まつ毛が眼球に当たることで「目が痛い」「ゴロゴロする」という自覚症状がある状態を一般的には「逆さまつげ」といいます。逆さまつげもいくつかに分類することができますが、その中でも年齢が40代以降の逆さまつげは以下の2つのタイプであることがほとんどです。
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眼瞼内反(がんけんないはん)
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睫毛乱生(しょうもうらんせい)
大人の逆さまつげ
まつ毛が眼球に当たることで「目が痛い」「ゴロゴロする」という自覚症状がある状態を一般的には「逆さまつげ」といいます。逆さまつげもいくつかに分類することができますが、その中でも年齢が40代以降の逆さまつげは以下の2つのタイプであることがほとんどです。
眼瞼内反(がんけんないはん)
睫毛乱生(しょうもうらんせい)
まぶたの縁にある、繊維でできた硬い板を瞼板(けんばん)といいます。そして、瞼板は吊り橋のように周りの構造物に引っ張られて一定の位置に収まっています。
縦方向は下眼瞼牽引筋腱膜(LER)に横方向は内眥靭帯、外眥靭帯に引っ張られています。
経年変化で吊り橋が揺れるように、加齢などで筋肉や靭帯が緩むと瞼板が不安定になり、まばたきをした時にまぶたが内側に反ってまつ毛が眼球に当たるようになります。
これを眼瞼内反といいます。
眼瞼内反症を放置しておくと当たるまつ毛で眼球が傷つき(点状表層角膜炎)、ひどい場合は眼球に穴が開くこともありますので、治療が必要になります。
眼瞼内反症は角膜に傷がつき視力が下がることがありますので、これらの眼科的検査で病気の程度、状態を確認します。
まぶたを正常な位置に戻しても、眼瞼内反の場合はまばたきを数回させると「再度まぶたが内反する」という検査です。
動画(※近日公開予定)
下まぶたを前に引っ張り、眼球から下まぶたがどれくらい離れるかを測定する検査。
正常なら5mmくらい。8mm以上離れる場合は下眼瞼内反症の疑いが強まります。
下まぶたを外側に引っ張り、内側の黒目のラインと半月ひだ(目頭に見えるピンクの粘膜部分)の中間地点よりも黒目側に涙点が移動する場合は下眼瞼内反症の疑いが強まります。
下まぶたを内側に引っ張り、涙点が涙丘の中心線より内側に移動する場合は下眼瞼内反症の疑いが強まります。
巷では、まぶたのたるみを解消するためのマッサージやトレーニングが紹介されております。
眼瞼内反症は瞼板を支えている筋肉や靭帯のゆるみが原因です。
ゆるんだゴム紐をトレーニングで短くすることはできません。
それと同じで、眼瞼内反症はマッサージやトレーニングでは治りません。
眼瞼内反症ですが、手術で緩んだ部分を治療します。さまざまな術式がありますが、解剖学的に正しいJones変法とLTSのみについて記載します。
下まぶたを2cmほど切開し、緩んだ縦方向の筋肉(LER)を縫い縮める術式です。手術時間は20分ほどです。皮膚のシワに沿って縫えば傷あとも全く目立ちません。
眼瞼内反症は瞼板を縦方向に引っ張っている筋肉(LER)のゆるみを矯正しますが、横方向に引っ張っている靭帯(内眥靭帯、外眥靭帯)のゆるみは残りますので、約10%の方が再発します。
再発した場合は横(内眥靭帯、外眥靭帯)のゆるみを治療するLateral Tarsal Strip(LTS)が必要になります。
LTSは横(内眥靭帯、外眥靭帯)の弛緩を矯正する術式です。目尻側を15mm程度シワに沿って切開し、外眥靭帯を切断した後に瞼板と骨(正確には骨膜)を縫合します。約20分の手術です。
Jones変法とLTSの両方を手術することで、再発は2%程度に抑えることができます。
こちらもシワに沿って顕微鏡で丁寧に手術することで傷あともほとんど分かりません。
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