今回は、眼瞼下垂の手…
当院がいわゆる「グラマラスライン」手術をしていない理由
「目の縦幅を大きくして魅力的な目をつくる」というグラマラスライン手術。
これは、下まぶたを下げる筋肉を外側だけ縫い縮めて短縮することで目を大きくする手術です。
多くの美容外科で行われています。
しかし、機能面もしっかりとケアする「眼形成」の立場からすると、グラマラスライン手術は「受けるべきでない手術」といえますので、当院では行っていません。
「グラマラスライン手術」とは?
もともとは、加齢による下まぶたの病気(眼瞼内反症)に対して行われていた、まぶたの筋肉(LER)を縫い縮める手術であるJones法(変法)を応用したものです。
つまり、正常な下まぶたの筋肉(LER)を無理やり引き下げることで、下まぶたを下げ、まぶたの縦幅を大きくします。
グラマラスライン手術の怖さ(合併症)
正常なものを無理やり矯正(短縮)するので、どこかで無理が出ます。
主な合併症としては3つあります。
①内反症(まぶたが内側に反る)
正常なまぶたの筋肉(LER)を無理やり短縮するので、まぶたが内側に反って(内反して)まつ毛が眼球に当たる可能性があります。その場合は痛みなどを伴います。
②外反症(まぶたが外側に反る)
まぶたのバランスが悪くなるので、逆に外側に反って(外反して)、いわゆる「あっかんべー状態」になる可能性があります。まぶたがしっかりと眼球表面に当たらない場合は眼球が傷つく恐れがあります。
③兎眼(目が閉じなくなる)
下まぶたを無理やり押し下げるため、目が閉じなくなる可能性があります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
まぶたは「眼球を守る」という機能があります。
いわゆる「美容外科」の手術には、審美的には良くても機能的には正しくない手術もあります。
当院では、眼球の機能を損なわない手術のみ行っております。
一時の儲けではなく、患者さんに心から満足していただきたい、そして自分の医師倫理を曲げずに正しい手術のみ行いたい、という考えが根底にあるからです。
院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。