今回は、眼瞼下垂の手…
逆さまつげの手術 名医を選ぶ基準とは? ~一生に一度の手術を受ける前に調べること~
目次
逆さまつ毛とは?
逆さまつげとは、「本来前を向いているはずのまつ毛が、上を向いて眼球に接している状態」で、
以下に分類することができます。
- 加齢による逆さまつ毛(眼瞼内反症)
- 生まれつきによる逆さまつ毛(睫毛内反症)
① 加齢による逆さまつ毛(眼瞼内反症)
こちらを参照してください。
② 生まれつきによる逆さまつ毛(睫毛内反症)
異物が眼球に入らないよう、まつ毛は眼球を守っています。
そして、視界を邪魔しないように、まつ毛は通常前を向いています。
しかし、先天的にまつ毛が前を向かず眼球に近づいている場合があり、ひどい場合はまつ毛が眼球と接しています。そうすると、まばたきをするたびにまつ毛が眼球とこすれ、目のゴロゴロ感や痛みを感じるようになります。
これを「睫毛内反症」といいます。いわば「若い方の逆さまつ毛」です。
睫毛内反は上まぶたにも下まぶたにも起きうる病気で、上まぶたの睫毛内反を「上睫毛内反症」、下まぶたの睫毛内反を「下睫毛内反症」といいます。
正常なまぶた
まつ毛は前を向いている
睫毛内反症
まつ毛は上を向き、眼球に当たっている
逆さまつ毛とは?
説明動画です。
逆さまつ毛の原因
逆さまつ毛の原因は、以下のようになります。
- 先天的にまぶたの筋肉の一部が欠けている
- まぶたの皮膚が多い
- 目頭の皮膚の張り出し(内眼角贅皮)
逆さまつ毛の原因
説明動画です。
治療のタイミング
原因になっている要素を解消させることが治療になり、手術が原則になります。
10歳くらいまでは自然治癒することが多いため、以下の方は手術を検討していただいてもよいかと思います。
- 10歳になっても逆さまつ毛が残っている場合
- 10歳以下でも逆さまつ毛が視力に悪影響を与えている場合
10歳以上になっても逆さまつ毛を有している方の中には、日中コンタクトレンズを装着して眼球を保護している場合も少なくありません。この対処法ですと逆さまつ毛は確かに眼球に当たりづらくなるため、一見良い方法に思えるかもしれません。
しかし、人間にとって異物であるコンタクトレンズは異物ですから、長時間装着していると眼球に以下の病気が起きる場合があります。
- 感染
- 傷
- アレルギー
さらに、これらを放置すると視力が低下して元に戻らないこともありますので、この対処法は危険です。
逆さまつ毛
治療のタイミングについての動画です。
治療方法
手術は、大きく分けると以下の2つになります。
- 先天的に欠けている筋肉を補う「Hotz変法」
- 目頭の張り出し(内眼角贅皮)を解消する「内眥形成(ないしけいせい)」
逆さまつ毛
治療方法についての動画です。
逆さまつ毛の手術 名医の条件とは?
逆さまつ毛の治療を考えている方から「インターネットでは、いろいろな情報がありすぎて逆にわからない」というご意見を頂戴することが多いので、少しでも参考になればと思い、私なりの「逆さまつ毛の治療 名医の条件」を考えてみました。
- 眼科の診察台である「細隙灯顕微鏡」を使用できる。
- 顕微鏡を使って手術している。
- 審美的な配慮ができる。
① 眼科の診察台である「細隙灯顕微鏡」を使用できる。
逆さまつ毛の程度や治療後の再発の有無など、逆さまつ毛は細隙灯顕微鏡を使用しないと診察できません。
さらに、肉眼ではわからない細かい傷も「フルオレセイン染色」という検査法を用いることで詳細に把握できます。
細隙灯顕微鏡での通常診察
まつ毛が眼球側を向いていることがわかる
細隙灯顕微鏡(フルオレセイン染色後)
黒目(角膜)表面下部に細かな傷を確認できる
これらの状態を把握するには、細隙灯顕微鏡は必要不可欠です。
② 顕微鏡を使って手術している。
細隙灯顕微鏡は診察の時にしか使用できませんので、手術時には代わりに手術用顕微鏡が必要になります。
肉眼での見え方と顕微鏡での見え方の差を実感してください。
眼瞼下垂の手術もそうですが、睫毛内反症の手術、特に内眥形成術は2mmの中の皮膚や筋肉を処理します。いい手術をするには顕微鏡は必須であるといえます。
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③ 審美的な配慮ができる。
- いくら細かく診察や手術ができても、見た目を美しくする配慮が必要になります。美容医療の経験もあった方がベターかと思います。
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最後に
- いかがでしょうか?
- 逆さまつ毛は眼瞼下垂よりも機能面をしっかりと診察する必要があるので、眼科医による手術を受けることをお勧めいたします。
診察のご相談も含め、何かありましたらお気軽にご来院ください。
院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。