はじめに 「手術のあ…
ダウンタイム・待ち時間・失敗――まぶたの手術で患者さんからよく聞かれる3つの質問に、正直にお答えします
- 公開日:2026年8月25日
- まぶた(瞼)について,院長コラム

JR浦和駅西口のかつむらアイプラストクリニックは、開院から5年が経ち、眼瞼下垂やクマ取りなど、まぶたの手術を年間約2,000件(涙道の手術を合わせると年間2,000件以上)執刀するようになりました。その5年間、診察室で繰り返し聞かれてきた質問があります。
「どれくらい腫れますか、いつ仕事に戻れますか」 「どうしてこんなに待つのですか」 「手術が失敗することはありますか」
どれも、手術を受ける立場になれば当然の疑問です。この記事では、この3つの質問に、院長の勝村宇博が普段の診察でお話ししているままにお答えします。
▶ 開院5年を迎えて感じていることは、眼瞼下垂やクマ取りなど、まぶたの手術と年間約2,000件向き合ってきて思うことに綴っています。
質問①「ダウンタイムはどれくらい?いつから仕事や学校に戻れる?」

患者さんから最も多くいただくご質問は、やはりダウンタイムです。どれくらい腫れるのか、いつから職場や学校に復帰できるのか。結論から言うと、デスクワークは術後3日目から可能ですが、腫れが最も強いのもこの時期です。見た目を気にせず過ごせるようになるのは、抜糸を終えた術後1週間ごろが目安になります。
ここからは、当院で必ずお伝えしている術後の過ごし方を、時系列でご説明します。
術後2日間:とにかく冷やす
術後の2日間は、とにかく冷やしてください。ガーゼなどでしっかり圧迫したうえで冷やしていただきます。そのための保冷剤も当院でご用意しています。
なぜ2日間にこだわるかというと、術後の腫れが強いと、どうしても最終的な仕上がりも悪くなりやすいからです。腫れを最小限に抑えることは、きれいな結果につながる大切な準備です。
ただし例外があります。脂肪注入など、圧迫すると注入した脂肪の形が変わってしまう施術については、冷やさないようお願いしています。この場合は枕を高くして安静にしていただきます。
術後3日目以降:デスクワークやウォーキングは可能
3日目以降は、デスクワークやウォーキングは可能です。ただし3日目が最も腫れの強い時期ですので、見た目が気になる方は、お仕事の再開や外出をもう少し控えていただいたほうがよいかもしれません。
もうひとつ、上まぶたの手術後に知っておいていただきたいことがあります。目の度数が一時的に変わることがあるのです。多くの場合は一過性で、1ヶ月ほどで元に戻りますが、その間は眼鏡が見づらくなる可能性があります。「視力が落ちたのでは」と驚かれる方もいらっしゃいますので、知識として持っておいていただくとよいと思います。この点に関しては、当院は眼科(私も眼科専門医の資格を有しています)ですから、眼科的な診察や治療もしっかり行うことができます。
術後1週間:抜糸。「抜糸したら腫れは引きますか」への答え
術後1週間で抜糸を行います。ここでよく聞かれるのが「抜糸をしたら腫れは引きますか」というご質問です。
結論から言うと、抜糸をしても腫れは変わりません。腫れは糸が原因で起きているのではなく、手術によって一時的に滞った血流が時間とともに再開していくことで改善していくものです。抜糸はあくまで傷の処置であり、腫れの経過とは別のものと考えてください。
術後1週間以降:軽い運動は可能、2〜3週間は強度を抑えめに
1週間を過ぎれば、軽いウォーキングや軽く走る程度は問題ありません。ただし、傷口に強い負担がかかることをすると、まだ傷が開いてしまう可能性のある時期です。2〜3週間ほどは、活動の強度を少し抑え気味にしていただくことをおすすめしています。
腫れや内出血は2〜3週間で落ち着いていきますが、細かな腫れは数ヶ月かけて徐々に落ち着いていきます(非常に個人差が大きい部分です)。傷跡の赤みは術後6ヶ月程度続き、最終的な仕上がりも6ヶ月を目安にご覧いただきます。
「切らない手術のほうがダウンタイムが短い」について
いまは「切らない手術」が流行しており、「切らない方法はできませんか」とご相談を受けることもよくあります。良い手術であれば当院でもご提案することがあります。たとえばクマ取りをまぶたの裏側から行う裏ハムラ(経結膜的下眼瞼形成術)がそうです。ただし裏ハムラの場合、皮膚を切る表ハムラ(経皮的下眼瞼形成術)と比べて、特に内側のクマが残る可能性がありますので、そこは必ずリスクとしてお話ししています。
総じて言えば、再発率の低さと完成度の高さという点では、切る手術のほうが勝っていることが多いのが実際です。そのため、当院の手術は切らない術式と比べると腫れが強く出る可能性があります。けれども、腫れを抑えるために手術の工程を端折るのではなく、自分の技術を高めることで、きちんとした手術をしながら腫れを抑えていく。そちらのほうが最終的に患者さんのためになると考えています。
▶ 術式ごとの詳しい経過は、眼瞼下垂手術のダウンタイム、クマ取り手術のダウンタイムの記事をご覧ください。
質問②「どうして待ち時間が長いの?」

当院に対して最も多くいただくご指摘は、待ち時間が長いという点です。開院5年を迎えた今も、2時間ほど、場合によっては2時間以上お待たせすることがあります。本当に申し訳なく思っています。これについては、理由を正直にお話ししたいと思います。
効率化は進めてきました
開院当初はスタッフの数も少なく、私自身の仕事量がかなり多い状態でした。その後、良いスタッフが来てくれたことで業務の一部を任せられるようになり、その意味では効率化は進んできたと考えています。
それでも、他の人に任せられないことがあります
しかし、どうしても他の人に任せられない部分があります。手術の際の説明、デザインのご希望をうかがうこと、術後にしっかり状態を確認すること。手術をさせていただいた患者さんを、最後まで責任を持って診させていただくこと。これらは譲れません。
また、術前にしっかりご説明していても、術後の状態にどうしても不安を感じる方もいらっしゃいます。そうした方々に対しても、当院では執刀医である私自身がしっかり診察し、状態をご説明します。その場合、どうしても説明にお時間をいただくことになります。これも、待ち時間が長くなる原因の一つです。
そして、これは私の考え方でもあるのですが、診察する人間、手術する人間、術後を診る人間は、すべて一人の医師で完結すべきだと考えています。その考えから、当院の医師は私一人のみです。そのため、どうしてもお待たせする時間は生まれてしまい、完全になくすことはできません。
もし自分が患者だったら
ただ、もし自分が患者だったら、どんな医師に手術をしてもらいたいか。常に自問自答していますが、答えは変わりません。最初から最後まで、同じ人にきちんと診てもらいたい。そう思いますので、このスタイルを変えるつもりはありません。
「患者さんの数を減らせばいいのでは」というご指摘について
そうしたご指摘をいただくこともあります。しかし手術の件数は、自分の経験値を上げるという意味で非常に大切なものです。そしてその一件一件も、手を抜くことなくベストを尽くしています。経験値を上げるという観点から導き出されたのが、現在の手術件数です。
ご自身が手術を受けられるとき、経験値をしっかり持った医師に手術をしてほしいかどうか。そこをお考えいただければ、手術件数の多さ、患者さんの多さについてもご理解いただけるのではないかと考えています。今の件数も維持できる限りは維持していきますし、私一人で完結させるというスタイルも変えるつもりはありません。この点は、ご自身が手術を受けられる際の安心材料と思っていただければ幸いです。
質問③「手術が失敗することはありますか?」

まれにですが、手術前に不安を強く感じていらっしゃる患者さんから、「手術が失敗することはありますか」と直接お尋ねいただくことがあります。
結論から言えば、可能性はあります。
どんな医師でも、一定の割合で起こり得ること
私は一件一件、そのときの自分のベストを尽くしていますし、その点で外れることのない姿勢で手術と向き合っているつもりです。しかし同じことをしても、その方それぞれのお顔の特徴や組織の特性がありますので、どうしても思ってもみない結果になることはあります。これはどんな名医であっても、一定の割合で起こり得ることだと考えています。
大切なのは「失敗しないこと」ではなく「起きたときにどう対応するか」
ですから大切なのは、失敗をしないことではなく、思わしくない結果が起きたときにどう対応するかだと私は考えています。 当院では、術後の調整が必要な場合も、腫れが落ち着く6ヶ月以上経過してから、写真撮影とブジーでのシュミレーションを行ったうえで計画します。また、院長は眼科専門医として眼球そのものの構造と働きを熟知していますので、万が一術後に眼球に何らかのトラブルが起きた場合も、当院で診察・診断から治療まで一貫して対応できます。
リスクは口頭と文書でお伝えしています
そのため、リスクについては口頭でも文書でもしっかりとお話ししているつもりです。そのうえで、十分にご納得いただいた方に手術を受けていただきたいと考えています。「失敗しますか」と聞くことは、決して失礼なことではありません。不安なことは、診察の場でどうぞ遠慮なくお尋ねください。
おわりに
ダウンタイム、待ち時間、失敗。どれも、きれいごとだけでは答えられない質問です。だからこそ、診察室でお話ししていることをそのまま書きました。
お待たせしてしまうかもしれませんが、その時間に見合うだけの診療をしたいと思っています。まぶたのことでお悩みの方は、どうぞご相談ください。
かつむらアイプラストクリニック 院長 勝村宇博
- 記事監修
- 院長 勝村宇博

院長 勝村宇博
- この記事は、日本眼科学会認定の眼科専門医である勝村宇博院長が執筆・監修しています。当院は、勝村院長の専門分野であるまぶた(目もと)の手術や涙(ドライアイ、涙道閉塞)の治療を専門とした眼瞼下垂(がんけんかすい)やクマ(目の下のたるみ)、目もとの審美手術を中心に診療を行っています。様々な学会に所属し、機能面と審美面両面とも妥協せずに治療を行っております。また、レーザー治療など新しい治療も取り入れております。


