どんな病気・眼瞼内反の特徴とは?
まぶたの縁にある、繊維でできた硬い板を瞼板(けんばん)といいます。そして、瞼板は吊り橋のように周りの構造物に引っ張られて一定の位置に収まっています。
縦方向は下眼瞼牽引筋腱膜(かがんけんけんいんきんけんまく)(LER)と呼ばれる筋肉に、横方向は靭帯(じんたい)に引っ張られています。
経年変化で吊り橋が揺れるように、加齢などで筋肉や靭帯(じんたい)が緩むと瞼板(けんばん)が不安定になり、まばたきをした時にまぶたが内側に反ってまつ毛が眼球に当たるようになります。
これを「眼瞼内反」といいます。
眼瞼内反になると、まつ毛が眼球に当たり「目が痛い」「ゴロゴロする」という自覚症状が出ます。それだけでなく、眼瞼内反を放置しておくと当たるまつ毛で眼球が傷つき(点状表層角膜炎)、ひどい場合は眼球に穴が開くこともあります。
また、まぶたの炎症や結膜炎、ドライアイなどと関連しているというデータが出ています。
(参考文献:Involutional Entropion and Ectropion of the Lower Eyelid: Prevalence and Associated Risk Factors in the Elderly Population: Renato et al. Ophthal Plast Reconstr Surg 2011;27:317–320)