「眼瞼下垂」の手術を…
埼玉でも東京でも。眼瞼下垂の手術 名医を探す時の基準とは。
- 2021年10月3日
- 院長コラム
目次
眼科専門医について
私は眼科専門医を取得しております。
眼科専門医とは、眼科医になった後約5年間研鑽を積んで試験を受け、取得できる資格です。合格率は約70%、一生懸命勉強して手術も行って、それでも3人に1人は不合格になります。試験に出る範囲は、眼科に関する全範囲です。
専門医を取得すると、日本眼科学会から「一人前の眼科医」であると認定されるようになります。
ですから、患者さんが「良い眼科医」を探すときには、医師の「眼科専門医」の資格の有無を確認するのが一番手っ取り早いといわれています。
しかし、「眼瞼下垂の手術の名医」となるとどうでしょうか?
もちろん、眼球の機能面を把握するのは「眼科専門医」で問題ありませんが、まぶたの手術に関する技術となると全くの別ものです。
私の外来にいらした患者さんは他のクリニックをいくつか受診した後で私を探し当ててくださることが多く、「眼瞼下垂の手術の名医をどうやって探したら良いのか分からなかった」というご意見を頂戴することが多いので、今回は「眼瞼下垂の手術 名医の探し方」について私なりの「名医の基準」をまとめたいと思います。
眼瞼下垂の手術 名医の探し方
①まぶたに関し様々な角度から学んでいること
「まぶた」というパーツを考える場合、いくつかの面からとらえる事が重要です。
具体的に言うと
- まぶたと接する眼球をしっかりと把握する「眼科」的な面
- 見た目の形を大事にする「形成外科」的な面
- まぶたを覆っている皮膚に関して把握する「皮膚科」的な面
です。
a.まぶたと接する眼球をしっかりと把握する「眼科」的な面
まぶたは眼球と接しています。そして、まぶたの手術後に眼球に違和感が出たり、メガネの度数が変わることがあります。これらをしっかりと把握するには眼科的な知識が必要です。
b.見た目の形を大事にする「形成外科」的な面
人間は情報の8割を眼球から得ています。そして、動物的な本能から、初対面の人とはまず目を合わせてコミュニケーションをとります。つまり、目もとの外見は非常に重要だということができます。
形成外科は、整容面に最も気を遣う科です。
c.まぶたを覆っている皮膚に関して把握する「皮膚科」的な面
人間の最大の臓器は「皮膚」です。そして、その中でもまぶたの皮膚は最も薄く、「乾燥しやすく伸び(たるみ)やすい」などの特徴を持っています。
これらの皮膚の機能面を扱うのが皮膚科です。
これらすべての知識や技術を持っていることが大事です。
それには、それぞれの学会に所属して学ぶことが必要だと私は思います。
学会に所属せず独学で勉強するのは限界があります。なぜなら、最新の知識は雑誌や本には載っていないからです。
②手術件数が多いこと
「顕微鏡を使って、非常に細かい手術をしています」と言うと、「手が器用なんですね!器用だから医者になったんですか?」とおっしゃってくださる方がいます。
しかし、私はもともと手が器用だったわけではありません。
手術を始めてから一日24時間手術がうまくなることを考え続け、そして毎日手術と向き合って経験を積んできたからこその結果です。
手術がうまくなるには、これら
- 手術に対して真剣に取り組むこと
- 手術の経験を増やすこと
という事柄が非常に大事だと思っています。
手術の経験=手術件数 といって差し支えないと思います。
スポーツや楽器などで、毎日練習していたら個人差はあっても少しずつうまくなるのと同じです。
③手術後の患者さんを自分で診察していること
先ほど、手術がうまくなるためには手術件数が大事だとお話ししましたが、術後に自分の手術を見つめなおして改善することが同じくらい重要です。
前回の自分の手術を見つめなおすには、手術後の患者さんの経過を必ず自分で診察する必要があります。
開業する前、私は最大5カ所で手術をしていました。
一つの施設に留まるよりも手術件数が増えるためです。
手術件数は増えましたが、術後の患者さんをすべて自分で診察することはかなり大変でした。
自分で診察できない場合もありました。
しかし、自分の手術後を自分でフォローできないのでは自分の手術を見つめなおすことはできませんし、本当の経験にはなりませんでした。
開業したのは、術後すべて自分で診察したかったからというのも理由の一つです。
昨日より明日、1ミリでも手術がうまくなって手術を受けた皆様全員に喜んでいただきたいのです。
ということで、いくら手術件数が多くても、術後のポイント(術後1~2週間、1か月、3か月、6か月)に術者自身が診察を行っている医師、クリニックであることが重要なポイントだと思います。
④様々な手術方法で手術ができること
眼瞼下垂の治療方法のページにも書きましたが、眼瞼下垂の術式(手術方法)はいくつか存在します。
それぞれ長所と短所があるのですが、私は軽度~中等度の眼瞼下垂には「挙筋前転術」、重度の眼瞼下垂には「挙お筋短縮術」を選択しています。
これは「仕上がりがきれいで長持ちする」ことを一番大事にしているが故の選択です。
しかし、場合によっては他の術式を使うことがあります。
例えば、最重度の眼瞼下垂に対して「前頭筋つり上げ術」を選択することもあります。
見た目では軽症の眼瞼下垂に見えて実は重症の眼瞼下垂の場合もあります。
十分な結果を出すにはその場で術式を変更しなければならないこともあるので、「前頭筋つり上げ術」もできる医師の方が望ましいと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
これはあくまで私個人の意見ですから、また違ったご意見もあろうかと思います。
ご自身が手術を受けようか悩んでいらっしゃる方やご両親やご家族に手術を受けてもらいたいとお考えの方に、わずかでも参考になりましたら幸いです。
院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。