内眼角贅皮(蒙古ひだ)

「内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ)」は、一般的に蒙古ひだと呼ばれる、目頭を覆う上まぶたの皮膚のひだです。 これは東洋人に多く見られる特徴的な構造です。この内眼角贅皮が強く発達していると、目頭側のまつげが生え際から内側へ押し込まれ、結果としてまつげが眼球に接触します。(※医学的には正しい分類ではありませんが、当院では患者様への理解を優先し、便宜的に独立した項目として解説しています)
逆さまつげとは?症状・原因・見分け方

逆さまつげとは、「本来眼球に接触しないまつげが眼球側を向き、角膜や結膜に接触する状態」のことで、ひどい場合はまつげが目に当たり傷がつきます。「逆さまつげ」は一括りにされがちですが、原因や症状の出方によって、実は3種類に分けられます。主に子どもや若年層に見られる「睫毛内反症」、40代以上の方に多い「眼瞼内反症」、まつ毛の一部だけが眼球に当たる「睫毛乱生症」があります。
まつ毛はまぶたの縁に存在し、異物が眼球に入らないよう眼球を守る役割があります。また、視界を邪魔しないように、まつ毛は通常前を向いています。しかし、先天的にまつ毛が前を向かず眼球に近づいている場合があり、ひどい場合はまつ毛が眼球と接しています。そうすると、まばたきをするたびにまつ毛が眼球とこすれ、目のゴロゴロ感や痛みを感じるようになります。これを「睫毛内反症(しょうもうないはんしょう)」と言い、主に子どもや若年層で見られるタイプです。上まぶたの睫毛内反を「上睫毛内反症」、下まぶたの睫毛内反を「下睫毛内反症」といいます。また、目頭の皮膚や筋肉の張り出しである「内眼角贅皮(蒙古ひだ)」が原因で悪化します。



「内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ)」は、一般的に蒙古ひだと呼ばれる、目頭を覆う上まぶたの皮膚のひだです。 これは東洋人に多く見られる特徴的な構造です。この内眼角贅皮が強く発達していると、目頭側のまつげが生え際から内側へ押し込まれ、結果としてまつげが眼球に接触します。(※医学的には正しい分類ではありませんが、当院では患者様への理解を優先し、便宜的に独立した項目として解説しています)
日本人は顔の彫りが浅く逆さまつげの割合が高いといわれています。0歳児では約半数が逆さまつげですが、年齢とともに治る場合が多く、13歳以上では約2%まで低下します。以下の割合で睫毛内反症を有している、というデータが出ています。1)また、女の子よりも男の子の方がなりやすく、睫毛内反を放置すると角膜乱視(かくまくらんし))や近視、遠視など、眼球にも悪影響が出るというデータも出ています。2)つまり、年齢とともに改善していくため、逆さまつげイコール即手術というわけではありません。
| 0歳 | 46% |
|---|---|
| 1歳 | 24% |
| 2歳 | 20% |
| 3~4歳 | 17% |
| 5~6歳 | 7% |
| 13~18歳 | 2% |

40代以降の大人に多いタイプは「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」です。まぶたのテンションを保っている筋肉や靱帯が加齢によって緩み、まばたき時にまぶたごと内側に反り返ってしまう病態(まぶたの位置異常)です。まぶた全体が眼球側に倒れ込むため、まつ毛が全体的に黒目に接触しやすくなります。まぶた自体が内側にひっくり返ることでまつ毛が眼球に当たる病気です。

「睫毛乱生症(しょうもうらんせい)」は、まつ毛の一部だけが眼球に当たるタイプです。まぶたの位置は正常ですが、炎症(眼瞼炎やマイボーム腺梗塞)などが原因で、「一部のまつ毛が眼球の方向を向いている」病気です。まつ毛自体は通常前を向いているが、数本だけ眼球側に伸びて角膜を刺激します。睫毛乱生と睫毛内反症、ともにまぶたの位置は正常ですし、長期間睫毛内反を放置しておくと経験上睫毛乱生にもなります。混在していることもあり、やはり眼科での診察が必要になります。
産まれたばかりの赤ちゃんは、約2割が涙の通り道が閉じています。涙の通り道が閉じていると、台所のシンクの排水口がつまっているのと同じで涙が溜まり雑菌も生えやすくなるため、「涙がたまっている」「目ヤニが出る」という症状になります。まつ毛が眼球に当たる影響で、睫毛内反でも「涙が溜まっている」「目ヤニが出る」という症状が出る場合があります。睫毛内反症も先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)も小さい子どもがなりますし症状が似ているので、間違われる場合があります。これも眼科での診察で見分けることができます。
逆さまつげになると、目がゴロゴロする異物感や痛みなどを感じるようになります。
睫毛内反症の原因は、下まぶたの構造的な要因、特に「皮膚」や「皮下脂肪」の過剰な厚みにあります。 まぶた自体の向きは正常ですが、乳幼児や小児期には目の周りの組織がまだ緩く、盛り上がりが目立ちます。 この盛り上がりが、まつげの生え際を物理的に内側へと押し込み、本来前を向くべきまつげが眼球に接触してしまいます。 成長とともに顔つきが変化し、まぶたの張りが増すことで自然に改善するケースも多く見られますが、重度の場合は角膜損傷を防ぐための治療が求められます。

上まぶたの縁にある繊維でできた硬い板「瞼板」にまぶたを上げる筋肉である挙筋腱膜やミュラー筋が付着し、瞼板を引っ張ることで眼が開くようになっています。

二重まぶたの場合は、筋肉の枝が伸びて皮膚にくっついています。この筋肉の枝により、まつ毛が前を向いて視界の邪魔にならないようになっています。

一重まぶたの場合は筋肉の枝が無いため、まつ毛が下を向いて視界を邪魔しています。これを睫毛下垂(しょうもうかすい)といいます。

そして、皮膚のボリュームが多い人はまつ毛が皮膚に押されて眼球に当たるようになり、目のゴロゴロ感や痛みを感じます。これを「上睫毛内反症」といいます。

上睫毛内反症も、目頭の皮膚や筋肉の張り出しである「内眼角贅皮」が原因で悪化します。

下まぶたの縁にある繊維でできた硬い板「瞼板」に、筋肉である下眼瞼牽引筋腱膜(Lower Eyelid Retractors:LERs)が付着し瞼板を引っ張ることでまぶたと眼球がフィットしています。また、LERから筋肉の枝が伸びて皮膚に付着することでまつ毛が外を向き視界の邪魔にならないようになっています。

しかし、以下の場合にまつ毛が眼球に向かって生え、ひどい場合は眼球に当たってしまいます。これを「下睫毛内反症」といいます。

また、目頭側の皮膚の張り出し(内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ))も下睫毛内反症の原因になります。
目頭に余計な皮膚(筋肉)があると、目頭のまつ毛が眼球側に向きやすくなるためです。
内眼角贅皮(蒙古ひだ)の形成は、胎生期の発生過程で決まり、遺伝的な要素が深く関わっています。 この蒙古ひだが発達していると、目頭側の皮膚に強い緊張が生じ、それがまつげの生え際を内側へ押し込む力となって作用します。 結果として、目頭側のまつげが眼球に向かって生えてしまい、逆さまつげ(睫毛内反症)を引き起こす直接的な原因となります。
基本的に眼瞼内反症はシニアの(大人の)病気、睫毛内反症は子どもの病気ですが、子供でも眼瞼内反症の場合もありますので、眼科での診察が必要になってきます。
炎症(眼瞼炎やマイボーム腺梗塞)などが原因で、一部の毛根だけ異常方向に生える状態です。原因としては、加齢によるまぶたの変化のほか、眼瞼炎などの慢性的な炎症、外傷、手術後の瘢痕(はんこん)などが挙げられます。また、明らかな原因がなく発症することもあります。眼球側に向いたまつげが角膜や結膜に触れることで、目の痛みや異物感、充血、涙が出るなどの症状を引き起こします。角膜への刺激が続くと傷がつくこともあるため、症状がある場合は眼科での診察が必要です。
睫毛内反症の割合は以下のように成長と共に自然に治る可能性も高いのは事実です。とはいえ、「10歳までに自然に治る可能性があること」「逆さまつげが原因で視力が悪化する場合があること」を考慮すると、手術を検討するのは、10歳になっても逆さまつげが改善しない場合、もしくは10歳以下でも視力への影響が強い場合があります。
年齢と共に自然に治ることも多いですが、乱視や近視、遠視など屈折(メガネの度数)の異常が伴い弱視(目の成長が未発達な状態)につながって見づらさが一生付きまとう可能性がありますので、自然に治らない場合は適当なタイミングでの手術が必要です。角膜の傷の程度や睫毛内反の程度、年齢も総合して患者さんにとってベストな治療タイミングを計っていきます。
適用可能な方に関しては保険が適用されますが、適用が難しい場合は自費での治療をご案内する場合があります。詳しくは以下のページで費用や症例写真を紹介しています。
