私は、2013年から…
逆さまつげに「まつげパーマ」は安全か?
当院は、まぶたの手術と涙の治療を専門にしたクリニックです。
昨年、開院一年目は約1200件の手術を行いました。
手術の内訳で最も多いのは「眼瞼下垂」ですが、次に多いのは「逆さまつげ(睫毛内反症・内眼角贅皮)」です。
(逆さまつげとは?に関しては、こちらに詳細に記載していますので参考にしてみてください。)
逆さまつげは、基本的に先天的(生まれつき)で「逆さまつげが眼球に当たって痛い」のは小学生くらいから自覚している方が多いはずなのです。
しかし、医師、もっと言うと、眼科医でも逆さまつげの手術を行わない医師は「どの程度の逆さまつげなら手術をした方が良いのか」という判断には慣れていません。また、眼科の診察台である細隙灯顕微鏡(スリット)で診察しないと「逆さまつげかどうか」の診断すらできません。
そのため、「逆さまつげだから手術した方が良い」と医師から教えてもらえずに40歳くらいになって当院を受診し手術を受ける患者さんも非常に多くいらっしゃいます。
それらの患者さんの多くは「まつげパーマ」「ビューラー」などで逆さまつげを無理やり内向き➡外向きに強制しています。
また、手術を受けるかどうか悩んでいる患者さんから「まつげパーマって目に悪いんでしょうか?」と質問をいただくことも非常に多いです。
ということで、今回は「まつげパーマは眼球にとって良いのか悪いのか?」に関してお話したいと思います。
まつ毛パーマとは?
まつげパーマは、まつげの流れや向きを変えて目を大きく魅力的に見せる施術です。
使用する薬剤は髪の毛のパーマ液と違うものを使用しているようですが、調べてみると濃度の差はあっても原理は同じで、以下のようになります。
- 1剤目(アルカリ性)でまつげの結合を切ることで柔らかくし、カールさせた状態を作る。
- 2剤目(酸性)でまつげの結合を再び作り、カールさせた状態で固定する。
パーマ液は目に良くない
パーマ液が絶対に目に入らないのであれば、まつげパーマは安全ということがいえるかもしれません。
しかし、強めのアルカリ性や酸性の液体が万が一目に入ると、眼球表面(角膜や結膜)に化学熱傷(いわゆる「やけど」)を引き起こします。
軽度であれば眼球に傷ができて痛みや見づらさが出ますが、点眼での治療で治癒します。
しかし、重度の場合はひどい傷あとが角膜に残り、視力が低下して見づらさがずっと残ります。
ということで、
逆さまつげをまつげパーマで乗り切るのは、眼球が傷つくリスクを考えるとあまりお勧めしません。
唯一の根本的な解決法は、手術のみ
手術に踏み切ることに悩まれれている方も多くいらっしゃいます。
小学生くらいまでは成長と共に自然治癒する場合もありますので、様子を見ても良いとは思います。
(データはこちら。)
しかし、中学生以降に逆さまつげを放置していると、視力低下のリスクはあります。
実際に、逆さまつげのために矯正視力が1.2 ➡ 0.2 に低下したままの患者さんもいました。
手術を受けようかどうか、まだ迷っている方でも、一度ご相談ください。
院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。