当院も開業して1週間…
【セルフチェックリスト付き】あなたも眼瞼下垂かもしれない。まぶたの専門医師のブログ。
- 2025年5月15日
- 院長コラム
まぶたの手術を専門とした「かつむらアイプラストクリニック」は、院長である私、勝村宇博がすべての診察と手術を行い、年間約1800件のまぶたの手術と向き合っております。
「私は眼瞼下垂かもしれない」
「眼瞼下垂ってどんな病気なの?」
「眼瞼下垂の治療は、手術しかないの?」
こんな疑問を持ち悩みを抱えている方に向けてブログを作成いたしました。
ご興味がありましたら、どうぞ最後までご覧ください。
「夕方になるとまぶたが重く感じる」「昔より目が小さくなった気がする」
──そんなちょっとした変化、見過ごしていませんか?
年齢のせいだと思って放っておいたそのまぶたの症状、実は眼瞼下垂(がんけんかすい)かもしれません。
眼瞼下垂は、視界の妨げになるだけでなく、頭痛や肩こりなど思わぬ不調の原因になることもあります。見た目にも大きな影響が出るため、「なんとなく老けた印象に見られる」「疲れているように誤解される」などの声も多く聞かれます。
今回は、眼瞼下垂の原因や症状、日常生活への影響、治療法までわかりやすく解説します。ご自身でできるセルフチェックリストもご用意していますので、ぜひ一度ご確認ください。
眼瞼下垂とは?原因は加齢やコンタクトレンズ?
眼瞼下垂とは、上まぶたを引き上げる筋肉や腱膜が弱くなることで、まぶたが十分に開かなくなる状態を指します。
原因の多くは加齢による変化ですが、他にも以下のような要因が知られています。
- 長年のハードコンタクトレンズの装用(特に20年以上使用している方)
- アトピー性皮膚炎などで目をこする習慣がある方
- 眼瞼の手術歴
- 若年層でも見られる「コンタクト性眼瞼下垂」¹
特にハードコンタクトレンズを長期に使用している方では、まぶたの支持構造が摩耗し、眼瞼下垂のリスクが約20倍高まるという報告もあります¹。
また、まぶたの皮膚が薄くなりやすい体質や、パソコン・スマホなどで目を酷使している方にも進行しやすい傾向があります。
眼瞼下垂の症状と生活への影響
眼瞼下垂が進行すると、以下のような症状が現れます。
- 視界が狭くなる
- 上方向の視界が遮られることで、無意識に眉を上げて視界を確保しようとします。これは運転時や階段昇降時に特に危険です。
- 額のシワや頭痛・肩こり
- おでこに力を入れてまぶたを開け続けるため、緊張性頭痛や慢性的な肩こりにつながるケースが多くあります²。
- 見た目の印象が変わる
- 常に眠そう・疲れていそうな印象を持たれることが多く、職場や対人関係で誤解を生むことも。鏡を見て「自分らしくない」と落ち込む方も少なくありません³。
- 夕方に悪化する
- 朝はそれほど気にならなくても、日中の疲れが蓄積するとまぶたが重くなり、症状が強くなります。
- 写真写りが悪くなる
- 目元の印象がぼんやりするため、「最近写真に写ると老けて見える」と感じる方も。
セルフチェックリスト:あなたのまぶたは大丈夫?
以下の項目のうち、いくつ当てはまりますか?
額に力を入れないとまぶたが開きにくい | |
夕方になるとまぶたが重くだるくなる | |
「眠そうだね」と言われたことがある | |
本やスマホを見るとき、無意識に顎を上げている | |
二重の幅が狭くなった、あるいは左右差が出てきた |
眼瞼下垂は何歳から起こる?有病率と好発年齢
眼瞼下垂は加齢とともに進行しやすく、60代以上では特に多く見られます⁴。しかし、ハードコンタクトレンズの長期使用者では、40代・50代から発症するケースも多数報告されています。
一見「加齢現象」のように思われがちですが、実は20代・30代でもコンタクト性眼瞼下垂を発症することもあります。
「まだ若いから関係ない」と思わず、気になる症状があれば一度検査を受けてみるのが安心です。
治療法:手術で改善できること
眼瞼下垂の根本的な治療は、手術です。
当院では、まぶたの筋肉や腱膜の状態に応じて、以下のような術式を選択しています。
- 挙筋短縮術
- 挙筋腱膜前転術
- 前頭筋吊り上げ術
- 眉下切開
どれが一番良いか、適しているかは患者さんにより変わります。
手術は局所麻酔・日帰り手術で行われ、手術時間は片側30分程度。腫れはかなり個人差があり、1週間~2カ月くらい。場合により数カ月腫れていることもありますので、ある程度のダウンタイムは見越しておいてください(腫れが少ない術式もありますが、再発するなどデメリットが多く、当院は採用しておりません)。
術後に期待できる変化
- ◎ 視野が広くなる→ 読書・運転が楽に⁵
- ◎ 頭痛や肩こりの改善²
- ◎ 見た目の若返り効果→ 明るくはつらつとした印象に
- ◎ 心理的なQOL向上³→ 人前に出ることへの抵抗感が減るなど、前向きな気持ちに
ある調査によると、眼瞼下垂手術を受けた方の85%以上が生活の質(QOL)の向上を実感しているとの報告もあります³。
最後に
かつむらアイプラストクリニックでは、眼瞼下垂に関するご相談・診察を随時受け付けております。
眼科的な機能面と形成的な審美面の両面からアプローチできる当院では、機能回復だけでなく見た目にも配慮した手術をご提案しています。
保険が適用されるか自費の対応になるかは、状態により変わります。「もしかして…」と不安を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。
引用文献一覧
- ¹ Kitazawa T. Hard contact lens wear and the risk of acquired blepharoptosis: a case-control study. Eplasty. 2013;13:e32.
- ² Bahceci Simsek I, et al. Association of Upper Eyelid Ptosis Repair and Blepharoplasty With Headache-Related Quality of Life. JAMA Facial Plast Surg. 2017;19(2):124-130.
- ³ Richards HS, et al. Patient reported psychosocial functioning following successful ptosis surgery. Eye (Lond). 2022;36(6):1206-1212.
- ⁴ Paik JS, et al. Blepharoptosis among Korean adults: age-related prevalence and threshold age for evaluation. BMC Ophthalmol. 2020;20(1):102.
- ⁵ Cahill KV, et al. Functional indications for upper eyelid ptosis and blepharoplasty surgery. Ophthalmology. 2011;118(12):2510-2517.
院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博
- 当院は、私の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)や目もとの審美手術を中心に診療を行っています。 様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。 また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。