まぶたの手術(治療期間と流れ) - かつむらアイプラストクリニック

診察(手術日決定)

術前検査

術前説明

• 他院処方薬の休薬の有無
• 術当日の来院時間
• 術前後の注意点

また、医師の診察時に説明や細い針金(ブジー)を使用しての理想のまぶたの形のシュミレーションをおこないます。

医師のシュミレーション項目は以下などが挙げられます。

• (上まぶたの場合)まぶたをどれくらい上げるとバランスが良いのか
• (上まぶたの場合)理想の二重の幅、形
• (上まぶたの場合)術後の眉毛の位置、形の変化の予想
• まつ毛の立ち上がり具合

医師と患者様で術後のイメージをすり合わせ、共有していきます。

手術室に入るまで

手術約15分前には当院へお越しいただき、手術の準備を行っていきます。
来院後は半個室のリクライニングチェアで

• 着衣の上から術着を羽織る
• 手術部位にクリーム麻酔を塗布
• 血圧や心拍数、酸素飽和度など全身状態のチェック

など、手術の準備をしていただきます。

手術室に入ってから

手術室の真ん中に椅子がありますので、そちらにおかけください。

• 消毒

  まずは顔を消毒します。これは、術後感染が起きないようにするためです。
  消毒液はいくつかありますが、当院では、無色透明でデザインの邪魔をせず、しかも眼球にやさしい消毒液を使用しております。

• ドレープ

  消毒をした後は、手術部位まわりを清潔エリアにしなくてはなりません。顔の形に穴を開けた清潔なシートを顔にかぶせます。
  シートがずれないように、これまた清潔なテープでしっかりと止めます。

• 座った状態でのデザイン

  まぶたの手術の第一歩は「どこをどれくらい切開するか」というデザインをすることです。
  患者様が仰向けの状態でデザインする医師もいるようですが、皮膚、特にまぶたの皮膚は伸びますので、重力の影響を多大に受けてしまいます。
  仰向けの状態で正確にデザインをして、キレイな見栄えのまぶたを作ることは不可能です。
  当院では座っていただいた状態で10～15分ほど時間をかけて細かくデザインしております。

• 手術時の麻酔

  デザイン後は再度仰向けになっていただいて、麻酔を始めていきます。
  まずは笑気ガス(吸入麻酔)を使用します。
  笑気ガスは、注射麻酔時の痛みの軽減や手術に対する不安の軽減という効果があります。
  また、それでも不安感が強い患者様には、点滴も使用してより効果的に不安を軽減していただく事も可能です。
  その後注射麻酔を使用し、注射麻酔がしっかりと効いたら手術開始です。

手術中に気を付けていただきたいこと

基本的には仰向けになっていただいているだけなのですが、手術中に万が一痛みが出た場合は(手術中も会話はできますので)お申し出ください。
痛みへの対策は十分行っておりますが、患者様によっては麻酔が効きづらい場合があり、痛みを感じてしまう場合があります。
そのような場合に痛みを我慢してしまう患者様がいらっしゃいますが、痛みを我慢してくださっても体の交感神経はしっかりと反応しますので、血圧が上がって出血しやすくなります。
つまり、患者様側は「痛い」、術者側は「出血が多く手術がしづらい」というお互いにとってメリットがない状態になります。
ですから、痛みがある場合は(手術中でも会話はできますので)お申し出ください。
麻酔を追加して痛みを解消できるようにいたします(痛みがとりづらい部分もあります)。
また、左右対称のまぶたに仕上げるため、手術中に座った状態になっていただき左右差の確認をします。電動で動く手術専用の椅子ですから、椅子の動きに身を任せていただくだけです。

手術後 術当日

術翌日以降の注意点

1. 手術後48時間はしっかり冷やす。
   48時間以降は冷やさない。
2. 洗顔洗髪は術当日から可能。
3. 術後7日〜10日後に抜糸(左右差確認)。
4. 術後診察は1カ月後、3カ月後、6カ月後

• 1手術後48時間はしっかり冷やす。48時間以降は冷やさない。

  まぶたの皮膚は全身の中で一番薄いので、手術部位はどうしても腫れます(皮膚が薄いので腫れが目立ちます)。
  しかし、やけどをしてしまった場合にすぐ冷やすとダメージが最小に抑えられるように、術後傷口をしっかりと冷やすことで腫れを最小限にすることができます。
  反対に、傷あとが自分の力で治るには温かい環境が必要です。
  傷あとが治りだすのは術後48時間以降です。
  つまり、術後48時間以内は腫れを最小限にするために冷やし、48時間以降は傷の治りを促進するために温める。
  腫れを抑えると術後の出来栄えも良くなります。
  腫れのピークは術後48時間くらいで、術後5日目くらいから腫れが引き始めていきます。

• 2洗顔洗髪は術当日から可能。

  眼球の術後は数日間洗顔洗髪を控えていただくことが多いです。これは眼球内の血流が乏しく閉鎖空間なので、術後に水が眼球内に入ると雑菌が繁殖しやすいためです。
  反対に皮膚は血流が非常に豊富なため、血液の中に存在する白血球などがしっかりと体を雑菌から守ってくれます。
  ですから、傷口を濡らすことで入る雑菌を心配する必要はなく、むしろ傷口はしっかりと洗って清潔にしておいた方が良いです。
  このように普段の説明でも必ずお話しさせていただいておりますが、説明通りの洗顔の継続が難しい患者様は少なくありません。
  「傷口を触るのが怖い」ということで傷口を洗わない方、自己流の消毒をする方などがいらっしゃいます。
  しかし、傷口を洗わないとかさぶたや汚れがびっしりと貼り付きます。
  そうすると、1週間後の抜糸の時にかさぶたを取らなければならず、傷口を引っ張ることになるため痛みを感じやすく、そして血が出ます。
  また、先ほども記しましたが、顔は感染に非常に強いです。
  私も今まで数千件のまぶたの手術をしておりますが、感染したのはお二人、いずれも元々免疫系の病気を持っていた方でした。
  つまり、免疫に異常がない患者さんはまぶたの手術後に感染したことはありません。
  術後は、安心して洗顔してください。

• 3術後7日〜10日後に抜糸(左右差確認)。

  腫れも引いてきた術後7日〜10日後に抜糸をします。この頃には、腫れもある程度落ち着いている方が多いと思います。
  また、抜糸時に左右差の確認をします(術式によっては、左右差確認を14日目に行う場合があります)。

  まぶたは一日2万回まばたきをしているため、術直後は左右対称なまぶたでも次第に左右差を生じることがあります。私の場合です20人に1人くらいです。
  術後7日〜10日であれば傷あとはまだ完全にはくっついていないので左右差の調整はしやすいですが、術後2週間以降では傷あとがくっつき左右の調整が非常にしづらくなります。この場合、手術部位の状態が落ち着くまでに約６カ月かかります。つまり、早期の修正であれば抜糸目的に来院される術後7日～10日(術式によっては14日目)に行うのが良いですし、この時期を過ぎてからの修正は術後6カ月以降をお勧めします。
  そして、手術をした部位がくっつくのは3週間ほどかかりますから、アイシャドウやアイライン、コンタクトレンズの装着などは術後3週間くらい控えることをお勧めします。

• 4術後診察は1カ月後、3カ月後、6カ月後

  「まぶた」は一日2万回もまばたきを行っており、非常に動きが多い場所です。
  そのため、どうしてもまぶたの左右差や開き具合が変化していくことがあります。
  術後1カ月を過ぎれば大きな変化はないことがほとんどですが、ごくまれに変化していく場合もあります。
  また、二重の幅は腫れが完全に落ち着くまで少しずつ変化していきます。
  そのため、傷の修復がほとんど終わる術後６カ月までの受診をお願いしております。
  遠方からお越しの患者様など、受診のご都合をつけづらい場合はあらかじめご相談ください。