当院は、開院してもう…
まぶたのたるみ。「埋没法」は正しい手術法?
- 公開日:2023年5月11日
- 更新日:2026年6月14日
- 院長コラム
かつむらアイプラストクリニックは、まぶたの手術と涙の治療を専門とするクリニックです。現在、年間1800件前後のまぶたの手術を私(院長)がすべて執刀し、診察から術後フォローまで一貫して担当しています。効率よりも機能面・審美面・そして長持ちすることを大切にしています。
まぶたのたるみに対し「埋没法」を行われているケースは多い

「たるみが気になるのでまず埋没法を」と提案され、施術を受けたあとに当院へ相談に来られる方が少なくありません。埋没法は、まぶたの皮膚に小さな穴を開け、細い糸で内側から二重の線を引っ張って固定する方法です。切らないので手軽に思えますが、当院では行っていません。理由はシンプルで、“短期の手軽さ”より“長期の安定と安全”を重視するためです。
わかりやすく、よくある誤解と実際を並べてみます。
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「腫れない手術」ではありません。まぶたの中を直接見ながら操作できないため、針が血管に触れると内出血や腫れが起こります。前向き研究でも、術後早期に中等度以上の腫れが一定割合で出現しています⁴。留める糸の点数を増やすほど腫れや異物感が出やすいことも示唆されています⁵。

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長く持続しないことがあります。糸で「点」を留めているだけなので、まばたき・こすれ等の力が集中し、数年以内に線が薄れる/消えることが報告されています²。

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「気に入らなければ元に戻せる」は“期間限定”。早期であれば抜糸で戻せることもありますが、2週間前後を超えると内部に瘢痕(はんこん:癒着)ができ、糸を抜いても浅いスジが残ることが増えます⁶。

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目の表面(角膜)を傷つける危険があります。埋めた糸が時間とともに露出・ずれて、角膜びらん~潰瘍を起こした例が報告されています³⁷。とくにコンタクト常用者は症状に気づきにくいことがあり注意が必要です。

実際、修正を希望される方のまぶたには、埋没糸の影響でできた浅いスジや局所的な癒着が残っていることがあり、これが左右差や食い込みのムラの原因になります。二重が保たれる仕組みは、最終的には内部の“癒着=瘢痕”です¹。であれば、直視下できちんと癒着をつくるほうが理にかなっています。

まぶたのたるみ 「正しい治療法」とは?
「たるみ」と感じる原因は一つではありません。皮膚が余っている、まぶたの筋肉(挙筋)のゆるみ、脂肪の量や位置、眉を上げて目を開ける癖など、いくつかの要素が組み合わさっています。原因に合った治療を選ぶことが、見た目と機能(見やすさ・疲れにくさ)の両立につながります。
当院では、次の流れで考えます。
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1まずは「切って治す眼瞼下垂手術」を検討
顕微鏡を使ってまぶたの中を直視し、ゆるんだ挙筋腱膜を正しい位置に固定します(腱膜前転など)。このとき、必要に応じて二重のラインも“面で”固定します。構造をきちんと直すため、長期の安定性が高いことが臨床的にも示されています¹²。

良い点原因を直すので再発しにくい。視野の改善や眉の緊張の軽減により、頭痛・肩こりの軽減を実感される方もいます(個人差あり)。
気をつける点腫れ・内出血などのダウンタイムはありますが、時間とともに落ち着きます。
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2眉下切開(眉毛下皮膚切除術)は「適応を絞って」
皮膚の余りが主な原因で、上記の手術だけでは十分な変化が見込めない場合に検討します。傷の目立ち方には個人差があるため、全員に最適とは言えません。適応が合う方には有効な選択肢です。
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3埋没法は当院では行いません
理由は前述の通り、再発しやすさ、合併症、修正時の不利があるためです²⁻⁷。•「手術時間が早い」といった魅力はありますが、原因に手をつけないため、形や症状がまた出てくることが問題です²⁴。
•二重が続く仕組みは瘢痕=癒着であり、広い“面”で安定させる切開法のほうが理論上も臨床上も安定します¹²。

よくある質問
- ダウンタイムが心配です。
- 腫れ・内出血は数日〜数週間で落ち着くことが多いものの個人差はあります。余裕をもってスケジュールを組んでください。
- 左右差が出ないか不安です。
- 診察時に目の開き・眉の使い方まで評価し、術中にも細かく調整します。
- 傷は残りますか?
- 最終的には薄い線になることが多いですが、体質・術式・ケアで個人差があります。
- 費用と保険適用は?
- たるみの原因が機能障害(見えにくさ等)に関係し、医学的に必要と判断される場合は保険の適用対象となることがあります。事前に丁寧にご説明します。
最後に患者様に喜んでもらうために
インターネットには「埋没法は腫れにくい」「眉下切開は傷が残らない」など、良い面だけが切り取られた情報も見受けられます。ですが、医療はお一人おひとりで異なります。
当院では、
- 原因を可視化できる検査・診察を行い、
- 機能(見やすさ・疲れやすさ)と見た目の両面から説明し、
- 長く満足できる選択を一緒に考えます。
「手軽さ」より「確かさ」を。これが当院の一貫した方針で、この姿勢を的確に表したのが当院のスローガン「明日の満足より、3年後の美しさを」です。すでに埋没法を受けて違和感がある方、やり直しを考えている方、そもそも自分に合う術式が分からない方も、どうぞ気軽にご相談ください。過去の施術歴やご希望を伺ったうえで、最も安全で長期的に安定しやすい道をご提案します。
院長の約束
- すべての手術を私が責任を持って執刀します。
- 顕微鏡下の丁寧な操作で、出血や腫れを最小限に。
- メリットだけでなく限界やリスクもはっきりお伝えします。

参考文献一覧
- ¹ Na JY, et al. Histologic Changes After Double-Eyelid Surgery: Comparison of Two Techniques. Aesthetic Plast Surg. 2016.
- ² Kim YJ, et al. Long-Term Follow-Up of 6,000 Cases of Nonincisional Double Eyelid Surgery. Plast Reconstr Surg. 2018.
- ³ Lee JH, et al. Corneal Complications Secondary to Exposed Sutures After Buried Suture Blepharoplasty. Cornea. 2014.
- ⁴ Park SW, et al. Early Complications After Nonincisional Blepharoplasty: A Prospective Cohort. Dermatol Surg. 2021.
- ⁵ Chen W, et al. The Effect of Suture Quantity on Outcome of Double-Eyelid Formation. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2019.
- ⁶ Moon H, et al. Reversibility Window in Suture-Buried Blepharoplasty. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2015.
- ⁷ Hwang K, et al. Severe Keratitis Following Eyelid Suture Exposure: Case Series. Eye. 2012.
※本記事は一般の方向けに表現をやさしくしましたが、最終的な適応や術式の選択は診察で個別に判断します(効果・ダウンタイム・傷の見え方には個人差があります)。
- 記事監修
- 院長 勝村宇博

院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。
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