下を含む各術式の長期成績を統合した解析でも、切開の位置による長期成績や合併症に有意な差は認められませんでした¹。
つまり、持続性は「どの術式か」だけで決まるのではなく、眉毛の位置・額の形・皮膚の量に合った術式を選べているかが重要です。当院では、余った皮膚を直接切除できる生え際切開を基本としています。
▶ 前額リフトと眉下切開のどちらが向いているかは、前額リフトと眉下切開の違いで詳しく解説しています。
長く持たせるために、術前に確認したいこと

前額リフト(おでこリフト)の効果を長く保つために大切なのは、実は術後のケアよりも術前の見極めと計画です。当院では、次の点を診察で確認しています。
眉毛の位置は本当に低いか
まぶたが厚く眉毛の位置が低い方は前額リフトの適応ですが、眉毛の位置が低くない方は眉下切開の方が適していることがあります。適応が合っていないと、術後に「期待した変化が得られない」「また重たく感じる」と感じやすくなります。
まぶたの手術が必要な状態ではないか
眉毛下垂とまぶたのたるみ・眼瞼下垂が同時にある方も多くいらっしゃいます。複数の手術を組み合わせる場合、当院ではまつげから遠い順に、それぞれ2カ月以上あけて行います。
- 順番:前額リフト(おでこリフト) → 眉下切開 → 眼瞼下垂手術
- 術中から少しずつ腫れるため、複数の手術を同日に行うことはできません
- 眉毛の位置が定まってから、まぶたの手術のデザインを行う方が、仕上がりを正確に予測できます
後戻りを見越して、しっかり引き上げる
引き上げた眉毛は時間とともに少しずつ下がってくるため、当院ではそれを見越して皮膚をしっかりと切除します。術直後は「やりすぎでは」と思うほど眉毛が高く上がりますが、術後6カ月くらいである程度よいところに落ち着く方が多いです。術直後の高さに驚かれることがありますが、後戻りまで含めて設計した結果ですので、ご安心ください。
前頭筋のクセはないか
おでこに力が入り続けるクセがある方は、術後も眉毛が動きやすく、位置が安定しにくいことがあります。手術のデザインを考えるうえで、診察時に眉毛の動きを確認します。
再手術はできる?時期と考え方

前額リフト(おでこリフト)のあと、数年から10年以上経って「また眉毛が下がってきた」と感じる場合、再手術という選択肢はあります。ただし、再手術には次の点を考慮する必要があります。
- 初回に比べて難易度は上がる:時間が経って傷跡が軟らかくなっても、瘢痕組織そのものは残るため、初回と同じように計画できるわけではありません。手術を計画することはできますが、難易度は上がります
- 切除できる皮膚の量には限りがある:生え際切開では額の皮膚を切除するため、すでに初回で皮膚を切除した部位から追加で取れる量には限度があります
- 生え際の位置への影響:切除を重ねると、生え際の位置が後ろに下がる可能性があります
そのため、再手術の際は、眉下切開など別の術式を組み合わせるほうが適している場合もあります。診察では、現在の眉毛の位置・皮膚の余り具合・まぶたの状態を確認したうえで、最適な術式を提案します。
なお、当院では術後1年以内であれば、切開部位が同じ場合の再手術に追加料金はかかりません(追加手術時の術後のお薬代は別途かかります)。修正の要否は、術後6カ月以降に、デジタル一眼レフカメラでの写真撮影とブジーでのシュミレーションを行ったうえで判断します。
前額リフト(おでこリフト)を長く保つための生活習慣

術後の過ごし方や日常の習慣も、眉毛の位置の維持に関わります。
術後の過ごし方(目安)
•創部を過度にこすって負担をかけることは、術後3週間くらいは避けてください
長期的な習慣
クセを意識する
避ける
前額リフト(おでこリフト)のリスクと注意点

前額リフト(おでこリフト)には、効果の持続性以外にも知っておいていただきたいリスクがあります。
- しびれ感(知覚鈍麻):額と頭皮にしびれが出ることがあります。額は数カ月で回復する方が多い一方、切開線より後ろの頭皮には一部に鈍さが残ることもあります。日常生活に支障が出るほど残ることはまれですが、術前にご説明しています
- 傷跡:生え際に沿った傷跡は、赤みが術後およそ6カ月で落ち着くことが多いです(1年ほど続く場合もあります)。傷跡が目立ちにくくなるよう最大限の努力をしていますが、傷跡の見え方には個人差があります
- 一時的な脱毛:切開線に沿って髪が細くなったり抜けたりすることがありますが、多くは数カ月で回復します
- 眉毛の動きの一時的な弱さ・左右差:多くは数週間〜数カ月で回復しますが、眉毛の高さの左右差が術後6カ月でも残る場合は修正を検討します
▶ 前額リフト(おでこリフト)のダウンタイムの詳細は、HPのおでこリフト(額のしわ取り・眉毛下垂手術)のページもあわせてご覧ください。
当院の前額リフト(おでこリフト)について

かつむらアイプラストクリニックは、JR浦和駅西口の眼形成専門クリニックです。まぶたの手術 年間2000件前後を手術用顕微鏡下で行っており、前額リフト(おでこリフト)も、眉毛とまぶたのバランスを一体で診たうえで計画しています。
院長は眼科専門医として、眉毛の位置がまぶたの開きや二重の幅にどう影響するかを日常的に診察しています。前額リフト(おでこリフト)を単独の「おでこの手術」としてではなく、まぶたの仕上がりを左右する上流の手術として位置づけています。
- 手術は局所麻酔で行い、麻酔代と術後の診察代は手術代金に含まれています(点滴による静脈麻酔をご希望の場合は別途5,500円(税込)、頻回の診察をご希望の場合も別料金です)
- 術後の診察は、抜糸(術後6〜12日目)・術後2カ月・術後6カ月を目安に経過を確認します
- 当院の料金は料金表をご確認ください
▶ 前額リフトの適応や手術の流れについては、前額リフト(おでこリフト)とは?で解説しています。
よくある質問(FAQ)

- 前額リフトの効果は、一生続きますか?
- 一生続くとは言えません。切除した皮膚は戻りませんが、加齢による皮膚のゆるみと眉毛の下降は手術のあとも続きます。ただし、手術をしなかった場合に比べると、高い位置を保つ効果は続きます。
- 何年くらいで再手術を考える方が多いですか?
- 個人差が大きく、一律の年数はお答えできません。研究では術後2年前後までは安定し、その後は緩やかに下がる傾向が報告されています。「また重たく感じる」と思われたときが診察の目安です。
- 術後に眉毛が下がってきたように見えるのは、失敗ですか?
- 術直後は腫れの影響で高く見え、腫れが引くにつれて落ち着くことが多いです。術後6カ月までは仕上がりが変化する途中ですので、評価はそれ以降に行います。心配なときは診察でご確認ください。
- 内視鏡の方が長持ちしますか?
- 術直後の挙上量は内視鏡下の方が大きいことがありますが、6カ月以上の長期では生え際切開と差がなかったと報告されています⁶。持続性は術式だけでなく、適応と計画によって変わります。
- 眉下切開と前額リフトでは、どちらが長持ちしますか?
- 眉下切開は厚い皮膚を直接切除する手術、前額リフトは眉毛の位置ごと引き上げる手術で、役割が異なるため単純な比較はできません。眉毛の位置が低い方は前額リフト、低くない方は眉下切開が適していることが多いです。
- 前額リフトのあとに、眼瞼下垂手術が必要になることはありますか?
- あります。眉毛下垂のある方は、おでこで目を開く力を補っていることがあり、前額リフトのあとに眼瞼下垂が目立ってくる場合があります⁵。まつげから遠い順(前額リフト→眉下切開→眼瞼下垂手術)に、2カ月以上あけて計画します。
- 再手術には追加料金がかかりますか?
- 術後1年以内で、切開部位が同じ場合の再手術には追加料金はかかりません(追加手術時の術後のお薬代は別途かかります)。それ以降の費用は料金表をご確認ください。
まとめ

前額リフト(おでこリフト)の持続性について、ポイントを整理します。
- 切除した皮膚は戻らないが、加齢による皮膚のゆるみと眉毛の下降は手術のあとも続く
- 研究では術後2年前後までは安定し、その後は緩やかに下がる傾向がある(個人差が大きい)
- 「下がってきた」と感じる理由は、①腫れが引いたあとの落ち着き ②加齢変化 ③まぶたの問題の顕在化、の3つ
- 持続性を左右するのは術式の種類よりも、眉毛の位置・額の形・皮膚の量に合った適応と計画
- 再手術は可能だが、初回より難易度が上がる
- 仕上がりの評価と修正の判断は、術後6カ月以降
前額リフト(おでこリフト)は、眉毛の位置から目もとのバランスを整える手術です。効果の持続性を正しく理解したうえで、ご自身に合った術式を選ぶことが、長く満足いただくための近道です。眉毛の下がりやまぶたの重さでお悩みの方は、かつむらアイプラストクリニックへお気軽にご相談ください。
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※本記事の医学情報は、PubMed等で書誌を確認した論文を参照しています。




