~医師の選び方~
「かつむらアイプラス…
院長コラム
浦和駅西口徒歩4分、「まぶたの手術と涙の治療」を専門とした「かつむらアイプラストクリニック」。
当院は、保険での治療だけでなく自費の治療も扱っておりますが、当院の理念の一つ「曇りのない医療」を自費においても行っております。
女性の患者数が約8割くらいなのですが、「もっと魅力的な目もとにしたい」という患者さんの声が多いと実感します。まさに、当院のスローガン「機能も、見た目も。」です。
まつげパーマやまつげエクステなどもありますが、健康被害が報告されていることもあり(独立行政法人国民生活センター資料より)、理論上は自まつげが伸びることが一番安全だと思います。
巷にはまつげに対する効果をうたった美容液などありますが、これらよりも「まつげが伸びる薬」の方が確実に伸びます。医療機関でしか購入できません。
この「まつげが伸びる薬」は、そもそも視野が欠けていく病気「緑内障」治療の点眼薬として開発されました。
しかし、副作用の一つに「まつげが伸びる」という効果があったため、一部の医療機関で「まつげが伸びる薬」として販売されるようになりました。
使用者の54%以上に効果がある(!)と論文でも報告されている1)ので、「自まつげを伸ばす」という意味では非常に良い薬だと思います。
「どうしても」という方のために当院でも一応扱ってはいますが、おすすめはしておりません。
なぜならこの点眼薬は、「眼瞼下垂になる」「まぶたが黒ずむ」など、様々な副作用があるからです。
まつげに関する基本情報については、別ブログで書きましたので参照ください。
「」まつげが伸びる薬は、正式には「プロスタグランジン関連薬」といいます。
眼科医の中では、プロスタグランジン(Prostaglandin)を略してPGと呼びます。
先程も述べたように、プロスタグランジン関連薬はそもそも緑内障の薬です。
緑内障とは、眼球で受け取った情報を脳に送る時に使う「視神経」(通信ケーブルのような働き)が様々な理由でダメージを受け、視野が欠けてくる病気です。
緑内障になると、視野に影響が出ます。
緑内障の治療は、眼球をそっと押したときに跳ね返ってくる力、硬さである「眼圧」を下げ、神経への負担を減らすことです。
プロスタグランジン関連薬は眼圧を下げる効果が高く、緑内障の治療薬として良い結果を出しています。
この点眼薬の副作用のひとつに「まつげが伸びる」というものがあります。
プロスタグランジン関連薬は、先ほども述べた毛のサイクル(毛周期)の中で以下の働きをし、魅力的なまつげを作ります。2)
つまり、まつげを「太く、多く、濃く」してくれるのです。
使用効果ですが、使用開始後約16週で最高になり,長さと色素は約20%,密度は約100%増加します。3)また、使用を中止すると約6カ月で元に戻ります。4)
先程も述べたように、プロスタグランジン関連薬は緑内障の治療薬としては非常に優秀で、しかもまつげも伸びます。
「まつげが伸びる薬」として販売されているビマトプロスト(ルミガン、ラティース、グラッシュビスタ等の名前で販売されています)は、プロスタグランジン関連薬の中でも効果が高く、使用者のうち54%のまつ毛に効果があった(まつげが伸びた)という報告があります。1)
しかし、どんな薬にも副作用はあります。
そして、「まつげが伸びる薬」にもいくつかの副作用があり、それらが見た目にも悪影響を及ぼします。
これら副作用について、いくつかお話しします。
「まつげが伸びる薬(プロスタグランジン関連薬)」は、血流を増加せるという効果があります。そのため、眼球に付着すると、眼球の白目部分の血管が太くなり、いわゆる「充血」になります。目が血走ったようになります。割合的には40.2%、つまり4割以上です。5)
「まつげが伸びる薬(プロスタグランジン関連薬)」には塩化ベンザルコニウムという防腐剤が入っています。
この塩化ベンザルコニウムは目の表面には悪く、使っていると角膜上皮障害(目の表面の傷)をきたす場合があります。
「まつげが伸びる薬(プロスタグランジン関連薬)」はまぶたが黒ずむという副作用があります。割合的には約30%というデータも出ています。6)
まぶたがくぼむ(眼瞼陥凹)、まぶたが下がる(眼瞼下垂)(H4)
これらをまとめてDEUSとかPAPとかの呼び名で呼んでいます。割合的には60%となっています。7)
以下の写真が、「まつげが伸びる薬」を付けた方のまぶたの変化です。
いかがでしたでしょうか?
まつげが伸びる薬は、しっかりと眼科の医師の話を聞いたうえで使用することをお勧めいたします。
文献
- 1) Cheng JW et al.Meta-analysis of medical intervention for normal tension glaucoma. Ophthalmology.116(7).2009.1243-9
- 2) Laxman Subedi et al.Preparation of topical bimatoprost with enhanced skin infiltration and in vivo hair regrowth efficacy in androgenic alopecia.Drug Deliv.29(1).2022.328-341.
- 3) Fagien S. Management of hypotrichosis of the eyelashes: focus on bimatoprost.Plast Surg Nurs.35(2)2015.82-91.
- 4) 山下理絵.睫毛の美容外科.PEPARS.2019.43-50.
- 5) Honrubia F, Garcia-Sánchez J, Polo V et al:Conjunctival hyperaemia with the use of latanoprost versus other prostaglandin analogues in patients with ocular hypertension or glaucoma:a metaanalysis of randomised clinical trials. Br J Ophthalmol 93.2009.316-
- 6) Birt CM, Buys YM, Ahmed IIK, Trope GE. The Toronto area glaucoma society. Prostaglandin efficacy and safety study undertaken by race (the pressure study). J Glaucoma 19. 460–467.
- 7) Aihara M, Shirato S, Sakata R:Incidence of deepening of the upper eyelid sulcus after switching from latanoprost to bimatoprost. Jpn J Ophthalmol 2011.600-4.
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