私がまぶたや涙という…
コンタクトレンズの長期使用でまぶたが下がる?「腱膜性眼瞼下垂」の原因と対策、眼科専門医が教える手術のタイミング
- 公開日:2026年1月8日
- 更新日:2026年1月8日
- まぶた(瞼)
こんにちは。さいたま市にある「かつむらアイプラストクリニック」院長の勝村宇博です。
日々の診療で、コンタクトレンズを使用されている患者様から「最近、コンタクトがズレやすくなった」「夕方になると目が開きにくくなる」というご相談をよくいただきます。
実は、その症状は単なる疲れ目ではなく、コンタクトレンズの使用が原因で起こる「眼瞼下垂(がんけんかすい)」かもしれません。
コンタクトレンズは視力を補う素晴らしい医療機器ですが、長期間の使用はまぶたの構造に少しずつ影響を与えます。
今回は、コンタクトレンズと眼瞼下垂の関係、その予防法、そして手術を検討される際に知っておいていただきたい「機能と美しさの両立」について、眼科専門医でありまぶたを専門としている医師としての視点から詳しく解説します。
コンタクトレンズを長年使用すると眼瞼下垂になる?
結論から申し上げますと、コンタクトレンズの長期装用は眼瞼下垂のリスクを高める要因の一つです。
これまでの多くの医学研究において、ハードコンタクトレンズ(HCL)の長期装用者は、非装用者に比べて眼瞼下垂の発症率が高いことが報告されています¹⁾。また、ソフトコンタクトレンズ(SCL)であっても、長年の使用や着脱時の物理的な負担によって、リスクが生じる可能性が指摘されています²⁾。
このタイプの眼瞼下垂は医学的に「腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)」と呼ばれます。
生まれつきの症状ではなく、加齢や物理的な刺激によって後天的にまぶたが下がってくるもので、働き盛りの30代〜40代の方にも多く見られるのが特徴です。
レンズの種類による負担の違い
- ハード
コンタクトレンズ - レンズ自体が硬く厚みがあるため、まばたきをするたびにまぶたの裏側(結膜)から、まぶたを持ち上げる筋肉(挙筋腱膜)を擦るような摩擦が生じます。これが数十年続くと、組織が少しずつ薄くなり、緩んでしまいます。
- ソフト
コンタクトレンズ - 摩擦は少ないですが、レンズを外す際にまぶたを強く引っ張る動作が習慣化していると、まぶたの内部構造にダメージを与えてしまいます。
なぜ、コンタクトレンズでまぶたが下がるのか?(メカニズム解説)
まぶたが下がる原因を正しく理解するために、少しだけ「まぶたの構造」のお話をさせてください。
まぶたを持ち上げるエンジンの役割をしているのが「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」という筋肉です。この筋肉は、直接まぶたの縁につながっているのではなく、「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」という薄い膜(ゴムのような組織)を介してつながっています。
腱膜が伸びて外れてしまう(Dehiscence)

コンタクトレンズによる慢性的な刺激や、着脱時の引っ張り動作が繰り返されると、この「挙筋腱膜」が伸びきってしまったり、本来付着している場所から外れかけてしまったりします。
これが「腱膜性眼瞼下垂」の正体です。
エンジン(筋肉)は元気に動いているのに、その動力がタイヤ(まぶた)に伝わっていない状態です。その結果、一生懸命目を開けようとしてもまぶたが上がらず、無意識に眉毛を持ち上げて目を開けようとするため、おでこに深いシワが刻まれるようになります。
眼瞼下垂の進行を防ぐために!コンタクトレンズ使用時の注意点
一度伸びてしまった腱膜は、自然治癒して元に戻ることはありません。しかし、日々の習慣を見直すことで進行を遅らせることは可能です。
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1レンズを外す時の「引っ張り」を見直す
最も注意が必要なのは、レンズを外す時です。まぶたを横や上に強く引っ張って(いわゆる狐目にして)レンズを外していませんか?この動作は繊細な腱膜を引き伸ばしてしまいます。対策
まぶたの皮膚そのものを強く引っ張るのではなく、まつ毛の生え際ギリギリを優しく固定するか、ハードレンズの場合はスポイトを使用するなどして、まぶたへの物理的な負担を減らしてください。 -
2「眼鏡の時間」を作る
帰宅後はすぐにコンタクトレンズを外して眼鏡にするなど、まぶたが物理的な刺激から解放される時間を意識的に作ることが大切です。 -
3かかりつけ医での定期的な眼科検診
アレルギー性結膜炎などで目がかゆく、頻繁に目をこすってしまう動作も眼瞼下垂の原因になります。一般眼科で適切な治療を受け、目をこすらない環境を作ることも重要です。
眼瞼下垂かも?と思ったらチェックすべきサイン
「黒目が隠れるほど下がっている」状態だけが眼瞼下垂ではありません。以下のような症状は、眼瞼下垂が進行しているサイン(代償期)である可能性があります。

- コンタクトレンズがずれやすくなった
まぶたの張りが弱まり、レンズを支える力が低下しています。 - 夕方の頭痛・肩こり
下がってくるまぶたを無理に上げようとして、筋肉が緊張し続けている状態です³⁾。 - おでこのシワ
眉毛を上げて目を開ける癖がついている証拠です。 - 顎を上げてモノを見る
視野が狭くなっているため、無意識に顎を上げて下を見ようとしています。
コンタクトレンズをやめれば眼瞼下垂は治るのか?
非常に心苦しいのですが、一度伸びきったり外れたりした腱膜は、コンタクトレンズの使用を中止しても元には戻りません。
伸びてしまったゴムが自然に戻らないのと同様に、物理的な構造の変化には外科的な修復が必要です。
進行を防ぐためにレンズ装用を見直すことは大切ですが、根本的に「まぶたを持ち上げたい」「視野を広げたい」とご希望される場合は、手術(挙筋前転法など)が必要となります。
コンタクトユーザーが「かつむらアイプラストクリニック」を選ぶ理由

眼瞼下垂手術は、機能回復を目的とした手術ですが、同時にお顔の印象を左右する美容的な側面も持っています。
私は眼科専門医として目の健康を守る使命を持つと同時に、美容系の様々な学会にも所属しており、整容面(見た目の美しさ)の追求にも力を入れています。
当院が多くのコンタクトレンズユーザーの患者様に選ばれている理由をご説明します。
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1眼科専門医としての「機能保全」
まぶたの手術を行うと、目が大きく開くようになりますが、同時に目の表面からの涙の蒸発量が増え、ドライアイのリスクが生じることがあります。美容的な「パッチリ感」だけを優先しすぎると、目が閉じにくくなり、角膜が傷ついてしまう恐れさえあります。
当院では、術前に涙液量や角膜の状態を詳しく検査します。その上で、「美しく開く」だけでなく「しっかり閉じることができる(閉瞼機能の温存)」位置を見極め、眼球の健康を損なわない手術デザインを行います。これは眼科専門医ならではの視点です。
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2「保険診療」でも、デザインの希望に可能な限り寄り添います
「保険診療だから見た目は二の次」ということは決してありません。当院では保険診療であっても、患者様のご希望のデザイン(二重の幅や形など)をしっかりとお伺いし、可能な限りそのご希望に沿うよう努めています。
「治す」だけでなく「美しく整える」。この両立こそが、私が目指す眼形成手術だからです。ただし、一点だけご理解いただきたいことがあります。
手術によって機能的な改善が得られた後に、「機能的には問題ないが、もう少し幅を広げたい」「デザインを変えたい」といった審美的な理由のみでの修正手術をご希望される場合は、病気の治療という健康保険の定義から外れるため、自費診療での対応となります。
自費診療(美容手術)の場合の保証について
一方で、初回の段階で自費診療(美容目的)として手術を受けられた場合につきましては、当院独自の保証制度を設けております。
万が一、仕上がりに修正が必要となった場合、術後1年以内の修正手術は追加費用なし(無料)で行っております。
保険診療(機能改善目的)か自費診療(美容目的)か、どちらがご自身の希望に合っているかについても、カウンセリング時に丁寧にご説明させていただきます。- 保険診療の目安
視野が狭い、まぶたが瞳孔にかかっているなど、客観的な機能障害が認められる場合。 - 自費診療の目安
まぶたの下がりが軽度で医学的に機能障害とまでは言えない場合や、二重幅の拡大や特定の形状など、審美的な変化のみを希望される場合。
- 保険診療の目安
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3年間約1800件(月150件)前後の執刀実績に基づく、低侵襲な手術
術後の腫れやダウンタイムを心配される方は多いと思います。私は年間約1800件(月150件)前後の手術を自ら執刀しており、まぶたの解剖(構造)を熟知しています。無駄な操作を省き、血管や組織へのダメージを最小限に抑えることで、術後の腫れを極力抑えるよう努めています。
精度の高い手術は、結果としてダウンタイムの短縮にもつながります。
手術後のコンタクトレンズ生活について
手術をご検討中の方が一番気になる「術後の生活」についてもお答えします。
特に当院では、患者様のライフスタイルを極力制限しない工夫を行っています。
手術前の制限はありません(当院の特徴)
他院では「手術の2週間前からコンタクト禁止」といった制限がある場合も多いですが、当院では手術前のコンタクトレンズ装用に制限を設けておりません。
お仕事や生活の都合上、眼鏡にするのが難しい方もいらっしゃると思います。手術当日まで普段通りコンタクトレンズをお使いいただき、ご来院後に外していただく形で大丈夫です。
術後の再開時期について

術後は一時的に目の屈折(度数)が変化するため、手術前のコンタクトレンズを装着しても見えづらくなることがあります。
また、手術の傷口がある程度固まり(癒着し)始めるのを待つ必要があるため、ソフトレンズ・ハードレンズに関わらず、術後3週間以降の再開をお勧めしております。
見え方・レンズの種類の変化(処方について)
手術によってまぶたの圧力が変わると、乱視の度合いなどが変化し、これまでのコンタクトが合わなくなることがあります。
術後の一時的な変化か、永続的な変化になるかは、術後3カ月程度を目安に判断しています。
なお、当院は「まぶたの手術」や「涙の治療」に特化したクリニックのため、一般眼科診療やコンタクトレンズの処方(販売)自体は行っておりません。
術後の視力や目の状態は眼科専門医として責任を持って診察いたしますが、新しいコンタクトレンズの作成が必要な場合は、その際には、当院と連携している眼科クリニックもしくはご希望のクリニック宛てに紹介状を作成させていただきます。
眼球の医学的な健康チェックは当院で、レンズの購入・作成は紹介先の施設で、と役割分担をすることで、より専門性の高い医療を提供しております。
当院では、眼科医としての「安心」と、美容的な「満足」の両方を提供することをお約束します。
「まぶたが下がってきた」「視野が狭くなった」「コンタクトが使いづらい」とお悩みの方は、ぜひ一度、かつむらアイプラストクリニックへご相談ください。
引用文献
- 1. Van den Bosch WA, Lemij HG. Blepharoptosis induced by prolonged hard contact lens wear. Ophthalmology. 1992;99:1759-1765.
(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1480390/) - 2. Bleyen I, et al. Not only hard contact lens wear but also soft contact lens wear may be associated with blepharoptosis. Can J Ophthalmol. 2011;46:333-336.
(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21816253/) - 3. Matsuo K, Ban R. Stretching of the Mueller muscle results in involuntary contraction of the levator muscle. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2002;18:5-10.
(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11910319/)

院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。
