今回は、眼瞼下垂の手…
まぶたのたるみに対して
「眼瞼下垂手術」と「眉下切開」の
どちらを選択すべきか?
まぶたの手術と涙の治療を専門とした「かつむらアイプラストクリニック」。
当院も開院して間もなく1年が過ぎようとしています。
患者さんに徐々に認知していただき、そして何よりスタッフの協力により毎月100件以上手術を行えています。
当院は一日の初診患者様枠を6人に絞り、手術や診療私一人ですべて担当しています。
「予約が取りづらい」というご意見を頂戴することも多いのですが、クオリティ維持のためこの方針は変えることはありません。ご理解いただきますよう何卒お願いいたします。
まぶたのたるみに対し「眉下切開」を希望される方は多い
当院を受診される方の7割以上は、40歳以上です。
なぜなら、40歳以上になると、加齢の影響がまぶたに現れ「まぶたが下がる」「まぶたが重い」「まぶたがたるむ」と感じる方が増えてくるからです。
現代はネットでいろいろなことを調べられますから、来院されて手術相談をしてくださる方の多くは手術方法について勉強をされています。
そして、勉強されてくる患者様の中には「眉下切開」を希望される方が少なくありません。
理由をうかがうと、「腫れないし自然な見栄えになるから」という答えが必ず返ってきます。
これは正しいのでしょうか?
答えは「半分正解で半分間違い」です。
「半分間違い」なことをなぜみんな希望されるのでしょうか?
実は、この現象を私は非常に問題視しています。
なぜなら、この現象は「まぶた業界」の問題点が見え隠れするからです。
歳をとるとまぶたはどうなるのか?
加齢によるまぶたへの影響ですが、一言でいうと「たるみ」が出てきます。
使えば使うほど下着やマスクのゴム部分が伸びてくるのと同じ現象です。
そして、上まぶたの「たるみ」は、大きく分けると以下のようになります。
・加齢によりまぶたを上げる「筋肉」がたるみ、まぶたが下がる「眼瞼下垂」
・加齢によりまぶたの「皮膚」がたるみ、まぶたが下がる(ようにみえる)「眼瞼皮膚弛緩」
しかし、実は、どちらの要素が大きいのかは個人差がありますが、40歳以上になると多くの方は両方の要素を持っています。
上まぶたのたるみに対する治療法
先ほど述べたように、上まぶたのたるみでお困りの方は3つのタイプがあり、治療法は以下のようになります。
- 眼瞼下垂:筋肉のたるみ ➡ 眼瞼下垂手術のみ
- 眼瞼皮膚弛緩;皮膚のたるみ ➡ 皮膚切除術(眉下切開 or 瞼縁皮膚切除)のみ
- 眼瞼下垂+眼瞼皮膚弛緩:両方のミックス ➡ 眼瞼下垂手術のみ or 眼瞼下垂手術+眉下切開
まぶたのたるみに対し「眉下切開」でできること、できないこと
眼瞼下垂は「筋肉のたるみ」ですから、皮膚を切除するだけでは改善されません。
つまり、まぶたのたるみでお困りの方の多くは眉下切開では改善されないことが多いのです。
また、眼瞼下垂手術は二重を作成する場所を切開します。二重の部分には、まぶたを開けた時に上から皮膚がかぶってくるため傷あとはわかりません。
しかし、眉下切開の場合は傷あとを隠すことはできません。
どんな「神の手」をもつ医師でもこれは避けられない事実です。
「私が手術をしたら傷あとは残りません」と豪語する医師は絶対に信用しない方が良いです。
ただ、「眼瞼下垂の要素は少なくまぶたの皮膚が非常に厚い」方に対しては、眉下切開は非常に良い手術だと思います。
当院では、なるべく傷跡を目立たせないよう、すべての手術で顕微鏡を使用して丁寧に細かく手術を行います。
一部の医師が眉下切開を強く勧める理由
先ほど述べたように多くの方は多少なりとも眼瞼下垂の要素を持っていますし、切開した傷あとが目立たないため、たるみでお困りの方のほとんどは眼瞼下垂手術をした方が良いと思います。
私の場合は、手術を受ける方の約95%くらいに対して眼瞼下垂手術をお勧めしています。
また、両方の要素が強い方に関しては、2回手術、つまり眉下切開後に眼瞼下垂手術を行います。
ではなぜ一部の医師は眼瞼下垂手術を避け眉下切開を強く勧めるのでしょうか?
それは、「眉下切開はリスクが少なく、初心者でも行いやすい手術だから」です。
(もちろん、一部の医師を除き、熟練した医師が手術を行っているとは思いますが…)
眉下切開は皮膚を切除するだけのため、残る傷あとを除けばまぶたの形が悪くなることはそうそうありません。
しかし、眼瞼下垂手術では、下手な手術をすると術前よりも形が悪くなることがあります。
しっかり教育体制を整えているクリニックですと、何かあっても熟練した医師がサポートできるため初心者でも眼瞼下垂の手術を行えます。
しかし、教育体制を整えられないクリニックでは、初心者が眼瞼下垂の手術を安全に行うことはできません。
なので、リスクを回避するために「眉下切開」を選択せざるを得ないのです。
繰り返しますが、一部の医師以外はしっかりと考えて手術を行っていることは強調しておきます。
きれいな眼瞼下垂手術を行うために
つまり、他院で「眉下切開」を勧められた方に対して当院が「眼瞼下垂手術」をお勧めするのは、以下の理由になります。
- 眼瞼下垂手術の方が傷あとは目立たない
- 当院では顕微鏡を使用し細かく手術を行い、眼瞼下垂手術のリスクを最小限に抑えている。
当院では、私一人ですべての診療、手術を行っております。
手術を受けるかどうか悩まれている方も是非一度ご相談ください。
外来で2時間近くお待たせする場合もありますが、最終的に「かつむらアイプラストクリニックを選んで良かった」と思っていただけるように必ずベストを尽くします。
院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。