
眼瞼下垂手術のダウンタイムは、眼瞼下垂の原因や程度、皮膚のたるみの有無、年齢などによって異なります。一般的には術後1週間程度は腫れや内出血が目立つことがありますが、その後徐々に落ち着いていきます。
本記事では、かつむらアイプラストクリニック(JR浦和駅西口)で眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法)を行った40代〜70代の6症例について、術後1週間・2週間・2カ月・6カ月の経過を実際の症例写真とともに紹介します。「コンタクトレンズを長く使っている」「皮膚のたるみもある」「おでこのシワが深くなった」「二重の幅が広がって三重になった」「白内障手術のあとにまぶたが下がった」など、症例ごとに異なる背景も解説しますので、ご自身に近い症例を参考にしてください。
▶ ご自身が眼瞼下垂かどうか気になる方は、セルフチェック付きの解説記事も参考にしてください。
眼瞼下垂はなぜ起こる?

眼瞼下垂とは、まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の力がまぶたに十分に伝わらず、まぶたが下がって目が開けにくくなった状態です。大人の眼瞼下垂で最も多いのは「腱膜性眼瞼下垂」で、筋肉とまぶたをつなぐ薄い膜(挙筋腱膜)がゆるんだり外れたりすることで起こります¹。主な原因は以下になります。
加齢による腱膜のゆるみ
年齢とともに挙筋腱膜が伸びたり、まぶたの板(瞼板)から外れかかったりします。筋肉の力そのものは保たれていることが多く、腱膜を縫い縮めて瞼板に固定し直す「挙筋腱膜前転法」で改善が見込めます¹³。
コンタクトレンズの長期使用
ハードコンタクトレンズの長期使用は、まぶたの裏側に慢性的な刺激を与え、腱膜のゆるみや筋肉の変化を引き起こすことが報告されています⁵。ソフトレンズでも、毎日の着脱でまぶたを引っ張る動作が積み重なると影響することがあります。
目の手術のあと
白内障手術や緑内障手術など、まぶたを開いて行う目の手術のあとに眼瞼下垂が出ることがあります。最近の白内障手術では頻度は低いものの、ゼロではないことが知られています⁶。
まぶたをこする習慣
花粉症やアトピー性皮膚炎で目をこする習慣がある方、アイメイクを強くこすって落とす方は、腱膜に負担がかかりやすくなります。
眼瞼下垂になると、無意識におでこの筋肉で目を開けようとするため、おでこのシワが深くなったり、眉毛が上がったりします。肩こりや頭痛の一因になるといわれることもありますが、これらは数値で評価できないため、手術で改善するかどうかは分からないと当院ではお伝えしています。「夕方になると目が重い」「写真を撮ると眠そうに見える」と感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、かつむらアイプラストクリニックで行っているまぶたの手術 年間2000件前後の中から、眼瞼下垂手術の6例を選び、ダウンタイムの画像も含めた治療法の選択理由を解説していきます。ご自身がどの例に似ているのか、イメージしながらお読みください。
眼瞼下垂手術は保険適用になる?

眼瞼下垂手術は、上方の視野が狭い・まぶたが開きにくいといった機能的な症状がある方は、保険適用で受けることができる場合があります。眼瞼下垂の程度や症状を診察で確認したうえで、総合的に判断します。本記事の6症例はすべて保険診療で行った手術です。
一方で、「二重にしたい」「目を大きく見せたい」といった審美目的のみの場合は自費診療となります。また、まぶたの下がりが軽く保険適用の基準に届かない方、保険適用にはなるものの仕上がりをより重視して自費を選ばれる方、まぶたのくぼみが強く三重になりやすいため糸つり上げや脂肪移植を併用する方も、自費診療で手術を行っています。
当院では保険診療でも審美面にとても配慮した手術を行っていますが、自費診療では次の3点が異なります。
- 術後1年以内であれば、無料で再手術が可能です
- 皮膚を縫う際に、一段階細い手術用顕微鏡の糸を用いるため、傷跡がより目立ちにくくなります(傷跡の目立ち具合には個人差があります)
- 注射での麻酔時に、一段階細い針を使用するため、より痛みに配慮しています
▶ 保険と自費の分かれ目については、眼瞼下垂の保険・自費のご案内ページで詳しく説明しています。
▶ 当院の眼瞼下垂手術の詳細は、眼瞼下垂手術の総合案内ページをご覧ください。
1. 40代|眼瞼下垂手術のダウンタイム・術後経過(コンタクトレンズ長期使用の場合)

症例|ハードコンタクトレンズを20年以上使用していた場合

| 年齢 | 40代 |
|---|---|
| 術前の悩み | 数年前から夕方になると目が開けづらい。 写真を撮ると眠そうに見えると言われる。 ハードコンタクトレンズを20年以上使用。 |
| 治療法(術式) | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側・保険適用) |
施術の選択理由
- ハードコンタクトレンズの長期使用歴があり、腱膜性眼瞼下垂と診断
- 皮膚のたるみは少なく、まぶたを持ち上げる筋肉の力(挙筋機能)は良好
- 上方の視野が狭くなっており、機能的な症状があるため保険適用
→ 皮膚のたるみはほとんどなく、原因は腱膜のゆるみだけと判断したため、挙筋腱膜前転法を選択しました。皮膚の切除は最小限にとどめています。
術後の経過
明らかな合併症はなく、経過は良好でした。術後2週間の診察で過矯正(上がりすぎ)がないことを確認し、その後も予定どおりの経過でした。
ダウンタイム

術後1週間
二重のラインに沿って腫れがあります。抜糸は術後6〜12日目に行います。

術後2週間
腫れはまだ残っていますが、目の開きは術前より大きくなっています。この診察で過矯正(上がりすぎ)がないことを確認しました。

術後2カ月
腫れはほぼなくなり、二重のラインが落ち着いてきました。

術後6カ月
黒目がしっかり見えるようになり、眠そうな印象がなくなっています。傷跡の赤みも落ち着いています。
担当医からのアドバイス
40代で眼瞼下垂になる方の多くは、コンタクトレンズの長期使用が関係しています。特にハードコンタクトレンズは、使用年数が長いほどまぶたが下がりやすいことが報告されています⁵。コンタクトレンズの使用は手術の前後で制限していませんが、術後3週間からの再開をお勧めしています。なお、コンタクトレンズを続けるかどうかよりも、まぶたをこすらない・強く引っ張らないことの方が、再発予防としては大切です。

- 治療内容
- 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側)
- 治療期間
・回数 - 術後1週間・2週間・2カ月・6カ月を目安に通院(状態により変わります)
- 費用
- 保険診療(3割負担)。
詳細は眼瞼下垂の治療・費用のページをご確認ください
- リスク
・副作用 - 再手術、術後腫脹、内出血、左右差、低矯正・過矯正、ドライアイ症状、傷跡の赤み など
2. 60代|眼瞼下垂手術のダウンタイム・術後経過(皮膚のたるみを合併し、眉下切開を先に行った場合)

症例|まぶたが厚く、眼瞼下垂と皮膚のたるみの両方があった場合

| 年齢 | 60代 |
|---|---|
| 術前の悩み | まぶたが重くて開けづらい。 まぶたが厚く、皮膚もまつ毛にかぶさっている。 |
| 治療法(術式) | 眉下切開(両側) → 2カ月以上あけて 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側・保険適用) |
施術の選択理由
- 腱膜性眼瞼下垂に加えて、皮膚のたるみとまぶたの厚みがある
- 眉毛の位置は保たれている
- 眼瞼下垂手術だけでは、まぶたの厚みとかぶさりが残ると判断
→ 眉下切開と眼瞼下垂手術の両方が必要な場合、当院では眉下切開を先に行うのが基本方針です。眼瞼下垂手術は「あとで眉下切開をする前提」か「しない前提」かでデザインが全く異なるためです。また、眼瞼下垂手術を先に行ってまぶたの厚みが気になった場合、眉下切開を追加しても厚みは改善しません。術中から少しずつ腫れるため2つの手術は同日には行わず、2カ月以上あけて別日に行っています。
術後の経過
眉下切開のあと、まぶたの重みが取れたことで眼瞼下垂はわずかに改善しましたが、目の開きはまだ不十分だったため、予定どおり眼瞼下垂手術を行いました。いずれの手術も明らかな合併症はなく、経過は良好でした。
ダウンタイム(眼瞼下垂手術後)

眉下切開後・眼瞼下垂手術前
眉下切開のあと、まぶたの重みが取れて目の開きがわずかに改善していますが、眼瞼下垂は残っています。

術後1週間
二重のラインに沿って腫れがあります。眉下切開の傷跡はすでに落ち着いています。

術後2週間
腫れは残っていますが、まぶたの厚みが取れ、目の開きも改善しています。過矯正がないことを確認しました。

術後2カ月
腫れはほぼなくなり、まぶたの厚みと目の開きの両方が改善しています。

術後6カ月
まぶたの厚みと目の開きの両方が改善し、すっきりした目元になっています。傷跡の赤みも落ち着いています。
担当医からのアドバイス
「眼瞼下垂」と「皮膚のたるみ(眼瞼皮膚弛緩)」は、見た目が似ていても医学的に異なるものです。両方が重なっている方は少なくなく、その場合は手術の順番が仕上がりを左右します。当院では、まつ毛から遠い順に「前額リフト(おでこリフト) → 眉下切開 → 眼瞼下垂手術」の順で、それぞれ2カ月以上あけて行っています。当院の経験上、眉下切開だけでもまぶたの重みが取れて軽度の眼瞼下垂はわずかに改善するため、眉下切開のあとに眼瞼下垂手術が本当に必要かを改めて判断することもあります。

- 治療内容
- 眉毛下皮膚切除術(両側)+ 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側)
- 治療期間
・回数 - 眉下切開は術後1週間・2カ月・6カ月、
眼瞼下垂手術は術後1週間・2週間・2カ月・6カ月を目安に通院(状態により変わります)
- 費用
- 眉下切開は原則自費診療です(料金表をご確認ください。皮膚のたるみが非常に強く視野障害がある場合は保険で行えることもありますが、適応は限られます)。眼瞼下垂手術は保険診療(3割負担)
- リスク
・副作用 - 再手術、術後腫脹、内出血、左右差、低矯正・過矯正、眉毛の位置の変化、傷跡の赤み・肥厚 など
3. 60代|眼瞼下垂手術のダウンタイム・術後経過(おでこのシワが深くなった場合)

症例|おでこの力で目を開けており、おでこのシワが深くなっていた場合

| 年齢 | 60代 |
|---|---|
| 術前の悩み | おでこのシワが深くなった。 眉毛を上げないと目が開かず、夕方になると目が重い。 目つきが悪いと言われる。 |
| 治療法(術式) | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側・保険適用) |
施術の選択理由
- 眉毛を上げないと目が開かず、おでこの筋肉(前頭筋)を常に使っている
- 眉毛を指で押さえて固定すると、まぶたがはっきり下がる(腱膜性眼瞼下垂の典型的な所見)
- 皮膚のたるみは軽度
- まぶたが開きにくいという機能的な症状があるため保険適用
→ まぶたを開ける力を挙筋腱膜の固定で取り戻すことで、おでこの力を使わなくても目が開くようにする方針としました。皮膚のたるみは軽度のため、二重のラインで少量の皮膚を切除しています。
術後の経過
特に明らかな合併症は起こらず、経過は順調でした。術後はおでこに力を入れなくても目が開くようになり、眉毛の位置が下がっておでこのシワが浅くなっています。
ダウンタイム

術後1週間
腫れが目立ちます。二重の幅は腫れのため広く見えています。

術後2週間
腫れは少しずつ引き始め、眉毛の位置が術前より下がっています。過矯正がないことを確認しました。

術後2カ月
腫れはほぼなくなり、二重の幅も落ち着いてきています。おでこのシワも浅くなっています。

術後6カ月
おでこに力を入れなくても目が開き、目の開きが軽くなっています。傷跡の赤みも落ち着いています。
担当医からのアドバイス
おでこのシワが深い方、眉毛を上げて目を開けている方は、眼瞼下垂の可能性があります。60代では加齢による腱膜のゆるみが進み、長年おでこの力で目を開けてきた結果、シワが深く刻まれている方が少なくありません。なお、眼瞼下垂に伴う肩こりや頭痛を気にされて来院される方もいらっしゃいますが、これらは目の開きのように数値で評価できないため、手術で改善するかどうかは分からないと当院では正直にお伝えしています。手術の目的はあくまで、まぶたを開ける力を取り戻し、視野と目の開きを改善することです。眼瞼下垂手術のあとは、眉毛を上げる必要がなくなるため眉毛の位置が下がります。このため、術前の写真と比べると「眉が下がった」「二重の幅が狭くなった」と感じることがありますが、これは本来の位置に戻ったためです。おでこのシワも浅くなることが少なくありませんが、前頭筋(おでこの筋肉)の緊張が強い方は、クセのように力が入り続けるため、術後もシワが変わらないことがあります。眉毛の位置が下がることでまぶたの皮膚のかぶさりが目立つ場合は、あらかじめ眉下切開や前額リフト(おでこリフト)を先に行うことを検討します(症例2を参照)。

- 治療内容
- 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側)
- 治療期間
・回数 - 術後1週間・2週間・2カ月・6カ月を目安に通院(状態により変わります)
- 費用
- 保険診療(3割負担)。詳細は眼瞼下垂の治療・費用のページをご確認ください
- リスク
・副作用 - 再手術、術後腫脹、内出血、左右差、低矯正・過矯正、ドライアイ症状、傷跡の赤み など
4. 60代|眼瞼下垂手術のダウンタイム・術後経過(二重の幅が広がり、三重になった場合)

症例|二重の幅が年々広がり、まぶたがくぼんで三重になっていた場合

| 年齢 | 60代 |
|---|---|
| 術前の悩み | 若い頃より二重の幅が広くなり、最近は三重になる日がある。 まぶたがくぼんで疲れた印象に見える。目が開けづらい。 |
| 治療法(術式) | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側・保険適用) |
施術の選択理由
- 腱膜性眼瞼下垂で、二重のラインが高い位置に上がり、まぶたがくぼんでいる(腱膜のゆるみに伴う典型的な所見)
- 挙筋機能は良好で、皮膚のたるみは軽度
- 上方の視野障害があり保険適用
→ 挙筋腱膜がゆるむと、まぶたを開けるたびに皮膚が奥へ引き込まれる位置が変わるため、二重の幅が広がったり、ラインが複数できて三重になったりします。まぶたのくぼみも同じ理由で起こります。この方は腱膜のゆるみが原因と判断し、挙筋腱膜前転法で腱膜を固定し直すとともに、二重のラインを術前より低い自然な位置に作り直しました。
術後の経過
特に明らかな合併症は起こらず、経過は順調でした。術後は二重のラインが1本に定まり、まぶたのくぼみも目立たなくなっています。
ダウンタイム

術後1週間
腫れのため二重の幅は広く見えています。

術後2週間
腫れは残っていますが、二重のラインが1本に定まり、三重は見られません。過矯正がないことを確認しました。

術後2カ月
腫れはほぼなくなり、二重の幅が落ち着いてきました。まぶたのくぼみも目立たなくなっています。

術後6カ月
二重のラインが1本に安定し、目の開きも保たれています。傷跡の赤みも落ち着いています。
担当医からのアドバイス
「二重の幅が昔より広くなった」「三重になる」「まぶたがくぼんできた」という変化は、皮膚のたるみではなく眼瞼下垂のサインであることが少なくありません。この場合、二重のラインを揃えるだけの手術では原因が残るため、腱膜のゆるみそのものを治す眼瞼下垂手術が必要です。手術では、まぶたを持ち上げる力を戻すと同時に、二重の高さを本来の位置に戻すことで、くぼみや三重が改善します。ただし、まぶたのくぼみが強い方では、術後もある程度くぼみが残ることがあります。眼窩脂肪が多い場合(多いか少ないかは手術してみないと分かりません)は、眼瞼下垂手術の際に眼窩脂肪を引き出すことで、まぶたのくぼみが改善してきれいな二重ができることがあります。しかし、くぼみが強い方は、手術後にまぶたに新たなシワ(予定外重瞼線ともいいます)ができることがあります。2回目の手術で修正するよりも初めから対応したほうがきれいに仕上がるため、二重をきれいに作りたいというご希望が強い方には、初めから「糸つり上げ」または「脂肪移植」を併用する方法をお勧めしています(自費診療)。

- 治療内容
- 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側)
- 治療期間
・回数 - 術後1週間・2週間・2カ月・6カ月を目安に通院(状態により変わります)
- 費用
- 保険診療(3割負担)。詳細は眼瞼下垂の治療・費用のページをご確認ください
- リスク
・副作用 - 再手術、術後腫脹、内出血、左右差、低矯正・過矯正、ドライアイ症状、傷跡の赤み など
5. 60代|眼瞼下垂手術のダウンタイム・術後経過(白内障手術のあとに進行した場合)

症例|白内障手術のあと、まぶたの下がりが気になり始めた場合

| 年齢 | 60代 |
|---|---|
| 術前の悩み | 白内障手術で見えやすくなったが、その後まぶたが下がってきた。 視野の上の方が見えにくい。 |
| 治療法(術式) | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側・保険適用) |
施術の選択理由
- 白内障手術の前から軽度の眼瞼下垂があり、術後に進行した
- 眼球の状態(白内障手術後の眼内レンズ・眼底)は安定している
- 上方の視野障害があり保険適用
→ 目の手術のあとに眼瞼下垂が進行することは珍しくありません⁶。眼球の状態を眼科専門医として確認したうえで、挙筋腱膜前転法を行いました。
術後の経過
特に明らかな合併症は起こらず、経過は順調でした。白内障手術で視力が改善したことに加え、まぶたが上がったことで上方の視野も広がり、「見える範囲が広くなった」とのことです。
ダウンタイム

術後1週間
腫れと内出血があります。

術後2週間
腫れ・内出血は少しずつ引き始めています。過矯正がないことを確認しました。

術後2カ月
腫れ・内出血はほぼなくなり、黒目がしっかり見えています。

術後6カ月
まぶたの開きが安定し、上方の視野が広がっています。傷跡の赤みも落ち着いています。
担当医からのアドバイス
白内障手術や緑内障手術のあとに、まぶたが下がってくることがあります。最近の白内障手術では頻度は低いとされていますが、もともと軽い眼瞼下垂があった方や、まぶたを持ち上げる力が弱かった方では起こりやすいと報告されています⁶。目の手術を受けたあとにまぶたの下がりが気になる方は、眼球とまぶたの両方を診察できる眼科でご相談ください。当院では、眼科専門医である院長が眼球の状態も含めて診察したうえで、まぶたの手術の計画を立てています。

- 治療内容
- 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法・両側)
- 治療期間
・回数 - 術後1週間・2週間・2カ月・6カ月を目安に通院(状態により変わります)
- 費用
- 保険診療(3割負担)。詳細は眼瞼下垂の治療・費用のページをご確認ください
- リスク
・副作用 - 再手術、術後腫脹、内出血、左右差、低矯正・過矯正、ドライアイ症状、傷跡の赤み など
6. 70代|眼瞼下垂手術のダウンタイム・術後経過(高度の眼瞼下垂に皮膚切除を併用した場合)

症例|まぶたが黒目の半分近くまで下がっていた場合

| 年齢 | 70代 |
|---|---|
| 術前の悩み | まぶたが下がって前が見えにくい。 あごを上げて物を見るようになった。 |
| 治療法(術式) | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法+皮膚切除・両側・保険適用) |
施術の選択理由
- 高度の腱膜性眼瞼下垂で、まぶたが黒目の半分近くまでかかっている
- まぶたを持ち上げる筋肉の力(挙筋機能)は保たれている
- 皮膚のたるみも強く、まつ毛にかぶさっている
- 明らかな視野障害があり保険適用
→ 挙筋機能が保たれていたため、挙筋腱膜前転法で対応できると判断しました。皮膚のたるみも強かったため、二重のラインで余分な皮膚を同時に切除しています。
術後の経過
高度の下垂に対する手術のため、術後の腫れは若干強めでしたが、術後3週間ほどでかなり落ち着きました。あごを上げて物を見る癖がなくなり、姿勢が楽になったとのことです。
ダウンタイム

術後1週間
腫れが強く、内出血もしっかり出ています。

術後2週間
腫れや内出血はまだ残っていますが、目の開きが術前とは大きく変わっています。過矯正がないことを確認しました。

術後2カ月
腫れはほとんど引き、二重のラインが落ち着いてきています。

術後6カ月
黒目がしっかり見え、上方の視野が確保されています。傷跡の赤みも落ち着いています。
担当医からのアドバイス
70代になると、眼瞼下垂と皮膚のたるみの両方が高度になっている方が多くなります。高度の眼瞼下垂では「目を開けすぎない」ことも大切です。まぶたを上げすぎると目が閉じにくくなり、ドライアイの症状が出ることがあるためです⁴。当院では、術中にまぶたの高さをミリ単位で調整し、目の開きと閉じやすさのバランスを取っています。シニアの方の手術は、若い方に比べて繊細な調整が必要になります。

- 治療内容
- 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転法+皮膚切除・両側)
- 治療期間
・回数 - 術後1週間・2週間・2カ月・6カ月を目安に通院(状態により変わります)
- 費用
- 保険診療(3割負担)。詳細は眼瞼下垂の治療・費用のページをご確認ください
- リスク
・副作用 - 再手術、術後腫脹、内出血、左右差、低矯正・過矯正、閉瞼不全・ドライアイ症状、傷跡の赤み など
眼瞼下垂手術のダウンタイム中はどう過ごせばいい?

眼瞼下垂手術のダウンタイムは、強い腫れが術後3〜7日、腫れやむくみが落ち着くまでが術後2〜3週間が目安です。傷跡の赤みはおよそ6カ月で落ち着くことが多いです(1年ほど続く場合もあります)。ただし、腫れの経過は非常に個人差が大きい部分です。
- 術後当日〜3日
- 腫れが最も強い時期です。保冷剤をタオルで包み、まぶたを冷やすと腫れを抑えやすくなります。枕を高くして寝ると、朝の腫れが軽くなります。洗顔・洗髪・シャワーは術翌日から、傷の部分も含めて可能です。デスクワークは術後3日目から可能ですが、この時期は腫れが最も強いため、現実的にはメイクでカバーできる抜糸後が復帰の目安です。
- 術後3日〜1週間
- 入浴(湯船)・飲酒・ウォーキング程度の軽い運動は術後3日から可能です。抜糸は術後6〜12日目に行います。
- 術後1週間〜3週間
-
ランニングレベルの運動、創部以外のベースメイクは術後1週間から可能です。創部を過度にこすって負担をかけることは、術後3週間くらいは避けてください。
術後2週間の診察では、過矯正(まぶたの上がりすぎ)がないかを確認します。万が一過矯正がある場合は、術後2週間の診察当日に修正手術を行います。修正はその日の一番最後の時間帯の手術になり、午後7時を過ぎる可能性がありますので、術後2週間の診察日はあらかじめ予定の調整をお願いいたします。
- 術後3週間〜6カ月
- 激しい運動、アイメイク、コンタクトレンズは術後3週間から可能です。診察は術後2カ月・6カ月を目安に行い、傷跡と目の開きの経過を確認します。傷跡の赤みが残る時期は紫外線で色素沈着しやすいため、日焼け止めや帽子で保護してください。最終的な仕上がりは術後3〜6カ月を目安に判断します。
眼瞼下垂手術のリスク・合併症は?

眼瞼下垂手術は確立された手術ですが、以下のようなリスクがあります。
- 低矯正・過矯正:まぶたの上がりが足りない、または上がりすぎることがあります。挙筋腱膜前転法の研究では、約8.7%の方に再手術が必要だったと報告されています¹
- 左右差:腫れの引き方の違いやヘリングの法則により、左右差が生じることがあります²
- ドライアイ症状:まぶたが上がることで目の表面が乾きやすくなり、一時的にドライアイの症状が出ることがあります⁴
- 内出血・血腫:まれに血腫(血のたまり)ができ、処置が必要になることがあります
- 傷跡の赤み:二重のラインに沿った傷跡は、赤みがおよそ6カ月で落ち着くことが多いです(1年ほど続く場合もあります)
術後の調整は、腫れが完全に落ち着く術後6カ月以上経過してから検討します。自費診療の場合は、術後1年以内であれば無料で再手術が可能です(追加手術時の術後のお薬代は別途かかります)。保険診療の場合、2回目の手術も1回目と考え方は同じで、まぶたが開きにくいなどの機能的な障害があれば保険で手術を行える場合があり、審美的な調整を目的とした手術であれば自費診療となります。
眼瞼下垂手術に関するよくある質問

- 眼瞼下垂手術のダウンタイムはどのくらいですか?
- 強い腫れは術後3〜7日、腫れやむくみが落ち着くまでは術後2〜3週間が目安です。傷跡の赤みはおよそ6カ月で落ち着くことが多いです(1年ほど続く場合もあります)。腫れの経過は非常に個人差が大きい部分ですので、大切な予定の前には余裕を持って手術日を決めてください。
- 眼瞼下垂手術は保険適用になりますか?
- 上方の視野が狭い・まぶたが開きにくいなどの機能的な症状がある方は、保険適用で手術を受けることができる場合があります。審美目的のみの場合や、下がりが軽く保険の基準に届かない場合、仕上がりをより重視される場合は自費診療です。自費診療では1年以内の再手術が無料、より細い糸・より細い麻酔針を使用する点が異なります。診察で判断しますので、まずはご相談ください。詳しくは保険・自費のご案内ページをご覧ください。
- コンタクトレンズは手術の前後で使えますか?
- 術前の制限はなく、手術当日もコンタクトレンズを装用して来院いただけます。術後は3週間から再開できます。
- 片側だけ手術はできますか?
- 可能ですが、片側だけ手術すると反対側のまぶたが下がって見えることがあります(ヘリングの法則)。術前に反対側の反応を確認したうえで、両側手術が必要かどうかを判断します。
- 眼瞼下垂手術で二重の幅は変わりますか?
- 眼瞼下垂手術は二重のラインで切開するため、二重の幅や形が術前と変わることがあります。術後は眉毛の位置が下がるため、二重の幅が狭く見えることもあります。ご希望の二重幅がある場合は、術前にお伝えください。
- 眉下切開と眼瞼下垂手術、両方必要な場合はどちらが先ですか?
- 当院では眉下切開を先に行っています。眼瞼下垂手術は、あとで眉下切開をする前提かどうかでデザインが全く異なるためです。また、眼瞼下垂手術を先に行ってまぶたの厚みが気になった場合、眉下切開を追加しても厚みは改善しません。2つの手術は2カ月以上あけて別日に行います。
- 術後の通院はいつ、何回くらい必要ですか?
- 眼瞼下垂手術では、術後1週間(抜糸)・2週間・2カ月・6カ月を目安に診察を行っています。術後2週間の診察は過矯正(上がりすぎ)の確認が目的で、万が一過矯正がある場合はその日のうちに修正します。修正はその日の一番最後の時間帯の手術になり、午後7時を過ぎる可能性がありますので、予定の調整をお願いいたします。
- 手術後に左右差が出たら失敗ですか?
- 術後早期の左右差は、腫れの引き方の違いによるものが多く、しばらく様子を見ることで揃ってくることがあります。術後6カ月以降も左右差が残る場合は、再調整を検討します。
まとめ

眼瞼下垂手術は、まぶたを持ち上げる力を取り戻す手術です。コンタクトレンズの長期使用、加齢、目の手術のあとなど、原因や背景はさまざまですが、機能的な症状がある方は保険適用で受けることができる場合があります。皮膚のたるみを合併している場合は手術の順番が、二重の幅やくぼみが変化している場合は原因の見極めが、仕上がりを左右します。
当院では、すべての手術において手術用顕微鏡を使用し、眼科専門医である院長が眼球の状態も含めて診察したうえで、「明日の満足より、3年後の美しさを」を目指し、正しい手術を丁寧に行っています。まぶたの下がりが気になる方は、一度ご相談ください。
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