10代・20代の若い世代に多い「逆さまつげ」。目の痛みやゴロゴロ感といった不快な症状だけでなく、「目が小さく見える」「アイラインが引きにくい」など、見た目に関するお悩みを抱えている方も少なくありません。
こうした逆さまつげのお悩みは、専門的な治療によって根本から解消することが可能です。
このページでは、若い方の逆さまつげの原因から、具体的な手術方法、気になるダウンタイムや費用、そして治療によってどんな素敵な変化が期待できるのかを詳しく解説していきます。
逆さまつげ (眼瞼内反症・睫毛内反症・内眼角贅皮)
10代・20代の若い世代に多い「逆さまつげ」。目の痛みやゴロゴロ感といった不快な症状だけでなく、「目が小さく見える」「アイラインが引きにくい」など、見た目に関するお悩みを抱えている方も少なくありません。
こうした逆さまつげのお悩みは、専門的な治療によって根本から解消することが可能です。
このページでは、若い方の逆さまつげの原因から、具体的な手術方法、気になるダウンタイムや費用、そして治療によってどんな素敵な変化が期待できるのかを詳しく解説していきます。
1不快な症状からの解放(ゴロゴロ、痛み、充血の解消)
2日常生活が楽に(コンタクトレンズが装着しやすく)
3メイクやおしゃれがもっと楽しく(アイラインが引きやすい、コンタクトも快適)
全身状態を把握するため、お持ちの方は必ずお薬手帳をご持参ください。
ご本人が気になっている部分はどこか、手術を検討されている部分がどこか、どのように気になっているか、そしてどうなりたいか、文章にしてお持ちいただくのも良いかもしれません。
理想の顔の写真をお持ちいただくのも一つですが、お顔立ちは非常に大きな個人差がありますので、あくまで参考程度と考えておいてください。

来院されましたら、受付で手続きを済ませた後は問診票にご記入いただきます。
記入いただきましたら、(持参された場合は)お薬手帳などお持ちの書類を提出ください。その後は、お待ちいただき検査、診察となります。
当院は時間予約制とさせていただいておりますが、時間通りにお呼びできず、場合によっては1~2時間ほどお待たせしてしまうことがあります。
当院では、診療のクオリティを保つため、私が全ての診察、手術、(電話対応も含めた)アフターフォローを担当する「完全診療担当制」をとっております。
なお、保険診療と自費診療の時間の区分けを行っておりません。
そのため、他の患者様の診察時間が予定よりもずれ込むなどの事情により、診察や手術などが遅れてしまうケースが生じることもあります。
全て私が対応することで手術のクオリティや電話対応も含めたアフターフォローの安心感を優先しているためでもありますので、皆さまご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

当院では、初診時に必ず以下の検査を行っております。
まぶたは眼球と接しているため、まぶたの手術は(一時的なものが多いものの)眼球への影響が出やすい手術です。
術前の眼球の状態をしっかりとチェックし、異常がないか確認します。
場合によっては視野検査などもおこなうこともあります。

診察室では、まず詳細に「お悩みの内容やどのようになりたいか、など」お話を伺います。
当院では他院の術後修正が少なくありませんが、手術方法や術後の経過に影響が出る場合もありますので、以前に他院で手術を受けている方は必ずお申し出ください。

また、一眼レフカメラでの撮影を行い、細かな数値を計測します。

そして、細隙灯顕微鏡検査を行い、表面も含めた状態を把握します。
これら詳細な診察や検査の結果も含めて私からみた患者様のまぶたの状態をお伝えし、どの治療法が患者様に向いているのか、治療方法をご提案します。

手術を希望される方は、日程を予約いただき当日採血検査を行います。
その際、手術に関する説明を看護師からも行います。不明点がございましたら、遠慮なくお尋ねください。

術前に、もう一度診察にお越しいただきます。
その際には、採血検査結果のお伝えと同時に、もう一度手術に関する説明を行います。
なお、当院は、全国のみならず海外在住の方も来院されます。遠方の方で直前診察をご希望されない場合は、一度ご相談ください。
また同日に、手術前後での生活上の注意点などもお伝えします。
次は、いよいよ手術当日となります。
特にありません。手術開始予定時刻10~15分前にお越しいただきます。
当院では、診療のクオリティを保つため、私が全ての診察、手術、(電話対応も含めた)アフターフォローを担当する「完全診療担当制」をとっております。
また、外来での説明もなるべくしっかり行うよう心がけております。
そのため、外来の終了時刻が予定を過ぎ、その分手術開始時間も遅れることが少なくありません。
こちらに関しても、ご理解ご協力の程よろしくお願いいたします。

次は、いよいよ手術当日となります。
事前にお伝えした時間に、当ビル5階にお越しください。
5階は、診察室とは別の、手術および施術スペースとなっています。

受付が終わりましたら、ウェイティングおよびリカバリースペースにご案内します。
リカバリースペースでは、スタッフが血圧測定などの体調確認を行います。
当日体調が思わしくない方は、スタッフにお申し出ください。

時間になりましたら、麻酔のクリームをまぶたに塗布し、手術に備えていただきます。

頃良いタイミングで手術室に案内いたします。
手術室に入室しましたら、手術室真ん中のチェアに座っていただきます。このチェアは全電動で患者様の座る角度を変えることができます。まずは仰向けになっていただき、消毒します。
※見出しをクリックすると詳細をご覧いただけます

消毒が終わりましたら、あおむけの状態でデザインします。
上まぶたの手術では、二重幅やまぶたの開き具合に重力がかなり影響します。
そのため、良い結果になるよう、必ず座位(座った状態)でデザインを行っています。
しかし、下まぶたの手術では二重幅やまぶたの開き具合を調整しないため、仰向けの状態でデザインを行います。

デザインした後は注射の麻酔を行います。
痛みを和らげる薬剤を混ぜるなど、オリジナルの麻酔を使用し工夫を行っております。不安が強い場合は、笑気麻酔を使用することがあります。

麻酔が一通り終わりましたら、手術開始です。
術式にもよりますが、高周波メスや炭酸ガスレーザーなど、最新のデバイスもしっかり使用しつつ、繊細な部分はハサミ(医療用語では剪刀・せんとうと言います)でアプローチします。
また、当院最大の特徴は、全例手術用顕微鏡で手術を行うことです。
肉眼やルーペなどとは解像度が全く違いますので、顕微鏡を使用することで繊細な作業が可能になります。

以下の写真は、倍率の違いによるものの見え方を比較した写真です。顕微鏡で手術する、ということがどういうことか一目瞭然ではないでしょうか。
術中ですが、会話ができます。
痛みなど感じる場合は、手術途中でも口頭で伝えていただければ麻酔を追加します。

手術が終わりましたら、手術前に待機したリカバリースペースにお戻りいただきます。
リカバリースペースでは、血圧チェックなどお身体の状態を確認した後に、患部を20分ほど保冷剤で冷やしていただきます(術後即帰宅されたい場合はご相談ください)。
その後お会計、ご帰宅となります。

※術後ですが、特別な場合を除き術後は眼帯などを付けていただくことはしておりません。
ご帰宅までの道のりで人目に触れる可能性がある方は、カモフラージュ用のサングラスなどをご用意、持参ください。
※見出しをクリックすると詳細をご覧いただけます
どの術式においても、術後約1週間前後で来院いただきます。
その際、皮膚を縫っている糸を抜糸します。
時間と共に腫れが落ち着き始めています。術後見づらさや涙、違和感等術後の一時的な症状が出る方もいらっしゃいますが、術後1~2カ月で症状が改善し元に戻る方が多いです。
傷あとの赤みなどは、まだ目立つ時期です。気になる方はカモフラージュ用のメガネ等を使用してください。
腫れの影響がかなり落ち着き。それと共に細かな部分で気になるポイントが出てくる頃です。
しかし、基本的には、まだ傷は落ち着いておらず、修正手術はしない方が良い時期です。修正を希望される場合は、術後の傷がほとんど落ち着く術後6カ月の診察時に本格的なお話をさせていただきます。
傷あとの赤みは、落ち着いてきているもののまだ残っている時期です。
基本的には術後6カ月で術後の完成形になります。
皮膚のたるみや二重幅、左右差など細かな部分に関して診察時に一緒にしっかりと確認し、修正が必要かどうか一緒にしっかりとチェックしましょう。
| 3割負担 | 1割負担 | |
|---|---|---|
| 眼瞼内反症手術 | 約22,000円 | 約7,700円 |
適用可能な方に関しては保険が適用されますが、適用が難しい場合は自費での治療をご案内する場合があります。あらかじめご了承ください。
10歳以降に治らない場合もしくは10歳以前でも視機能に影響がある場合は、手術をお勧めいたします。
まつげが黒目(角膜)に当たっている状態を放置すると、
まつげを抜くセルフケアは一時しのぎで、すぐにまた生えてきます。繰り返すほど角膜ダメージは蓄積するので、「痛いけど我慢」はおすすめできません。治療が必要な方は、眼科での診察の上で手術をお勧めしています。
はい。医学的に手術が必要と判断される場合は健康保険が使えます。保険適用されない逆さまつげは、そもそも「逆さまつげ」ではありません。
手術自体は局所麻酔で片測20~40分程度。日帰りで手術可能です。
※高校生以下はこども医療助成で自己負担がさらに少なくなる自治体もあります。詳しくは受付でご確認ください。
逆さまつげとは、「本来前を向いているはずのまつ毛が、上を向いて眼球に接している状態」のことです。
逆さまつげは正式には「睫毛内反症」といい、ひどい場合はまつげが目に当たり傷がつきます。
異物が眼球に入らないよう、まつ毛は眼球を守っています。
そして、視界を邪魔しないように、まつ毛は通常前を向いています。
しかし、先天的にまつ毛が前を向かず眼球に近づいている場合があり、ひどい場合はまつ毛が眼球と接しています。そうすると、まばたきをするたびにまつ毛が眼球とこすれ、目のゴロゴロ感や痛みを感じるようになります。
これを「睫毛内反症」といいます。いわば「若い方の逆さまつげ」です。
睫毛内反は上まぶたにも下まぶたにも起きうる病気で、上まぶたの睫毛内反を「上睫毛内反症」、下まぶたの睫毛内反を「下睫毛内反症」といいます。



まぶたの向きは変わらず、目頭以外のまつげが眼球に当たっている状態

まぶたの向きは変わらず、目頭のまつげが眼球に当たっている状態
(医学的には間違った分類ですが、わかりやすさを優先し、上記のような分類をしています)

加齢と共にまぶた全体が内側を向き、まつげが目に当たる状態

一部のまつげの生える向きが変わり、まつげが目に当たる状態

下まぶたの縁にある繊維でできた硬い板「瞼板」に、筋肉である下眼瞼牽引筋腱膜(Lower Eyelid Retractors:LERs)が付着し瞼板を引っ張ることでまぶたと眼球がフィットしています。
また、LERから筋肉の枝が伸びて皮膚に付着することでまつ毛が外を向き視界の邪魔にならないようになっています。

しかし、以下の場合にまつ毛が眼球に向かって生え、ひどい場合は眼球に当たってしまいます。これを「下睫毛内反症」といいます。

また、目頭側の皮膚の張り出し(内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ))も下睫毛内反症の原因になります。
目頭に余計な皮膚(筋肉)があると、目頭のまつ毛が眼球側に向きやすくなるためです。

上まぶたの縁にある繊維でできた硬い板「瞼板」にまぶたを上げる筋肉である挙筋腱膜やミュラー筋が付着し、瞼板を引っ張ることで眼が開くようになっています。

二重まぶたの場合は、筋肉の枝が伸びて皮膚にくっついています。
この筋肉の枝により、まつ毛が前を向いて視界の邪魔にならないようになっています。

一重まぶたの場合は筋肉の枝が無いため、まつ毛が下を向いて視界を邪魔しています。
これを睫毛下垂(しょうもうかすい)といいます。

そして、皮膚のボリュームが多い人はまつ毛が皮膚に押されて眼球に当たるようになり、目のゴロゴロ感や痛みを感じます。これを「上睫毛内反症」といいます。

上睫毛内反症も、目頭の皮膚や筋肉の張り出しである「内眼角贅皮」が原因で悪化します。

まつ毛が眼球に当たる他の病気としては眼瞼内反症があります。眼瞼内反症は、まぶた自体が内側にひっくり返ることでまつ毛が眼球に当たる病気です。
それに対し睫毛内反症は、まぶたの位置は正常ですが「まつ毛が眼球側を向いています」。
基本的に眼瞼内反症はシニアの(大人の)病気、睫毛内反症は子どもの病気ですが、子供でも眼瞼内反症の場合もありますので、眼科での診察が必要になってきます。

睫毛乱生とは、まぶたの位置は正常ですが「一部のまつ毛が眼球の方向を向いている」病気です。
睫毛乱生と睫毛内反症、ともにまぶたの位置は正常ですし、長期間睫毛内反を放置しておくと経験上睫毛乱生にもなります。
混在していることもあり、やはり眼科での診察が必要になります。
産まれたばかりの赤ちゃんは、約2割が涙の通り道が閉じています。
涙の通り道が閉じていると、台所のシンクの排水口がつまっているのと同じで涙が溜まり雑菌も生えやすくなるため、「涙がたまっている」「目ヤニが出る」という症状になります。
まつ毛が眼球に当たる影響で、睫毛内反でも「涙が溜まっている」「目ヤニが出る」という症状が出る場合があります。
睫毛内反症も先天性鼻涙管閉塞も小さい子どもがなりますし症状が似ているので、間違われる場合があります。
これも眼科での診察で見分けることができます。
「睫毛内反症」は、主に乳幼児から若年層に見られる逆さまつげの正式名称です。
下まぶたの皮膚や皮下脂肪が過剰に盛り上がった皮膚にまつげの生え際が内側に押し込まれ、まつげが眼球側へ向かってしまう状態を指します。
睫毛内反症の原因は、下まぶたの構造的な要因、特に「皮膚」や「皮下脂肪」の過剰な厚みにあります。
まぶた自体の向きは正常ですが、乳幼児や小児期には目の周りの組織がまだ緩く、盛り上がりが目立ちます。
この盛り上がりが、まつげの生え際を物理的に内側へと押し込み、本来前を向くべきまつげが眼球に接触してしまいます。
成長とともに顔つきが変化し、まぶたの張りが増すことで自然に改善するケースも多く見られますが、重度の場合は角膜損傷を防ぐための治療が求められます。
小さな子供の場合は自分から症状を訴えるのが難しいということもありますが、小さいうちはまつ毛が柔らかく角膜が傷つきづらいということもあり、睫毛内反の子供の78%は無症状であったというデータが出ていますし1)、睫毛内反症の割合は以下のように成長と共に自然に治る可能性も高いのは事実です。
| 0歳 | 46% |
|---|---|
| 1歳 | 24% |
| 2歳 | 20% |
| 3~4歳 | 17% |
| 5~6歳 | 7% |
| 13~18歳 | 2% |
しかし、乱視や近視、遠視など屈折(メガネの度数)の異常が伴うことが多く2)、この時期の屈折の異常は弱視(目の成長が未発達な状態)につながって見づらさが一生付きまとう可能性がありますので放置するのは危険です。
お子さんがよく目をこすったり、結膜炎になっている場合は要注意です。
睫毛内反症を疑って、専門医師への受診をお勧めいたします。
睫毛内反症かどうか確認するのは、眼科の診察台にある細隙灯顕微鏡を使用して確認します。

正常な眼瞼 睫毛が前を向く

正常な眼瞼 睫毛が眼表面には当たらない

睫毛内反症。睫毛が上を向く

睫毛内反症は眼表面に傷をつける
年齢と共に自然に治ることも多いですが、乱視や近視、遠視など屈折(メガネの度数)の異常が伴い弱視(目の成長が未発達な状態)につながって見づらさが一生付きまとう可能性がありますので、自然に治らない場合は適当なタイミングでの手術が必要です。
角膜の傷の程度や睫毛内反症の程度、年齢も総合して患者さんにとってベストな治療タイミングを計っていきます。

下睫毛内反症の原因が以下であることを考えると、
手術のコンセプトは以下となります。
つまり、以下を行うのが「Hotz変法」です。
また、Hotz変法はまぶたの皮膚を約2.5cm切開しますが、傷あとをきれいに縫えば痕はほとんど残りません。

上睫毛内反の原因が以下であることを考えると、
手術のコンセプトは以下となります。
つまり、以下を行うのが「Hotz変法」です。
上まぶたのHotz変法は、いわゆる重瞼二重術(じゅうけんふたえじゅつ)です。
また、Hotz変法はまぶたの皮膚を約2.5cm切開しますが、上から皮膚がかぶってくるため、外からはまったくわかりません。

| 術式 |
Hotz変法 +内眥形成(目頭切開) |
| 手術時間 | 約90分 |
| 金額 |
約100,000円前後 (保険適用、3割負担時。 高額医療制度適用可) |
| リスク・副作用 | 内出血、術後腫脹、再発 |
逆さまつげは、まつ毛が当たり眼球が傷つく病気です。
初診時には、細隙灯顕微鏡を使用して「どれくらい眼球にまつ毛が当たっているのか」という評価をしなければなりません。
肉眼では全く分かりませんが、眼球に特殊な色をつけて傷を確認する「フルオレセイン染色」を行うと傷がはっきりと確認できます。
そして、しっかりとまつ毛を外側に向けることで、眼球の傷は消失します。

切開した傷あとですが、全例顕微鏡で非常に細かく縫うことで最小限に抑えています。
しかし、体質の面も大きいため、細い線状の傷あととして残る場合はあります。

| 術式 |
両上下Hotz変法 +内眥形成(目頭切開) |
| 手術時間 | 約120 分 |
| 金額 |
約100,000円前後 (保険適用、3割負担時。 高額医療制度適用可) |
|
リスク・副作用 |
内出血、術後腫脹、再発 |
もともと一重の場合、上まぶたのまつげも皮膚で押されて眼球に当たり逆さまつげになっていることも少なくありません。
上まぶたの逆さまつげは二重にすることで解消されます。
上まぶたの場合は上からかぶさる皮膚で隠れますので、傷あとが目立つことはほとんどありません。
逆に下まぶたの場合、うまく手術しないと傷あとのところで段差ができます。
当院では、全例顕微鏡を使用した上で細かな工夫を用い、段差の解消を実現しています。
しかし、傷あとの残りやすさ、目立ちやすさは患者様により違いますので、傷あとが若干目立つ場合もあります。

| 術式 |
両上下Hotz変法 +内眥形成(目頭切開) |
| 手術時間 | 約120 分 |
|
金額 |
約100,000円前後 (保険適用、3割負担時。 高額医療制度適用可) |
|
リスク・副作用 |
内出血、術後腫脹、再発 |
逆さまつげは、術前に「傷あと」について聞かれることが多々あります。
そのため、術後の経過について写真を並べてみました。
結論から言うと、「まぶたの腫れは約2カ月、傷あとの赤みは約3~6カ月」かかることが多いです。


| 術式 |
両下Hotz変法 +内眥形成(目頭切開) |
| 手術時間 | 約90 分 |
|
金額 |
約100,000円前後 (保険適用、3割負担時。 高額医療制度適用可) |
|
リスク・副作用 |
内出血、術後腫脹、再発、涙袋がなくなる |
当院はすべての手術に顕微鏡を使用し、機能面と審美面に配慮した手術を行っております。
一般的には目立ちやすい「逆さまつげ手術後の傷あと」も、この患者さんのように、目立たないような傷あとに仕上げることも多いです。
当院はすべての手術に顕微鏡を使用し、機能面と審美面に配慮した手術を行っております。
しかし、逆さまつげの手術前に、必ずお話しするリスクがあります。
逆さまつげの手術は、一言でいうと「再発との闘い」です。
先ほどデータでもお示ししましたが、約4人に1人は逆さまつげが術後に再発します。
蒙古ひだ(内眼角贅皮)と呼ばれる目頭側の皮膚、筋肉も併せて手術することで、再発はほぼなくなります。
この手術を「内眥形成(ないしけいせい)」といいます。美容でいうところの「目頭切開」です。
しかし、医療に「絶対」「100%」はありませんので、当院の手術でも「再発の可能性」は必ずお話ししています。
逆さまつげの手術は、内側(眼球側)を向いているまつげを外側に向ける手術です。
下まぶたの逆さまつげに対する手術は、下まぶたのまつげに近い部分を横に約3cmほど切開する「Hotz変法」という手術になります。

外側に向ける力を糸で作成するため、どうしても食い込みやすく、術後に傷あとが残ることもあります。

当院では、顕微鏡を使用した上で細かなテクニックを用い、傷あとが目立たせないよう工夫しております。
しかし、傷あとが残りやすい体質の方もいらっしゃいますので、傷あとが目立つ場合もわずかながら存在します。
逆さまつげの手術後は、どうしても涙袋が小さくなります。
完全になくなる場合もあります。
このリスク(合併症)に関しては、どうしてもなくすことはできません。
術後は涙袋が小さくなり、フラットな「涼しげな目もと」になります。

「内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ)」は、一般的に蒙古ひだと呼ばれる、目頭を覆う上まぶたの皮膚のひだです。
これは東洋人に多く見られる特徴的な構造です。
この内眼角贅皮が強く発達していると、目頭側のまつげが生え際から内側へ押し込まれ、結果としてまつげが眼球に接触します。
(※医学的には正しい分類ではありませんが、当院では患者様への理解を優先し、便宜的に独立した項目として解説しています)
内眼角贅皮(蒙古ひだ)の形成は、胎生期の発生過程で決まり、遺伝的な要素が深く関わっています。
この蒙古ひだが発達していると、目頭側の皮膚に強い緊張が生じ、それがまつげの生え際を内側へ押し込む力となって作用します。
結果として、目頭側のまつげが眼球に向かって生えてしまい、逆さまつげ(睫毛内反症)を引き起こす直接的な原因となります。
内眼角贅皮(蒙古ひだ)は多くの場合、お子様の成長に伴ってまぶたの構造が引き締まることで、自然に改善することが期待できます。そのため、ただちに手術が必要となるケースは稀です。
受診をご検討いただくタイミングとしては、まつげが目に当たることで目の痛みや強いゴロゴロ感、充血が慢性的に続いている場合です。
特に、お子様が頻繁に目をこすったり、涙が多くなったりしている場合は注意が必要です。
また、視力の発達に影響が出る恐れがあると医師に判断された場合や、小学校入学を控える年齢になっても症状が改善しない場合は、外科的な治療(目頭切開術など)を検討しましょう。
内眼角贅皮(蒙古ひだ)の根本的な治療は、目頭切開術による贅皮の緊張解除です。
自然治癒が見込めず、まつげの刺激で角膜に傷がつくリスクがある場合に手術を推奨します。
手術の目的は、目頭の皮膚の張りを緩めてまつげの生え際を解放し、まつげを外側へ向かせることです。
当院では、贅皮の形状や強さに合わせ、Z法やV法など複数の術式の中から、機能改善とともに傷跡が目立ちにくいデザインを考慮した最適な方法を選択し、患者様の目元全体の改善を目指します。

まぶたの縁にある、繊維でできた硬い板を瞼板(けんばん)といいます。そして、瞼板は吊り橋のように周りの構造物に引っ張られて一定の位置に収まっています。
縦方向は下眼瞼牽引筋腱膜(LER)に横方向は内眥靭帯、外眥靭帯に引っ張られています。
経年変化で吊り橋が揺れるように、加齢などで筋肉や靭帯が緩むと瞼板が不安定になり、まばたきをした時にまぶたが内側に反ってまつ毛が眼球に当たるようになります。
これを眼瞼内反といいます。


眼瞼内反になると、まつ毛が眼球に当たり「目が痛い」「ゴロゴロする」という自覚症状が出ます。それだけでなく、眼瞼内反を放置しておくと当たるまつ毛で眼球が傷つき(点状表層角膜炎)、ひどい場合は眼球に穴が開くこともあります。
また、まぶたの炎症や結膜炎、ドライアイなどと関連しているというデータが出ています。
(参考文献:Involutional Entropion and Ectropion of the Lower Eyelid: Prevalence and Associated Risk Factors in the Elderly Population: Renato et al. Ophthal Plast Reconstr Surg 2011;27:317–320)
眼瞼内反になった時の自覚症状は「目が痛い」「ゴロゴロする」ですが、似たような病気として以下のような疾患が挙がります。これらとの違いを見分けるには、眼科での診察が必要になります。気になる方はご相談ください。
眼球が乾いてむき出しになることで傷つきやすくなり、痛みを感じるようになります。

たるんだしろめの皮(結膜)がまぶたと眼球の間に挟まり、まばたきをした時に眼球とこすれることで眼球に違和感を感じるようになります。

まぶたの位置は変わりませんが、炎症により一部のまつ毛の方向が変わることで眼球に当たり違和感や痛みを感じるようになります。

| 60歳代 | 1.5%(70人に1人) |
|---|---|
| 70歳代 | 3.1%(30人に1人) |
| 80歳代 | 10.7%(9人に1人) |
瞼板を支えている筋肉や靭帯は加齢とともに緩むため、年齢を重ねるとなりやすくなります。
海外からの報告によると、罹患率(眼瞼内反になる確率)は下記のようなイメージとなります。
男性よりも女性の方が約2倍なりやすいというデータも出ています。
(参考文献:Involutional Entropion and Ectropion of the Lower Eyelid: Prevalence and Associated Risk Factors in the Elderly Population: Renato et al. Ophthal Plast Reconstr Surg 2011;27:317–320)

眼瞼内反の原因は2つで退行性眼瞼内反と瘢痕性眼瞼内反がありますが、ほとんどのケースは退行性眼瞼内反、つまり加齢です。
まぶたの縁にある繊維でできた硬い板、瞼板(けんばん)が、筋肉(下眼瞼牽引筋腱膜;Lower Eyelid Reatractors, LERs)や靭帯内眥靭帯(じんたいないしじんたい)、外眥靭帯(がいしじんたい)により引っ張られてまぶたは眼球にフィットしています。加齢により以下のようなると、まぶたの方向が不安定になり、まばたきをした時に内側に反ってまつ毛が眼球に当たるようになります。

眼瞼内反になるとまつ毛が眼球に当たるので、目がゴロゴロします。
眼瞼内反になっているまぶたは、肉眼で見ると下に向かってカーブを描いています。
また、Snap Back Testという、ご自宅でできる検査があります。
これは、まぶたを正常な位置に戻しても、眼瞼内反の場合はまばたきを数回させると再度まぶたが内反するという検査です。
これらに当てはまらない場合は以下の可能性もあります。
「目がゴロゴロする」という症状が出る場合は、とりあえず専門の医師への受診をお勧めいたします。
眼瞼内反症を放置しておくと当たるまつ毛で眼球が傷つき(点状表層角膜炎)、ひどい場合は眼球に穴が開くこともありますので、治療が必要になります。
眼瞼内反症は角膜に傷がつき視力が下がることがありますので、これらの眼科的検査で病気の程度、状態を確認します。
まぶたを正常な位置に戻しても、眼瞼内反の場合はまばたきを数回させると「再度まぶたが内反する」という検査です。
動画(※近日公開予定)
下まぶたを前に引っ張り、眼球から下まぶたがどれくらい離れるかを測定する検査。
正常なら5mmくらい。8mm以上離れる場合は下眼瞼内反症の疑いが強まります。
下まぶたを外側に引っ張り、内側の黒目のラインと半月ひだ(目頭に見えるピンクの粘膜部分)の中間地点よりも黒目側に涙点が移動する場合は下眼瞼内反症の疑いが強まります。
下まぶたを内側に引っ張り、涙点が涙丘の中心線より内側に移動する場合は下眼瞼内反症の疑いが強まります。
巷では、まぶたのたるみを解消するためのマッサージやトレーニングが紹介されております。
眼瞼内反症は瞼板を支えている筋肉や靭帯のゆるみが原因です。
ゆるんだゴム紐をトレーニングで短くすることはできません。
それと同じで、眼瞼内反症はマッサージやトレーニングでは治りません。
眼瞼内反症ですが、手術で緩んだ部分を治療します。さまざまな術式がありますが、解剖学的に正しいJones変法とLTSのみについて記載します。

下まぶたを2cmほど切開し、緩んだ縦方向の筋肉(LER)を縫い縮める術式です。手術時間は20分ほどです。皮膚のシワに沿って縫えば傷あとも全く目立ちません。

眼瞼内反症は瞼板を縦方向に引っ張っている筋肉(LER)のゆるみを矯正しますが、横方向に引っ張っている靭帯(内眥靭帯、外眥靭帯)のゆるみは残りますので、約10%の方が再発します。
再発した場合は横(内眥靭帯、外眥靭帯)のゆるみを治療するLateral Tarsal Strip(LTS)が必要になります。

LTSは横(内眥靭帯、外眥靭帯)の弛緩を矯正する術式です。目尻側を15mm程度シワに沿って切開し、外眥靭帯を切断した後に瞼板と骨(正確には骨膜)を縫合します。約20分の手術です。

Jones変法とLTSの両方を手術することで、再発は2%程度に抑えることができます。

こちらもシワに沿って顕微鏡で丁寧に手術することで傷あともほとんど分かりません。
01) Epiblepharonwithinvertedeyelashes in Japanese children. I. Incidence and symptoms. Noda et al. 1989 Feb;73(2):126-7.
02) Theprevalenceof lower eyelidepiblepharonand its association with refractive errors in Chinese preschool children: a cross-sectional study.Zhuo et al.BMC Ophthalmol. 2021 Jan 4;21(1):3.
03) Sundar et al : Epiblepharon in East Asian Patients:The Singapore Experience.AAO 2010
04) Woo KI et al: Management of epiblepharon state of the art. Curr Op in Ophthalmol. Sep;27(5):433-8 2016
05) Ni et al : Modified Hotz Procedure Combined With Modified Z-Epicanthoplasty Versus Modified Hotz Procedure Alone for Epiblepharon Repair. Ophthalmic Plast Reconstr Surg 2017
06) Oh J et al : Medial lower lid epiblepharon repair solely by skin-redraping medial epicanthoplasty. Br J ophthalmol 2014
