「眼瞼下垂」の手術を…
2年前まで開業を全く考えていなかった私が開業した理由
- 2021年9月10日
- 院長コラム
当院も開業して1週間が過ぎようとしております。
患者様も少しずつですが来院されておりますし昨日手術も始まりました。
9月の手術枠もあと数名分になっておりますので、近々で手術をご検討の方はお早めに受診をお願いいたします。
今回は私が開業することにした理由をお話ししたいと思います。
開業までの道のり
今年9月1日に開業いたしましたが、今まで加須市の「あだち眼科」で常勤として5年間、大宮の「はんがい眼科」で非常勤として4年間勤務し、開業に伴い7月に退職いたしました。
一般的にクリニックに勤務されている先生方は、経営者である院長の方針と合わなくなったり自分のやりたいことが十分にできず、多少なりとも勤務先に不満を持って退職したり開業したりするケースが多いと思います。
しかし、私は前勤務先である「あだち眼科」「はんがい眼科」には全く不満がありませんでした。
むしろ、自分のやりたい分野の医療機器をすべてそろえていただいて環境が整っておりましたので、年間500件以上の手術と向き合うことができました。
しかも、もともとお金にあまり興味がないのですが、お給料も十二分にいただいておりました。
ですから、開業を決めて融資をお願いするために銀行と面談をした時に、何度も「恵まれた環境(勤務医)を捨て、何故リスク(開業)を取ろうとするのか?」と聞かれました。
要するに、銀行に「安定を捨ててリスクを取るあなたはクレイジーだ」と言われたのです。
しかも、私の専門分野である「まぶた」や「涙」は、正直なところ経営的には全く優しくありません。
平たく言うと「儲かる分野」ではないのです。
「当院は自費診療を行っています」と言うと、どこからか「ウハウハですね(笑)」という憶測の声が聞こえてきますが、それは間違いです。
当院のコンセプトは、「保険診療で治せるものは保険診療で。保険診療で治せないものだけ自費診療で。」です。
儲けたいから自費診療をしているのではなく、保険診療ではどうしてもカバーできない部分も要望があれば治療して喜んでいただきたいので自費診療をしているのです。
なので、頑張っても勤務医の頃のような収入を得られることは非常に難しいのですが、これは初めから承知の上での開業です。
開業した理由について
なのになぜ開業したのか?
それは、「まぶたの手術をどのみち受けるのなら、初めから私の手術を受けてもらいたい」そして「手術に対して最初から最後まで自分で責任を持ちたい」からです。
巷には「眼瞼下垂の手術をやっています」という施設が数多く存在します。
多くの施設はもちろんしっかりとした手術を行っていますが、一部の施設では、「見栄えに配慮していない」「再発が多い」「形がすぐに崩れる、二重がすぐに取れる」手術を行っています。
そして、そういった手術を受けて行き場を困った患者さんが私のところへいらっしゃいます。
そういう場合2回目の(場合によっては3回目以上の場合もあります)手術になるのですが、1回目の手術に比べると非常に難易度が上がりますし、100点の結果を出すのが難しくなります。
「まぶたの手術を受けるなら、初めから私の手術を受けてもらいたい」というのはこのような理由からです。
また、勤務医として働いていた4年間、最大5カ所で手術していました。
時間は皆に対して平等なので、手術をする施設が多いということは一施設当たりでの勤務日数が少なくなります。
すると、患者さんに対して外来での細やかな対応ができなくなっていき、術後の状態を私以外の先生にお任せせざるを得ない場合も出てきました。
手術数をしっかりと維持しながら患者さんの予定に合わせて自分がすべて診察することで「手術に対して責任を持つ。」
これらが、2年前には開業するなど考えもしなかった私が開業を決めた理由です。
院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。