私がまぶたや涙という…
まぶたのたるみを感じたら
- 2021年6月6日
- まぶた(瞼)
年齢と共にまぶたがたるみ、
「二重の幅が狭くなった!」
「目尻が下がってきた!」
「アイラインがうまく描けなくなってきた!」
「たるみが強くなってきて、クマが目立つようになってきた!」
と悩んでいる方は多いと思います。40歳を超えたくらいで自覚する方が多いでしょうか?
今回はまぶたのたるみについてのお話しです。
原因
人間は眼球が乾かないようにまばたきをしています。しかも一日2万回!
しかも古代ギリシャの哲学者プラトンが「目は心の窓」と言ったり「目は口程に物を言う」ということわざがあったり、とにかく目(まぶた)は多くの感情を表現します。
その際につり目になったりたれ目になったり見開いたり細めたり…。とても動きが多いパーツです。
動くたびに伸びたり縮んだりしていると、どうしても加齢によるたるみが出やすくなります。下着のゴムひもと一緒です。
感情を表現しやすいためか、まぶたは人間の体の中で皮膚が一番薄い(0.3mm)パーツであるということも皮膚が伸びやすい要因になっています。
まぶたのたるみは、医学的には「眼瞼皮膚弛緩症」と呼びます。
自力で治るか?
「マッサージで治しましょう」
「たるみに効くツボがありますよ」
「まぶたを上げる筋肉をトレーニングで鍛えましょう」
などなど。
伸びてしまったゴム紐を、どこかを押したりトレーニングをすることで少しでも短くすることはできるでしょうか?
私はまぶたの手術を年間500件弱行っております。「朝飯前」ではなく「朝飯を食べる回数よりも手術をしている回数の方が多い」わけですが、マッサージやトレーニングでまぶたのたるみが改善した患者様を一人も見たことはありません。
改善しないどころか、マッサージをしたり皮膚を引っ張ったりするのは伸びきったゴム紐をさらに引っ張るのと同じ事ですから、逆にたるみを悪化させていることになると思います。
そして、「マッサージでたるみが改善されました!」と科学的に実証されている論文は今のところ一つもありません。
どんな時に手術を考えた方が良いのか?
まぶたのたるみである「眼瞼皮膚弛緩症」は保険が適用される場合があります。
それは、
「まぶたに押され、まつ毛が眼球に当たっている」場合です。
上まぶたのたるみが強くまばたきをすると目がゴロゴロする場合は、まつ毛が眼球に当たっている可能性があります。
この場合は眼科の診察を受ける必要があります。
あとは見た目の問題になります。
本人が気にならなければ手術は必要ありませんしこちらから勧めることもありませんが、本人がたるみを非常に気にしている場合は一度受診していただいた方が良いと思います。
治療
・レーザー
まぶたのたるみを改善させるレーザーがあります。
これはまぶたの裏側からレーザーを当てて中に熱を入れ、たるみを改善させる治療です。
まぶたの裏側を扱いますので、眼球をしっかりと診察できる眼科医の下で施術を受けるべきでしょう。
特に下まぶたのたるみ(クマ)に有効とされています。また、ドライアイにも効果があると報告されており、ドライアイの改善も期待できます。
・手術
たるんだ分の皮膚を切除するか、もしくは高い位置に二重を作成しなおすことで見かけのたるみを改善させる治療になります。
皮膚を切除する場所ですが、大きく分けると
- 二重のラインで切除する方法(瞼縁皮膚切除術)
- 眉毛の下のラインで切除する方法(眉毛下皮膚切除術、眉下切開)
の2つになります。
それぞれの利点と欠点は別に詳しく書いておりますので参考にしてください。
いずれの手術を受けるにしろ、ミリ単位での手術が必要になりますから、高倍率(4倍~10倍)の顕微鏡で手術を行っているクリニックでの施術を強くお勧めします。
院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。